「サンタさんはママ?」と聞かれた時の答えを、聞かれる前にきめておいた
その時がおそらくもうすぐやってくる。
階段を誰かがギシギシとゆっくりと登ってくるようにやってくる。
それは
「サンタクロースって、パパとママやったんやろ?」。
この質問をされるかどうかハラハラしている。
その主は小2の娘
まだまだびっくりするくらい幼い時もあれば、私にゃよくわからない早口のロカボを口ずさむようなお年頃。
お友達のお兄ちゃんお姉ちゃんは中学生…なんて子も珍しくない。
なにより、登校班には年上のお兄さんお姉さんがたくさんいる。
もし、サンタクロースの話になった時、どんな会話になるのだろう。
小2、3、4あたりがちょうど微妙な年齢だと思う。
「ねぇねぇ、今年のサンタさん決めた?」
「サンタさんっていっても、どうせ親やろ~♪」
「お母さんにそんな高いヤツあかんって言われた!」
「…え!?まだ信じてるん!?」
なんて会話が、小学校の門の向こうでは繰り広げられるのではなかろうか。
あんな純粋な瞳の子ども達の口から、こんな言葉が出てくるのだろうか。
想像するだけで、ビクビクしてしまう…!
でも、私はハラをくくった
もしそんなシチュエーションになったとしても、返す言葉を決めたのだ。
私の返事はこう。
「え、サンタさんおるで。なにいってるん。」
潔いまでに言い切ってやるつもりだ。
しかし、今までとは真意が違う。
私はサンタさんが大人たちに何かしらの魔法をかけていると思う。
だって、クリスマスだからってプレゼントを買わないといけないだなんて決まりはない。
クリスマスに鳥をカリカリにあげたやつを食べる決まりなんてものもない。
家中にクリスマスの飾りを飾らないといけないなんて誰が決めた。
これはきっと、サンタさんが大人に魔法をかけた。もしくは、たぶらかしているからに違いない。
だからもし、娘に
「うそやわ!絶対パパとママや!」と言われたら
「ママとパパがクリスマスプレゼントを渡すように魔法をかけたのはサンタさんだよ。」
と答えるつもり。
サンタクロース⇒子ども の直接の図式ではなく、
サンタクロース⇒大人⇒子ども へと間接的にプレゼントを渡しているのだということにしようと思う。
大人のお金を使ってはいるけどね。
これを軸に持っておこうと腹をくくると、急に気持ちが軽くなった。
私がサンタ=親ということを受け入れた瞬間
というのも、私には今になってもどうしたらよかったのか分からない記憶がある。
それは小学4年生の冬。
クリスマス前に母と電車に乗って、大阪の中心地・梅田へと出かけた。
今と違ってネットなんてない時代。
欲しいものはCMかチラシか現物を見て決めるのが常識だったと思う。
梅田のキディランドで、欲しいものを選んだ。
しかし、目の前で購入してはサンタクロース=母ということが分かってしまう。
そこで母は「ちょっと向こうのほう、見てきて」
と急に私に向こうへ行ってこいと指示を出した。
小学4年生の私は、友達の話や総合的な状況から
サンタクロース=両親
ということは感づいていた。
でもそれを認めたくない・信じておきたいという幼い心も持ち合わせていた。
ここで私が離れたら、そのすきに母はプレゼントをレジに持って行ってこっそり購入するのだろう。
それくらいは簡単に予想ができた。
今なら「うん、分かった」と、気づかないフリをして違う場所へ行くのだが、当時の私はとても複雑な心境だった。
そして、「え、なんで。嫌や。」と頑なに母と一緒にいた。
母に何度か他の場所に行くよう促されたが、どうしても嫌だった。
徐々に母の機嫌が悪くなっているのも、分かっていた。
そりゃそうだ。
年末のくそ忙しい時に、また電車に乗って1人で梅田まで出てこなければいけないからだ。
でも、私は嫌だったのだ。
母もまさか「サンタクロースはお母さんなんだから、ちょっと向こうで待ってて!」なんて言えるわけもなく、その日は購入せずに一緒に帰った。
そして2週間後のクリスマス、枕元にはあの梅田で欲しいと言った子ども用のポチャコの電子辞書が置いてあった。
母はもう一度梅田に行ってくれたのだ
サンタクロースが親だなんてことは分かっていたけれど、私の気持ちを大事にしてくそ忙しい中もう一度買いに行ってくれたことが、とにかく嬉しかった。
そして、私は来年からはちゃんと離れようと、こっそり反省した。
結局その翌年のことはよく覚えていない。
おそらくサンタクロース=親ということを受け入れたのだと思う。
もしくは、サンタクロースを信じている自分を演じるのが恥ずかしくなったのかもしれない。
そんな大人と子どもの境目の年齢に、もうすぐ娘が差し掛かる。
くちごたえはするし、反抗的だし、そのくせ甘えてくるし、本当に手がかかる。
でもどうしようもかわいくてたまらない年齢に。
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