輪廻転生と近年日本の漫画作品〜魂と人格は誰のもの〜

転生ものがめちゃくちゃ多い
なろう系のライトなものから、推しの子のようなシビアめな作品まで様々だ
私も好きでよく読むのだが、魂や人格についてもやることが多いのでそれについて書いてみたい。

①輪廻転生の傑作、ぼくの地球を守って
初っ端からぜんぜん最近の作品じゃ無いのだが、個人的にこれをなくしては語れない。
毎晩夢で前世のことを思い出してゆく高校生たちの青春物語なのだが(こんな紹介のしかたでいいんか?
最近の作品とは決定的に違う点がある。
それは主体は今世であるということ。現代日本で生まれて育ち人格が形成されたところで前世について思い出すので、基本的に前世を思い出した先にも後にも主人公の性格や考え方に変化はない。
前世があるチームの中で1人だけ7歳の少年がいて、彼だけは人格形成で未熟な段階で前世を思い出したせいで人格や思考が前世に乗っ取られてしまう。
その暴走を止めることこそがこの作品の主軸といっても過言ではない。違う人生を送ること、それが生まれ変わることだから、というセリフも確かあった気がする(こんなに熱く語っているけど、最後に読んだのは15年ほど前なのである)
最近の、サクッと前世に今生を乗っ取られてる作品とは奥深さが違う、、、

②魂は自分のもの、人格は前世
このパターンが一番多いかな。
輪廻転生して、普通に生きてて、ある日事故かなんかで前世のことを思い出す。(生まれた時から記憶あるパターンもある)
思い出した途端、その人物の意識は前世の30歳OLとか過労死サラリーマンとかになる。
え?生まれてから今までの人生の積み重ねは?と思わなくも無いが、それは当の本人からは他人事というか。

日本人のいう死にたいって、本当に存在を消滅させたいわけじゃないんですよね。属してるコミュニティからの喪失。なので、今の自分が死ぬことでコミュニティからはなれ、転生先で人生を謳歌する需要はめちゃくちゃあるのはわかる。
なろう系みたいなライトなやつだとあんま気にならないんだけど、推しの子みたいな重めのやつだと、いやお前生まれ変わった意味なんだと思ってるん?と思わなくも無い。

③魂すら別物。それは転生ではなくて憑依か何かでは?
まあでも②は、元々死んでちゃんと生まれ変わった先が異世界というだけなのでまだ許せる
許せないのは、元々その身体に魂がいたのにそれを追い出して転生してるパターン
それは、転生ではないんや。憑依や。
本好きの下剋上とかもこのパターンだったので、なんだかなぁと思って読むのやめた。
現実世界のAが死に、異世界のBが事故だかなんだかで瀕死、タイミングがなんかあって異世界人Bの魂はどっかにいってAの意識が入りました、みたいなやつ、、、
生まれ変わってないよ
というかBの魂どこいったよ。このBの魂がどうなったかはちゃんと説明される作品もあるし、全くされずにさらっと物語が進むパターンも結構多い。
記憶も身体も一緒、でもなんだか別人って、家族からすれば結構残酷な状況だと思うけど、そこをフォローされてる作品はあんまない。
これってスワンプマンというか
ホラー作品では家族側の視点でよく恐怖体験として語られる事象よね。
行ってはならない場所から帰ってきた我が子が、なんとなく中身が別人でもうあの子には会えないのだ、、、みたいな
でもスワンプマン側は何も感じてないのだろうなということが、こういう転生物を読むと伺える。


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