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弾劾戦士カンゼンジャー


名前:カンゼンジャー
変身者:不明
属性:弾劾だんがい正義せいぎ
尊敬ヒーロー:リュウジンジャー(『妖滅ようめつ戦隊せんたいカルマージャ』)
登場作品:『逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー』

性格:
勧善懲悪を矜持として〈悪〉を徹底的に弾劾だんがいする正義のスーパーヒーロー。
しかし、その〈正義〉は非常に偏った理念に在り、最優先するのは『悪を叩き潰す事』──例え眼前で被害者が出ようと無関心とばかりに戦闘を繰り広げるのみ。
その〈大儀〉の前には何事も些末さまつと歯牙にも掛けず、また〝自身の在り方〟こそ絶対として迷いを抱かない。
ある意味では〝〈正義〉という大儀に溺れた選民意識〟とも形容できる。
そうした姿勢から〈逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー〉とは〈正義〉の在り方に於いて対極であり、また彼自身は〈逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー〉に対して「幼稚な〝戦隊ごっこ〟で〈正義〉を愚弄する低俗な悪」と蔑視べっし嫌悪している。
結果として戦局は常に〈逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー〉〈悪事結社ティーヴァン〉〈弾劾だんがい戦士カンゼンジャー〉の三つ巴と化してしまう。

武器:
弾劾だんがいパンチ:悪への憎悪を込めて爆発力と転化したフィニッシュブロー
弾劾撃波だんがいげきは:掌から放つエネルギー波
●屈指の戦闘能力は最強ランクと呼べる

特徴:
勧善懲悪を矜持とする正義のヒーロー。
悪の在るところ作品次元を超えて現れる可能性がある。
そもそも発端となった〝逆転ぎゃくてん戦隊せんたい結成以前に戦闘員部隊を壊滅させたスーパーヒーロー〟とは彼の事である。

解説:
脳内構想当初は同コンセプトながらも〈戦隊〉とする意向でしたが、さすがに1作品に戦隊×2は創作労力的に地獄ですので〈単体ヒーロー〉として集約しました(そんな余力があるなら『次回作戦隊』に傾けたいですし)。
ネーミングは『勧善懲悪』と『完全正義』を掛けており、顔意匠は『善』の一文字……漢字上半分を〝金パーツ〟に見出せば判ると思います(漢字下部の『くち』は、そのままマスクパーツです)。まぁ、彼のキャラクター性からすれば『善』ではなく『正義』からモチーフ化するのが正解なのですが、別意向で「善ってヒーロー顔にならね?」と閃いて挑戦したくなったので、そこは「モチーフはあくまでもモチーフに過ぎない/必ずしも作品像やキャラクター性をイメージ先導するものではない」と寛容に受け止めて下さいw
ボディの方は〈単体ヒーロー〉を強調すべく〝戦隊らしさ〟は避け、意識したのはマッシブな強さと存在感を放つ〝胸筋襦袢じゅばん&大型肩当てタイプ〟──つまり〈超人バロム1〉〈イナズマン〉〈仮面ライダーストロンガー〉といったタイプです(基本的に〈昭和仮面ライダー〉自体も〝胸筋襦袢じゅばんのみ〟ながら広義分類されるでしょう)。
一応は本作を所属作品としていますが〈悪の在るところ作品次元を超えて現れるフリーボーダーヒーロー〉としても機能する設定にもしてします(つまり〈悪夢の使徒エンデクス〉の善玉版といったキャラクターです)。

彼は〈正義のスーパーヒーロー〉には間違いないのですが……その〈大儀〉に心酔するあまり〝ヒーローとして大切なもの〟が欠落しています。
即ち〝まずは弱者をおもんばかり最優先する〟という心です。
とにかく「悪を叩く事こそが正義だ!」と狭隘きょうあい的価値観に染められ、眼前の〈敵〉を倒す事だけに執着。
ですから戦禍が広がろうが眼前で傷つく弱者がいようが目に入らず……あるいは認識したとしても「そんな事は後回しだ!」と構わず〈敵〉との戦いへと固執します。
その〈正義〉は〈ゲコクジャー〉とは対極なものなのです。
それでも世相からの〝ヒーロー賛美〟は彼のものとなります……見た目にしろ能力にしろ〈THE王道〉ですからね。
どんなに歯を食いしばって勝利しても〈逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー〉は人知れず去り……あるいは「戦闘員だ!」と忌避迫害の憂き目にさえ晒されます。
しかし「それでもいい……」と傷心を押し隠して彼等は明日へと臨みます。
少なくとも〝事件解決を通じて知った人達〟は彼等の〝本質〟を理解して受け入れてくれたから……と。

こうした性質差異から〈カンゼンジャー〉と〈ゲコクジャー〉は『水と油』であり、仮に〈ゲコクジャー〉側が「同じ〈正義のヒーロー〉として共闘しよう」と軟化を促しても無駄。
むしろ彼は〈逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー〉を「たかが〈戦闘員〉風情が〝正義の戦隊ごっこ〟だと……〈正義〉をバカにするな!」と軽蔑視しており、ある意味では〈悪の組織〉以上に嫌悪敵視しています。
だから、火に油を注ぐようなもの。
彼にしてみれば無二のプライドを侮辱されたかのような憤りなのでしょう。

こうした
〈カンゼンジャー:勧善懲悪の大儀に酔いしれて本分を失念した正義に溺れる正統ヒーロー〉
〈敵組織:ステレオタイプの完全悪〉
そして
逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー:悪の戦闘員という出自背景に在りながらも〈正義〉に準じようとする最弱異端戦隊〉
という対比によって「正義とは?」というテーマに踏み込んだのが本作品『逆転ぎゃくてん戦隊せんたいゲコクジャー』の独自カラーであり、だから〈逆転ぎゃくてん戦隊せんたい〉と名付けていた背景でもあります。
つまり、単に『悪役が善玉となった』『最弱戦闘員が最強絶対悪を倒す』という作風主旨だけではなく『正義と悪の関係性に対する価値基準』という意味合いも込めていたのです。
ともすれば表層的なイマイチ感に反して、作風のヘビーさは歴代凰太郎戦隊でも『超機ちょうき戦隊せんたいギアテクザー』と張るでしょう。
そして〝それ〟を成立させているのが(良くも悪くも)彼〈カンゼンジャー〉の存在なのです。

~リュウジンジャーとカンゼンジャーの比較差異~

孤高にして我道正義の最強実力者というスタンスがかなり似通った〈リュウジンジャー〉と〈カンゼンジャー〉ですが、同じ狭隘きょうあい的正義とは言っても両者には明確な差異があります。
まず〈リュウジンジャー〉の場合は『妖滅ようめつ:害悪妖怪を滅ぼす』という宿命にストイックなまでに愚直であり、それゆえに〈妖怪:善悪問わず〉に対しては無慈悲な対応を取る姿勢に在ります。
しかし、必ずしも性根は非情ではなく、使命に準じなければならない宿業に人知れず苦渋を咬む〝やるせなさ〟も内包している。
対して〈カンゼンジャー〉は「自分こそ〈正義〉だ! 自分の在り方こそ〝正しい〟のだ!」と大儀に酔いしれており、無自覚ながらも選民意識的な慢心へと堕ちているのです。
ちなみに実力的に見れば〈カンゼンジャー〉は間違いなく『凰太郎戦隊』で最強戦士の部類に入りますが、やはり〈リュウジンジャー〉の方が突出して〝完璧な強さ〟に在ります。
ともすれば『凰太郎戦隊』最強の座は〈リュウジンジャー〉なのかもしれません。
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