『悪魔は闇に…』

神出鬼没な怪獣が出現し、街を破壊するようになった。　
しかし、現場に急行すると忽然と消えてしまう。
困惑に手を焼く〈U-SET〉のメンバー。
そんな中でダイチは、小学生〝真美〟と出会う。
必ず現場にいる真美に不信感を抱く〈U-SET〉に対して、ダイチは彼女を信じて庇い続けた。
やがて明るみになる真実──。
真美は小学校で友達も作れず、寂しさのまま孤立していた。
そして、そんな彼女の苦しい胸の内を、共働きの両親は知る由も無かったのである。
その〝心の闇〟に付け入る形で〈悪魔ザデモン〉が心底に棲み着き、少女の悪意を誘惑していたのだ。
「オマエを必要としない世界など壊してしまえ」と……。
人間の〝負念〟こそが、この悪魔の欲するものであった！

姦計を看破されたザデモンは宿主である真美の抵抗意思を無視して強行的に出現！
ダイチは〈ギガレイスディア〉に変身して対決するも、ザデモンの魔力は強大過ぎた。
真美の〝負の心〟が、そのまま魔力源と化しているからだ。
翻弄されるままに苦戦へと陥るギガレイスディア。
それでも屈しない姿に真美が勇気を叫んだ。
「アンタなんかいらない！　わたしだって友達を作れる！　アンタなんか必要ない！」
宿主に拒絶されて弱体化するザデモン。
一転の好機に優勢となったギガレイスディアは〈ギガマイトブラスト〉でトドメを刺すのであった。

後日、真美は勇気を出した。
楽しそうに話している友達の輪に、自分から話し掛けてみた。
夕暮れの帰り道で両親と手を繋ぐ嬉しそうな少女の笑顔に、ギガレイスディアは言う。
「あの少女は、もう大丈夫だ。彼女は〈勇気〉を知った。自分と向き合って踏み出す〈勇気〉を……」
温かく見守る微笑みに頷くダイチ。
黄昏は祝福するかのように〝家族〟を包み込んでいた。

ネットに没頭する少年がいた。
今日も〝誰か〟を攻撃するために……。
声が聞こえる。
「オマエを必要としない世界など壊してしまえ」

悪魔は不滅である。
この世界は〝虚無感〟で富んでいる……。

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