『雪』
信じていたことが間違いだったという経験は誰でもあると思います。
童謡『雪』は明るく軽快なメロディーで
多くの人に親しまれ歌い継がれてきました。
『雪』の歌い出しを
「雪やこんこん あられやこんこん」だと
信じこんで歌っている人が多いのですが
『雪』の場合は
「こんこん」と歌うのは間違いで
正しくは「こんこ」です。
私も昔は「こんこん」だと信じこんでいましたが ・ ・ ・
1.雪やこんこ あられやこんこ
降っては降っては ずんずん積もる
山も野原も わたぼうしかぶり
枯木残らず 花が咲く
2.雪やこんこ あられやこんこ
降っても降っても まだ降りやまぬ
犬は喜び 庭かけまわり
猫はこたつで丸くなる
1番と2番を間違えて歌う人も多いようです。
「こんこ」の意味は諸説ありますが
来む(こん)=来い=降れ
と関係があると言われていて
次の2つの説が有力とされています。
1.「こんこ」=「こんこん」=「来む来む」=「降れ降れ」
2.「こんこ」=「来む此」=「ここに降れ」
1.「こんこ」=「来む来む(こんこん)」だとする説の場合は
『雪』の歌い出しが語源的には
「雪やこんこん あられやこんこん」となって
多くの人が信じこんで歌っている歌詞になります。
なぜ「こんこん」にしなかったかというと
別の童謡『雪やこんこん』の歌い出しが
「雪やこんこん あられやこんこん」で
まったく同じ歌詞になってしまうので
「こんこん」を避けて「こんこ」にした
という説です。
ちなみに『雪やこんこん』は
瀧廉太郎作曲、東くめ作詞の童謡で次のような歌詞です
雪やこんこん あられやこんこん
もっとふれふれ とけずにつもれ
つもった雪で だるまや燈籠
こしらへましょー お姉様
『雪』は作詞者、作曲者ともに不明となっていますが
『雪』と『雪やこんこん』は酷似しています。
ちなみに『雪やこんこん』は1901年に作られ
『雪』はその10年後の1911年に作られています。
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