『一つの花』

コスモス(秋桜)は清楚なやさしい風情があり私は好きです。

『一つの花』という題名の物語があります。
長い間、小学校4年生の国語の教科書に掲載され
広く読まれている物語です。

太平洋戦争末期
まだ片言でしか話ができない幼いゆみこは
両親と一緒に3人で暮らしていました。

戦時中の食糧難の時代
お腹をすかして食べ物をねだるゆみこに
母親はいつも「一つだけね」と言い聞かせて
自分の分をゆみこに分けてあげていたので
いつのまにか、「一つだけ」という言葉が
ゆみこの口癖になりました。

やがて、体の弱い父親にも赤紙(召集令状)がきて
戦争に行かなければならなくなります。
父親との別れの時間が迫ってきたとき
ゆみこはまた「一つだけ」と言ってぐずりました。

父親はプラットフォームの端っこに
忘れられたように咲いている
コスモスの花を見つけました。

父親は一輪のコスモスの花をゆみこに握らせて
「一つだけのお花、大事にするんだよ」と言います。
喜んでいるゆみこを見た父親はにっこり笑うと
何も言わず汽車に乗り込み、行ってしまいます。
父親はそのまま帰らぬ人となりました。

それから10年の歳月が過ぎ
ゆみこは、とんとんぶきの小さな家で
母親と2人で暮しています。
ゆみこに父親の記憶はありません。
コスモスの花が家の周りにたくさん咲いています。

という物語です。

花=命
一つしかない命を大事にしなさいという
メッセージが込められている感じがします。

家族のささやかな幸せを奪ってしまう戦争
この物語を通して
戦争の残酷さ、平和の尊さが伝わってきます。

「秋桜」の歌詩が浮かんできます
♪薄紅のコスモスが秋の日の
♪なにげない日溜まりに揺れている

秋のこの季節
風に揺れて咲いているコスモスを見ていると
優しい気持ちになります。

花には人の心を癒す力がありますね(@⌒ο⌒@)

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