見出し画像

しわとたるみの新たな原因を資生堂が発見


資生堂が開発した皮膚内部構造の3次元可視化技術を活用し、リンパ管の機能が低下した皮膚の内部では、毛細リンパ管が顕著に形態変化を起こしていることを初めて明らかにしました。リンパ管は体内の老廃物を排出する役割を果たしていますが、機能が低下すると肌の問題(例えばしわやたるみ)が引き起こされる可能性があります。

さらに、リンパ管の機能低下に伴い、真皮中のコラーゲンが変性することも発見しました。コラーゲンは皮膚の構造や弾力を保つ役割を果たすため、その変性は皮膚の健康に影響を及ぼす可能性があります。

この研究の成果は、国際学会を含む複数の学会で発表されました。今後、リンパ管の状態を視覚的に評価・診断できる革新的な技術の確立につながると考えられています。資生堂は、皮膚の内部の状態(血管やリンパ管、免疫、神経等)と肌との関連について、ホリスティックな視点で研究を進めると表明しています。

資生堂と千葉大学医学部附属病院の研究者との共同研究では、リンパ管の機能が著しく低下したリンパ浮腫皮膚の毛細リンパ管の形態を解析し、リンパ管の機能低下が真皮コラーゲンに及ぼす影響についても検証しました。その結果、リンパ管の機能低下により、コラーゲンが過剰に蓄積し、多くが変性していることが確認されました。

さらに、リンパ管の老化の引き金となるTGF-βが、コラーゲン変性の要因の一つであるMMP-2の産生を増やすことが確認されました。これは、リンパ管の機能低下が真皮コラーゲンの変性に繋がることを示しています。

桑の根エキスについては、資生堂の先行研究において、リンパ管の老化を引き起こす要因であるTGF-βの作用を抑制する能力が見つかっています。つまり、桑の根エキスはリンパ管の老化を防ぐ可能性があり、その結果、皮膚の健康維持に寄与すると考えられます。

本研究で明らかにされたリンパ管の機能低下がコラーゲンの変性を引き起こすメカニズムに対して、桑の根エキスがこの変性を抑制する可能性が示唆されています。これは、新たなスキンケアのアプローチとして非常に興味深い発見で、桑の根エキスを活用した製品開発につながる可能性があります。

この研究成果を踏まえ、資生堂は肌の健康を保つための新たな視点を開拓しています。リンパ管の機能の維持が肌の弾力や健康維持に重要であることが確認されたため、今後の製品開発や研究においてリンパ管の機能を視覚的に評価・診断できる技術の確立が期待されています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?