詩)雲の行方

空の雲はもっと怖かろう
どこへ流されゆくかも知らず
空の果ては見えないけれど
ひとりだけどひとりじゃない
旅人は辿り着く必ず

破れた地図に
壊れたコンパス
行き先知らずの旅に出る

道標を求め
彷徨い歩いて
この木の下へと辿り着いた

何をすべきなのか
今はよくわからない
何か恐ろしいことが
起ころうとしているのか

芝に寝そべって
空を見上げた
口笛吹く

空の雲はもっと怖かろう
どこへ流されゆくかも知らず
空の果ては見えないけれど
ひとりだけどひとりじゃない
旅人は辿り着く必ず

地下の迷路には
案内人もいない
キャンセルできない旅に出る

宝石を探し
彷徨い歩いて
一人の老人に出会った

何を追うべきなのか
意味はよくわからない
何か恐ろしいことが
起ころうとしているのか

空に向かって
レンズを重ねた
火蓋を切る

空の雲はもっと怖かろう
どこへ流されゆくかも知らず
何が見えるか知り得ないけれど
道標はこの手で掴む
旅人は辿り着く必ず

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