ウサギとカメ、どちらを目指すか

どうも1610です。

昨日読んだ「はだかの王様 億万長者がすべて失ってわかった絶対にやってはいけない42のこと (角川フォレスタ) 与沢 翼」に印象的な一節がありましたので紹介します。


著者は与沢翼さん。


ホリエモンの少し後にネオヒルズ族とかいってもてはやされた彼は、その後会社を1つ倒産、その後打ち立てた企業も会計的な失敗により資金をショートさせてしまいました。

億ションを数室借りるような生活から一点、転落。

ちなみにそのころ与沢さんは、少なくともネット界隈では「何やってるかわからないいかがわしい奴」みたいな扱いを受けていたと思います。

真実はともかく、彼は現在では再起しているようで、アベマTVに出演してドバイでの奥様とお子さんとの三人暮らしを紹介しておりました。

そんな与沢さんが、転落生活の最中2014年に執筆したのがこの本。

「成功したお金持ちがやったこと」ではなくて、「失敗したお金持ちがやったこと」をまとめたところが面白いです。

「節税に血眼になってはいけない」「知識バカになってはいけない」「美人秘書を雇ってはいけない」などなど自身の豊富な失敗談からビジネス論を展開しており、なかなかためになります。

そんな中でいちばん印象に残ったのが「ウサギとカメ」の話です。


「刺激ばかりを求める 「ウサギ」になってはいけない」


ここでいうウサギとは、インターネットビジネスのような「すぐ成果が出る」「時代の潮流に乗る」スタイルの行き方のこと。

ひとつのことを積み重ねるよりは、フットワーク軽くいろいろな事業に手を伸ばし、「自分に何ができるか」より「現代は何が刺激的か」を重視。

対照的にカメは地道でストイックです。「自分にできること」をコツコツと積み重ねていくタイプ。

与沢さんは自身の反省として「ウサギタイプだったこと」を挙げています。

ウサギのような人は、自分の実力を過信し油断することにより、最終的には多くの成果を逃してしまう。  一方、カメのような人は、ウサギのような瞬発力はなく、歩みが遅くても、脇道にそれず、着実に進むことで、結果的に大きな成果を出す。


「カメを目指してもいけない」


しかし面白いのは、与沢さんは「生き方として正しいのはカメ」としながらも、「カメを目指してもいけない」とします。

そもそも、「カメとしての人生を貫ける人は、ほんの一握りしかいない」というのです。

とはいえ、カメになろうと思って、本当にカメのような人生を歩むのは簡単ではありません。カメは、自分が信じる道から外れることなく、コツコツと歩みを進める。しかし、すぐに日の目を見るとはかぎりません。  世の中で成功を手に入れるには、トレンドやタイミングをつかむことも重要です。たとえば、インターネットの新しい流行をいち早く取り入れてビジネスにするような人が成功しやすい。

 現代はたしかにウサギの時代ではないでしょうか。
「個人でも稼げる時代」。

彼らのどれだけが果たして末長く生き残れるかはともかく、チャンスに溢れていること自体は事実で、その波を逃さず行動するのはたしかに重要です。

そんな時代にあって、カメの人生は試練の人生です。

カメはトレンドやタイミングが自分のところへやってくるまで、ひたすらわが道を進む。そのプロセスでは、まったくまわりから理解されず、なかなか成果が出ないこともあります。
成功を手にしたウサギからは、無視され見下されたりするでしょう。
ほとんどの人は、ここでカメとして生きることを放棄します。ウサギのような人生をうらやましく感じ、自分の信念や興味から離れたモノに手を出してしまう

これもよくわかります。
だからこそ、今の時代にカメを貫けるのは超一流だと、与沢さんはいう。

そして次の一節。

松下幸之助氏の本を読み 漁っていたことがあります。しかし、人として正しいことが書いてあることは理解できても、あまり共感できず、ひとつも真似できませんでした。彼らは超一流のカメとしてたどり着いた境地を文章にしているので、ウサギの凡人としての風景しか見ていない私に理解できなかったのは当然です。  超一流を目指す前に凡人であることを自覚することで努力できるようになります。

・・・ぼくも同意見で、ひとつのことをコツコツ突き詰めるのは、天から与えられたギフトだと思うんですよね。

それはもちろん素晴らしい。

でも一方で、飽きやすく、次から次に刺激を求めるウサギはダメなのか?

そうではない。
というか、そうではないと思いたい(ぼく個人もカメではないので)。

「カメとしての人生を貫ける人は、ほんの一握りしかいない」

その現実を受け入れる。
受け入れた上で、ぼくはぼくで、刺激に翻弄される中での学びを大切にしたいと感じました。

皆さんはどう思いますか?

omake


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