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第185怪~無表情という仮面劇の考察

僕の作るストロベリーソングオーケストラでの演劇作品には『闇』なる役が在り、性別は中性、無表情。共産主義でも無く、太陽でも無く、猫でも無く、青い空でも無い、ただ解っている軸は『闇』だけという特殊な役である。


闇という字には『音』という文字が在る様に、闇には闇特有のはりつめた音が存在していて、僕は常々、その音捜しをしている。さしずめ、静寂の中のかくれんぼの鬼。悪い子はいねえかーのナマハゲ状態。


その音は闇の中から何かが産まれる「希望』の音かもしれないし、闇の更に奥深い漆黒の闇へと消えゆく『破滅』の音かもしれない。ただ、僕の作る闇達は無表情である為、その闇が何型の闇になるのかは、作り手の僕にも闇なのである。


僕が『希望』型の闇だと思って闇を作ったとして、仮にAという俳優が、『破滅』型の闇を作ってしまったのであれば、そこは演出上、作品破綻であるので、きっちりと絡まる糸の介錯は行うのであるが、人間100人いれば100の脳髄が在る為に、色んな発想から産まれる闇が出来てくる。
そうなった場合、それは不協和音では無く、研ぎ澄まされた音になるから面白い。音楽家でいえばジョン・ゾーン。ネイキッドシティあたりか。


『恐怖』という闇が産まれたとしたらどうだろう。人間、喜怒哀楽と4大感情があるが、僕は恐怖の「恐』という文字が、どうしても5番目の感情として必要に思うのであり、その5番目の恐怖という感情の同意語がまさに『無表情』だと思っている。赤子の微笑も、無表情の大人への恐怖であり、初めての懇願、希望でもある。そうなると、僕の描いている闇方程式は少し復雑なオーケストラになっていく。


無表情のバイオリニストが恐怖を奏でると、恐怖という無表情が産まれる。無表情の、ドという音と、恐怖のドという音が重なりあい、新たな闇の音を作る。すると、希望、破滅の闇とは無表情という点では共鳴するが、希望という名の喜、破滅という名の哀とは気持ち悪い音を放ってしまう。そこで僕は考えなければならない。闇の中に存在する音という文字の意味を。


実際僕は幼少期、闇の中で育った。正確には、家計が厳しいが故、両親が共働きで、母は水商売、父は夜勤の工場勤務と働いていたのであり、僕は3歳から8歳迄、大体の家族が楽しいひと時を迎えるであろう夜は、7時半に家中の電気を消され、闇の中で、泣きながら育ったのである。


一人じゃ寂しいからと、隣駅である野崎駅での風物詩・野崎参りで釣ってきたヒヨコも次第に大きくなり、鳴き声が近所迷惑になるからと、父が働く工場に連れていかれ、幼き僕は「ミミル(ヒヨコの名前)は最近どうしてる?」と聞いたら「食べたで~」と卒倒する一言を聞くハメにも(後から知ったが病気で死んでいる)自慢じゃないが、よく盗んだバイクで走り出さなかったなと我ながら思う。その時に聞いていた闇の音は一体どんな音であったか。


当時、それは恐怖の闇でもあり、破滅の闇でもあると子供心に思っていたのだが、それは間違いであって、生活を支える為の家族の希望の闇だったんだと今思うと、はて、どの闇の音が一番心地よく、気持ち悪いのだろう?今後の『闇』を作る演出家としての課題でもあり、役者達の課題でもある。闇に隠れた音。身近に隠れている闇の音の捜索劇はまだまだ続く。


さて、何度もオシラセしている今後の鏡町。

6月30日(日)19時より、YouTube生配信『怪帰蒐集友の会』があります。


今怪のサブタイトルが『禁断の女子怪篇』という事で、どのメンバーが登場するかは当日のお楽しみ。女子怪という訳で、今怪は新しい形でお届けする仕様となっております。

YouTube怪員登録はコチラから。
毎月15日に怪員限定動画も配信しておりますよ。
これまでの演劇本公演『切り咲きジャップ』シリーズ全編、怪帰大作戦、SAISEIGAとの2マン公演・音不死等、いろんな動画が見れます。


続いて7月はコチラ。
瀉葬文幻庫主催『怨塊禁書』デス。

こちら、瀉葬文幻庫で用いる影像・楽曲も出そろい、サポート勢の異形衆もバッチリ!あとは肝心の唖・瞽がどこまで出来るかのチキンレース状態となっております。おい!そういえば今日火曜日、早めに集合して稽古する話してへんかったか?

こちらのチケットもモリモリ販売中。
まだ購入いてない方は是非お怪求めを!!
こちらピクチャーチケットでございますよ。


続いて8月。
8月はストロベリーソングオーケストラ単独公演『夜雨に帰ルAme-1:50』デス。

こちら、冒頭からラストまで『座長、君はなんでこんな台本書いてしまったんや…あとで大変な思いするぞ』と、台本執筆中に耳元でささやいてあげたかった位ボリュームがいかつい内容となっております。手作りコンサートの域をはるかにキャパオーバーしちゃっているので、こちらもまだチケット買ってねえや!てな、うっかりこっくりさんはチケット購入ホーム、もしくはアニアニでも販売しているのでお怪求めください!!コチラもピクチャーチケットでございますよ。電子チケット時代なのにうれしいでやんすねー!

ストロベリーソングオーケストラ、まだ観た事ねえんだよな!ってな方も是非迷わず来るのだ。


そんな公演が立て続けに入っている僕デスが、僕は僕で11月22日~24日に行われる演劇本公演の台本執筆に連日追われております。久々のこの感じ、まだまだ器用貧乏の道は険しい…嗚呼、この土砂降りの雨の中、ちょこザップにも逝きたい…


それではここからは毒者限定記事。
毎怪、過去の犯行履歴をお届けしておりますが、今怪お届けする犯行履歴は2017年9月に行われた心斎橋SOMAでのオールナイトイベント『地獄祭』に出演した際の影像デス。

この時は共犯者の皆がアニアニに集ってくれて、皆で会場まで歩いていったんデスよね。深夜の地獄へのピクニック!!

それではご覧ください!!

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この【仮分数のヒトビト】では、ストロベリーソングオーケストラや伝説のコント集団・ストロベリーソングオーケストラ野球部、僕が飴彩里沙羅と行っている瀉葬文幻庫に纏わる秘話、そして毎回何かしらのレアな付録が憑いてきます。 共犯者の方は生ビールを一杯呑んだつもりで定期購毒、毒者と成り果ててください。(月に4~5怪の更新になります)

お憑かれ様デス! このマガジンでは関西アンダーグラウンドシーンで活動する、見世物パンク一座・ストロベリーソングオーケストラの座長である【…

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