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第169怪~BARギロチン繼酒、無事?終わりました?

お憑かれ様デス!
日曜日に行われた瀉葬文幻庫主催『BARギロチン-繼酒つぎざけ』にお越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました。昨年12月に根城である秘密倶楽部アニマアニムスで行った『BARギロチン-昼酒』『BARギロチン-夜酒』の続編として行った今怪の『繼酒』でしたが、これにて閉店でございます。

ありがとうございました!

今怪のnote毒者限定記事は、魔さかこんな展開に誰がなると思っていたのか!的な、驚愕のライヴレポートとなっております。

公演終演後、そしてSNSでもオシラセさせていただいている通り、7月6日(土)に瀉葬文幻庫主催『怨塊禁書おんかいきんしょ』を行います。こちら、チケット発売の詳細が整い次第SNSで発表しますので、皆さん7月6日の土曜日は暦に赤マルを憑けておいてください。

怨塊禁書


怨塊禁書 出演者

瀉葬文幻庫主催
怨塊禁書おんかいきんしょ

7月6日(土)
大阪・寺田町ファイアーループ

開場 17:30
開演 18:00
前売 4500円
(別途D代)
当日 5000円

地下世界にて闇を患う溢者あぶれもの
緇糸くろぎぬに身を包んだ異形󠄁の衆共が-怨塊禁書-なる火葬見聞録かそうけんぶんろく此処ここしるす。
唄えや、唄え。紡げや、紡げ。赤蝙蝠が山に帰るまで。

出演
瀉葬文幻庫
ネクロマンティックス
恋村虚無子
怪我童子

これまでの瀉葬文幻庫主催は『耳憑夜』といった文学を中心とした企画だったのデスが、この【音狩り】という一時の事件が終息を迎えた鏡町に今度は【怨塊】と化した音を紡ぐ葬者達が集う、みたいな夜葬会を行いたく怪催する運びとなりました。

ストロベリーソングオーケストラ、瀉葬文幻庫では初共犯となる怪我童子けがわらし

SNSで見かけて奇になっていた楽団の皆さんで、いつもの電信柱の影から飴ちゃんで誘うシステムで強引に鏡町へ連れ込んで出演していただける事になった次第デス。童謡、民謡且つ、ロックテイスト溢れる激しいナンバーが癖になる妖怪。瀉葬文幻庫の初となる怨楽フェスにはうってつけの方々デス。

もはや瀉葬文幻庫のイベントで出演しなかった怪は無かったんちゃう怪?瀉葬文幻庫がタニシ君のバーター的な、あ!松原タニシ君…じゃなかった、恋村虚無子こいむらきょむこ。タニシ君曰く、虚無僧アイドル、との事デス。
普段は事故物件を主軸に霊障怪談・ヒト怖怪談を披露する彼デスが、今怪はどんなオカルトキノコを喰らわせてくれるのでしょうか?

『ネクロマンティックス』
実に20年振りの共犯になるであろう、希少な無表情亜種の皆さんデス。ストロベリーソングオーケストラの企画に出演して頂いた時のインパクトが忘れられず、今もこうして活動されている事が嬉しく今怪久々お声がけさせていただきました。そうそう、20年前の僕が組んでいた企画って、こういった良い忌みで癖の強い人達ばっかりだったな、と(笑)。

『瀉葬文幻庫』
主催者である我々、瀉葬文幻庫。
この日の形態は魔さかの楽団編成でございまして…

瞽・宮悪戦車
唖・飴彩里沙羅
聾・犬拐雄叫(ストロベリーソングオーケストラ)
跛・ゆかごん(ストロベリーソングエキストラ)

といった編成で怨塊を紡いで参ります。
ちなみに聾は今怪のギロチン公演の終了後のアフタートークに出演を知るというサプライズ!(僕が伝え忘れていた!!)
これまで、死神三寸離れた区画に於いて紡いでは瀉葬してきたコトノハ達を怨塊としてお届けして参りたいと思います。勿論犯行現場が寺田町ファイアーループなので月絵を山盛り唖に書きなぐって貰おうかと今から企んでおります(あなたの知らない世界ならぬ、唖の知らない世界)

チケットの詳細は詳細が整い次第、追って発表して参りますので、皆さん7月6日は暦に赤マルを憑けておいてくださいね!

ストロベリーソングオーケストラ、瀉葬文幻庫と熱い夏になりそうだぜ!!



さて、今怪のnoteデスが、今怪瀉葬文幻庫が行った作品『BARギロチン』の『昼酒』『夜酒』がどんな話だったかを何週かに渡って連載して逝きたいと思います。

この作品は元来無類の酒好きである瀉葬文幻庫が「酒」をテーマとした作品をやりたいなと話していたところ、酒に纏わる有名な怪異といったら真っ先に浮かびあがるのが『酒呑童子』の伝説記。
その酒呑童子を軸に、唖が持ち寄ってきた一冊の本が相成って出来たオリジナル作品デス。本来、『BARギロチン』は唖がひたすら葛城ユキのボヘミアンを熱唱するカラオケ酒場的なイベントだったのに、奇が憑いたら、しっかり演劇作品となっていた訳でして…

唖が持ち寄ってきた一冊の本というのが、戦犯作家として指弾され死を遂げた作家・火野葦平ひのあしへいの『酒童伝しゅっぱでん』なるエッセイ。

酒童伝から

芥川賞を受賞している火野葦平の作品ながら、実にこの『酒童伝』に纏わる情報がSNSでさがしてみても都市伝説ばりに少ない事から、この書籍そのものが怪異だなという話になり、こちらに書かれている詩をリライトして物語を作りました。魔さか、火野葦平も自身のエッセイが戯曲になるとは思いもしなかったでしょうな。猟奇小説、怪奇小説、戯曲をモチーフにするバンドや劇団は多数いてるかと思いますが、『酒』をテーマにアングラ演劇を作っているのは中々いないでしょうね。ちなみにこの本、まあまあ安くてメルカリとかでも買えるので奇になった方はお怪求めください。

この『BARギロチン』。
こちら、数回の連載になる故、連載が纏まり次第、瀉葬文幻庫の書棚(マガジン)にも見やすいよう同様に並べておきますので、そちらでも今後、目劇バキュンの程宜しくお願いします。

毒者限定記事は冒頭でもお伝えしている通り、衝撃の展開を迎えた名古屋金色鮫での公演ブログ的なものを公開します。

それでは連載小説『BARギロチン-昼酒』ご覧ください。


BARギロチン-昼酒 1杯目


此処は鏡町より死神三寸離れた区画にある一軒のBAR。
今宵も大勢のマヌカン達が赤い液体、青い液体、そして黄金色の泡で蓋をした液体を口に運んでは談笑している。

グラスを磨きながら、この店のマスターなのであろう無表情のその男が口を開く。

無表情の男

「そちらのお嬢様、あちらのお客様からです」

よくあるBARでの光景だ。かと思えば、

「手前様の眼鏡様、あちらの眼鏡様から、、眼鏡です」

と、どこかネジが外れているのか、ウケを狙っているのだろうか、予期しない事を無表情で呟いたりする。それを受けて、眼鏡様と呼ばれたマヌカンも、あちらの眼鏡様からと呼ばれたマヌカンも聴こえていないのだろうか、蜿蜒えんえんと笑顔を絶やす事無く、男の呟きだけが、BARの乾いた空間に浮遊する。

「こんな話を聴いたのですが、BARだとうたっている癖にいきビイルと炒飯ばっかり出る店があるらしいんですよね、この近所に。もうそれ王将ですやん」

ざらついた拡声器風のアナウンスで「ソーハン、イー、コーテル、リャン」と、この男が紙おしぼりのナイロン包装に唇をあて震わせながら呟いてみてもマヌカン達には一切響きはしない。だからといって、この男も虚しい表情を浮かべる訳でも無く、静かに流れる店内BGMと共に、ただ時間だけが流れていく。

カランコロンカラン

BARのドアが開く音がした。

「いらっしゃいませ、ようこそBARギロチンへ」

無表情の男は自分の店を『BARギロチン』と言った。
ギロチンのマスターがドアの方に視線を送るでも無く、キュッキュッとグラスを磨く中、オカッパ頭のこれまた眼鏡をかけた一人の男がマスターに喋りかける。

「カウンター空いてる?」

マスターの目が一瞬、その客人に向いたかと思うと、直ぐに視線は店内の壁にかけられているアンティーク時計に向けられ、腹話術でも見せられているのだろうか、口元は一文字のまま、マスターが音を漏らす。

「どうぞ」

まあ、不愛想な店だなと思う毒者どくしゃもおられるだろうが、こんな死神三寸離れた区画にポツンと佇んでいるBARを営む者だ。一癖も二癖もあってこそ、物語のト書き上では定石じょうせきなのだ。

と、オカッパ頭の眼鏡が口を開く。

「オススメ頂戴」

グラスを磨く手が止まる。

「オススメのカクテル…本日はオカルトキノコになります」

「ほう…じゃあ、それを貰おうかな」

と、オカッパ頭眼鏡がオーダーすると同時に、そのカクテル《オカルトキノコ》がスっと提供される。そのスピード足るや、大衆酒場でショーケースに並んでいる一品物を頼んだ時に出てくる速さをも凌ぐスピードである。ちなみに余談であるが、よく唖と瞽が呑みにいく『正宗屋』なんかは生中2杯、まぐろしそたたき、ふき煮、かに酢、茶わん蒸し2個が1分でテーブルに並ぶ。ブレイキングダウンもビックリなスピードである。

オカルトキノコ レシピ

・ジン 45ml
・アップルジュース 45ml
・乾燥ポルチーニ茸 1切れ

ジンとアップルジュースをロックグラスに注ぎ軽くステアした後、乾燥ポルチーニ茸をぶっこむ。微かにポルチーニ茸の香りがして美味。

鏡町カクテルレシピより

閑話休題…

オカルトキノコを啜りながらオカッパ頭眼鏡がボソっと口を開く。

「マスター、話聴いてくれるかな?」

マスターは無表情のまま…

「金龍ラーメン以外なら」

無表情のマスターが、謎の奇異ワード《金龍ラーメン》以外の話なら聞き受けるとオカッパ頭眼鏡にスパッと放つ。ニヤっと含み笑いを見せたオカッパ頭眼鏡がボソッと…この文章の塊がラップバトルみたいに韻を踏んでいるように見えるのは気のせいである。

「こんな話を人から聞いたんですけどね…」


次週『BARギロチン昼酒2杯目』に続く。


此処からは毒者限定記事デス。
衝撃の名古屋金色鮫での公演ブログ。一体何が起きたのか!

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アコースティックギターにサインを施す?オカッパ頭眼鏡

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この【仮分数のヒトビト】では、ストロベリーソングオーケストラや伝説のコント集団・ストロベリーソングオーケストラ野球部、僕が飴彩里沙羅と行っている瀉葬文幻庫に纏わる秘話、そして毎回何かしらのレアな付録が憑いてきます。 共犯者の方は生ビールを一杯呑んだつもりで定期購毒、毒者と成り果ててください。(月に4~5怪の更新になります)

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