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第166怪~プロレスと音楽

お憑かれ様デス!
気持ちを高めたい時に聴く音楽は何デスか?と問われた時に即刻返す言葉が

UWFのテーマ!

と、固定アンサーに紐づけしている宮悪戦車デス。

UWFのテーマって何じゃらほい?ってな方も毒者の中に多くいる事だろうから、一旦そのリンクを貼っておくので聴いてみてください。

数あるUWFのテーマがYouTubeで上がっていたけれど、断トツセレクトするならこの入場シーンでしょう!2000年2月26日・日本武道館での田村潔司vsヘンゾ・グレイシー戦での田村選手の入場シーン!何度観ても鳥肌が立つ!(こんなのもYouTubeにあがっているだなんて感動!!)

この試合を当時まだ実家に住んでいた僕はWOWWOWで拝んでおった訳デスが、リングアナの「田村潔司選手の入場です!」のコールの後に一瞬間が空き、そこから大音量で響き渡った曲がこのUWFのテーマ。まだ元気で生きていた母とたまたま観ていたのデスが、なんも解らん母と無理やり抱き合い、このUWFのテーマがいかに特別なのかを延々と執拗に語り、母に凄くキレられた思い出が蘇ります。「そんな熱く言われても知らんもんは知らん!!」と…

まあ、なんでこの時に田村選手がこの曲で入場したかは(普段は全く違う)話せば凄く長くなるので割愛するとして、そう、僕はこの「UWFのテーマ」が大好きで、何か事ある時に車で爆音状態で流しては気を高めております。

思い返せばそれは小学校4~5年生の頃。
先程登場した「そんな熱く言われても知らんもんは知らん!!」とキレ散らかしていた母親が、まだあどけない僕を梅田まで出向いて連れていった映画がサム・ライミ監督の『死霊のはらわた』と伊丹十三監督の『お葬式』という、当時R指定が無かったからOKとは言ったものの、今思い返せば、コレ、本当に子どもが観て大丈夫?的なシーンがワンサカ登場する映画だった…みたいな話は良く色んな所で喋っておる訳デスが、この時まだ冷静だった父が母に対して「大丈夫か、子供にそんな映画を観せて!」と確認したところ、母は父に対して延々とこの映画がいかに面白いかを執拗に語って、取っ組み合いの喧嘩をしていたのを台所の水屋の陰から見ていたのも鮮明に覚えている。父からしたら「そんな熱く言われても知らんもんは知らん!!」である。

で、この当時、日本はスプラッター映画がもの凄く流行っており、色んな作品がその後公開され、母は幾度となく梅田にまで僕を連れまわし、そういった映画を観たものであった。『バタリアン』や『スペースバンパイア』とか。まあ、ホラー映画には耐性があったのは愛読書でもあった江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを読んでいたからというのもあったし、あとはプロレスをテレビで観ていたから?とも思っている。つかみ合い、殴り合い、そして時折流血までもしてしまう。そんなバイオレンスな世界観と、ホラー映画や乱歩が描くような猟奇的事件を重ねてしまったのかもしれない。

いやいや、それは無理矢理だよ明智君。ホラー映画と少年探偵団とプロレスがどう結びつく?と思いの方もおられるだろうが、実際、僕もこんな大人になってしまったんだからそれはもう僕で証明しているものだと思い詳細は省く。他にもこんな大人沢山居てるだろうし。

僕が初めて観たテレビ中継でのプロレスが、当時、小学校3年生くらいだろうか、その頃の友人『かっちゃん』の家で観たのが最初だったと思う。

『かっちゃん』はこれまた僕の人生日記の中に度々登場するキーパーソンであり、彼が居なかったら僕がテーマとする『鏡町』という舞台も無かったかもしれない友人でもある。この『鏡町』が出来るまでの件も以前ブログで書いたか、noteで書いてあるか、トークライヴで喋ってはいるだろうから、コチラもまた割愛させていただく。

で、その『かっちゃん』の家で何故プロレスを観たかというと、僕の両親が当時共働きで、僕、なんらかの行事ごとがある度に、色んな友達の家に預けられるという、なんとも友達側の親御さんからしたら迷惑極まりない子供だったのだが、友達の親御さんと僕の両親もつきあいがそこそこあったのだろう、嫌な顔をせず僕を預かってくれていた。そんな『かっちゃん』の家の親父さんが大のプロレス好きだったのだ。

『かっちゃん』の家にとある覆面レスラーのポスターがドーンと貼られていた。まだプロレスに興味が無かった僕は『かっちゃん』に誰?と聞いてみたら彼は目を輝かせながら「ミル・マスカラスやで」と教えてくれた。で、テレビでちょうど今からやるから一緒に見ようよと、テレビに映ったのがそのミル・マスカラスと弟のドスカラス。対するはジャンボ鶴田と天龍源一郎といった鶴竜コンビであった。今思い返せば、そんな歴史的マッチが初目劇バキュンだなんて贅沢にも程がある。

で、繰り広げられるマスカラスの空中殺法!
鶴田、天龍との激しい攻防に感極まった僕と『かっちゃん』は試合終了後、プロレスごっこをしてヒートアップしてしまい、『かっちゃん』のお母さんから激しく怒られてしまうのであった。

と、そこで僕が当時なりたい職業が『私立探偵』だったところ、次点で『プロレスラー』も候補であがってくる。なんとも影響されやすい夢見る少年じゃいられない、可愛い坊ちゃんである。

そこからはもう貪るように全日本プロレス、新日本プロレスのテレビ中継は勿論のこと、全日本女子プロレスもテレビでやるごとに観まくった。

初代タイガーマスクVSダイナマイト・キッドの伝説的な試合も勿論テレビの前で釘付けになりながら観たし、猪木VSマサ齋藤の巌流島の決戦も生中継でずっと観ていた。流血しながら殴り合う猪木とマサ齋藤の姿に恐怖を覚えたものである。

今では選手生命を脅かすであろうチャンピオンカーニバルといったリーグ戦、新日本プロレスのストロングマシーンやベイダーを輩出させるドラマチックな運び、新日本からの派生でUWFを作っていった前田や藤原、高田、スーパータイガー、木戸。新日本と激しく争ったUインターとの武藤VS高田の試合…もうあげれば挙げる程にキリが無いのがプロレスである。

パンクラス。リングスといったU系は勿論大好きでもあり、真反対のプロレス、W☆INGのデスマッチも大好きな団体となっていき、僕は学生になりアルバイトをするようになっても毎週のように週刊プロレスとゴングを買っては読みまくっていた。実家は大阪スポーツ、通称・大スポを取っていたので、大スポのプロレス記事は勿論のこと、ちょいと大人の頁も盗み見をしては興奮していたものである。授業中に友達にモンゴリアンチョップを決めて失神させてしまった事もあるくらいにプロレスにのめり込んでいた時期であった。

そんな昭和プロレス世代の僕はいつかプロレスのリングに立ってみたいと、そんな夢を叶えてくれたのが、今では盟友である松山座の座長・松山勘十郎選手である。

僕がいつしかのトークライヴ、それは田代まさしさんとのトークライヴで、ミナミの大きなクラヴでのイベント終わりの事であった。

僕が当時の舞台監督の方と楽屋階段から降りて帰ろうとしたところ、一枚のサイン色紙を持った小柄なのか大柄なのか解らないつぶらな瞳でこちらを見る青年が立っており、それが勘十郎選手だった。

「拙者、大阪プロレスの松山勘十郎でございます。ストロベリーソングオーケストラが大好きでサインをいただきたく!」と、こんな調子で嬉しいお言葉をいただき、僕は人生で初めてプロレスラーの方にサインを書くという体験をしたのである。

で、勘十郎選手とはそこから良きご縁をいただき、ストロベリーソングオーケストラの曲を勘十郎選手がレギュラーで行っているラジオ番組で流してくれたり、なんと、僕の夢であったリングの上に立つという事をさせてくれたのである。

「リングに立って歌ってください!」

ま、マジか!!
と、初めてリングの上に立って歌ったのが『切断ダリア』であった。

あれから何年経ったのであろうか?
またこうして松山座のリングの上で歌う日がやって来ようとは。

といった、長い前フリの告知でございます。

大衆プロレス松山座
座長・松山勘十郎20周年忌念特別公演
『松山魂-まつやまこん-』

5月12日(日)
生野区民センター
15時開演

【出演】
ストロベリーソングオーケストラ團員有志+飴彩里沙羅

☟チケット/お問い合わせ
大衆プロレス松山座
kanjyuro0413@gmail.com


久々、松山座のリングで歌いますヨ!
プロレス興行に参戦するバンドや劇団さん、たまにおられるけれど、こうやって何回も登場してるんって僕等くらいちゃう?

皆さん、是非5月12日は松山座へお越しください!
リングの上でプロレスじゃないけれど、見世物パンク魂を以て歌で戦います!


そう、松山座主催で、以前味園ユニバースにてこんな興行にも出演した事がありました。

2017年の興行。
コチラの冒頭から終焉までの台本・演出をさせていただいたんデスよね。

このイベントも凄いイベントだったよなあ。
コレ観に来た共犯者の方って居てたりしますか?

今日はその当時の台本を基にどんな事をやっていたかを毒者限定記事でお届けしたいと思います。一朶拿罪のデビューライヴでもあったよなあ。
この演目、ようやりきったよなあ!てな一日になってますよ。
松山勘十郎座長もちゃんと台詞があって、見事に見世物パンクとプロレスがマッチングしております。こんな台本、よう作ったなホント。。

こんな感じの口上が開場前、味園ビルの入り口付近で行われておりました。


開場前 開場10分前になったらボロボロの羽織、シルクハット、縞模様等のズボン、ブーツ姿の呼込男がポータブルの拡声器をつけて台の上に登場。その際、拡声器から【 効果音・ジンタ長尺 】が繰り返し流れている。

呼込男
さあさあ御通行中の皆様。御用と御急ぎの無い方は一度ギチっとこちらの見世物公開迄お立ち寄りになりまして。もちろんこちらにお並びのお父ちゃんお母ちゃんに、お兄ちゃんお姉ちゃん、あらら遠くの方にはお爺ちゃん、お婆ちゃん迄。ささ、もうちょいとこちらに、ギチギチ、ギチっと前へお寄りになってくださいよ。さあさあ見世物公開と言ってもホラ、よくある頭二つの兄弟の話とか、蛇を頭からかぶりつきムシャムシャ食べる悪食娘の話なんかじゃございません。見世物見世物とは申しておりますが、ここから先は誰の幻か、夢か真か怪奇劇場。電柱の裏からラフカディオ・ハーンがニヤリと笑い、無表情と化したカオナシ共の百鬼行列、現代社会を呪うべく哀しき木偶の戯歌怨歌(ざれうたえんか)。はいはい、この話を聞いたからって無理に悪夢へと導こうなんて一寸もありません。タダで聞いて貰ってるんですから、御通行中の皆様、タダ程安いものはございません。もっとこっちへお寄りになって、ね!

呼込男と化す寿葬屋

さて、現代社会を呪うべく哀しき木偶の戯歌怨歌と申しましたがこの悪夢。悪夢が生まれたのはどこぞの町の逢魔が時で。地位も名誉も財産もありゃしない極貧家系の一人娘。この一人娘を狙った影男。言葉巧みに娘を連れ去り、からくりばったん、赤い帯。娘が身につけている赤い帯。その赤い帯でこの町の一番高い杉にくくりつけ、目ん玉ひん剥き凌辱三昧。高笑いと共に消え去った影男を後目に「生まれてきたのが親不孝、生まれてきた事自体親不孝」と、吐血地獄の赤い帯で首を吊った娘の哀しきジンタは何処までも。今日は映画、明日はお祭り、軒先三寸越えて、国境線越えてはいけない国境線。国境線ならず時を越えて、哀しき木偶の戯歌怨歌は二つの楽団によって今ここに蘇った次第であります。その楽団とは誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ!勘のいい人はもうお解り。苺の悪魔が取り憑いた犯罪演劇楽団、そして戯歌怨歌のみならず地獄の子守歌を奏でる犬神憑きの曲馬団、、、。はいはい、こちらにお並びのお父ちゃんお母ちゃんに、お兄ちゃんお姉ちゃん、あらら遠くの方にはお爺ちゃん、お婆ちゃん迄、もちろん木戸銭はお支払い済みかとは思いますが、いやいやお名前預けただけだよと御予約のみの御方も、木戸銭とは別に乾いた喉を潤します液体料金600円が必要となっておりますので、そちらもご用意の程宜しくお願いいたしますよ。

呼込男、一旦、客、通行人を煽る。

呼込男
さてさて、この夢か真か怪奇劇場にはもう少しお話の続きがありまして。国境線のみならず、時を越えて戯歌怨歌を奏でる楽団二つの他に、時を越えるだけではなく、見世物という物の概念の壁をも壊してしまった一座がありまして。まあこの中に入って怪奇劇場を覗いていただけたらお解りになるのですが、、ハイハイ、いらっしゃいませ、いらっしゃいませ、お金はあと、で、お金はあとで結構、月光仮面。
見世物の概念の壁を壊した一座、、。この悪夢、劇場の中に一足踏み入れると、そこにありますは縄の張られた四角い闘技場(とうぎば)。四角い闘技場と聞いて皆様なにを連想なさいますか?殴り蹴り投げ飛ばし、華麗に飛びますルチャ道化にルチャ人形。笑いもあれば怒りもあり、お涙頂戴喜怒哀楽詰め込んだ肉体と精神のぶつかり合い、、そう、皆様ご存じ、俗世間一般で言うところのプロレス、プロレスでございます。プロレスなのに、はて一座とはこれ如何に?と首を傾げておる皆様、殴って血が迸り、膿が出るようなそんな汚らしいものではございません!舞うのは桜、花吹雪。こんな春の昼下がり、悪夢か白昼夢か夢の国への誘いをどうして断る意味あるものか。戯歌奏でる楽団と、奇々怪々摩訶不思議、一座と名乗るプロレス興行。

さあさあさあさあさあ、悪夢の主人公は皆さま。この悪夢の中で生きる者達が今度生まれてくる暁には、皆さま方と同じように五体満足揃うて生まれてくるようにと、儚い望みを抱かれて、各地神社仏閣に手を合わせ、花の御当地の皆様方に観ていただき、ほら、この悪夢の影供養、どうぞ、高い料金ではございません、どうぞどうぞ、気味の悪い物を見ていただくのではございません。魔も無く、魔も無く見世物公開、夢か真かの怪奇劇場の扉が開かれる次第でありますよ!
本日の切符をご持参の方は切符と液体料金600円を握りしめ、いやいや切符を持ってないよと、お名前こちらに預けておるよと、そういったお客様は木戸銭と液体料金をご用意いただき、御通行中の皆様で、この悪夢の主人公になってみようかしらとお考えの方は最後尾にお並びいただき、今一度、悪夢の戯歌、そして花吹雪の舞うプロレス興行の目劇者と変身されてくださいませ。

さあさあいよいよ見世物公開、大衆プロレス松山座、座長・松山勘十郎がお届けいたします一日限りの大事件!

味園悪忌繚乱!開闢でございます!
さあ、入った入った、いらっしゃいませ、いらっしゃいませ!

呼込男の開闢の声と共に客入れ開始。共に整列スタッフ、客誘導。

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この【仮分数のヒトビト】では、ストロベリーソングオーケストラや伝説のコント集団・ストロベリーソングオーケストラ野球部、僕が飴彩里沙羅と行っている瀉葬文幻庫に纏わる秘話、そして毎回何かしらのレアな付録が憑いてきます。 共犯者の方は生ビールを一杯呑んだつもりで定期購毒、毒者と成り果ててください。(月に4~5怪の更新になります)

お憑かれ様デス! このマガジンでは関西アンダーグラウンドシーンで活動する、見世物パンク一座・ストロベリーソングオーケストラの座長である【…

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