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第174怪~音不死-autopsy-大阪解剖室終了!

お憑かれ様デス!
朝まで打ち上げにて、なぜかexストロベリーソングオーケストラの太鼓登板・雷神泰斗ことkegoi君と合流し、スナックカラオケにて聖飢魔Ⅱの蝋人形の館を熱唱しました宮悪戦車デス。

なんの打ち上げだったかというと、そう、先日の土曜日に行われた犯行、ストロベリーソングオーケストラとSAISEIGAとの2マン『音不死-autopsy』の大阪篇、大阪解剖室の打ち上げでございました。

そんな大阪解剖室へご来場いただき目劇バキュンしていただいた皆さん、どうもお憑かれ様でした!SAISEIGAとの2マンという事で、当一座の犯行リストも結構激しめな曲を中心に持って逝きましたが、目劇バキュンしていただいた皆さん如何だったでしょうか?

犯行リスト@大阪解剖室

スタジオリハでこの犯行リストを幾度となくやってきましたが、スタジオでもかなり憑かれていたのに、本番は108%で挑むやないデスか、まあ本当魂持っていかれかけましたよね。僕のピークは1曲目の帰ってきた電波大サーカスでした(早!)

久々の曲、多分10年はやっていないであろう『大空を失った男』も灯イェーが熱唱し、レ夢+虫佐で世界を構築してくれました。魔さかこの曲が来るとは思わんだろ。

客席から沢山の顔が見え、共犯者諸君は勿論のこと、初犯の皆さんも熱い声援、拳をあげてくれていて、そんな憑かれもなんのそのな夜、まさにX JAPANで言うところの破壊の夜でしたヨ。

久々の赤マントで登場@撮影:川喜田伸輔

SAISEIGAとのセッションも2曲披露。
こちらは何をやったかは犯行現場でご確認の程宜しくお願いします。

日曜日から連日21時、公式Xにてキリトリ動画も配信しておりますので、そちらもご確認の程宜しくお願いします。

そんな今週末は名古屋、そして翌日は帝都での音不死。
まだまだ沢山の目劇者諸君による共犯声明が必要なので、まだ迷っている、二の足踏んでいる恥ずかしがり屋の皆さん、是非犯行現場までお越しください。名古屋、帝都共に演出をマルっと変えてお届け致しますので。

当日は8月4日に行われる単毒公演『夜雨に帰ル、Ame-1:50』の前売りチケットも販売しております。そちらもお怪求めの程宜しくお願いします。

夜雨に帰ル、AmE-1:50

開場では同じく7月6日に行われます瀉葬文幻庫主催『怨塊禁書』のチケットも発売しております。コチラは秘密倶楽部アニマアニムス店頭、そしてパスマーケットでも購入出来ますので、そちらでも宜しくお願いしますよ。

怨塊禁書
怨塊禁書

チケットは上記で購入いただけます。


それではここからは連載シリーズ、瀉葬文幻庫の『BARギロチン-昼酒』をお届けして参ります。

BARギロチン-昼酒 5杯目


ミラーボールの光が消えると同時に、BAR『緇糸くろぎぬ』の客席から野太い声が聞こえてきた。

「いやあ、良い詩だ。こんな無人駅の荒んだ酒場で、こんな詩が聴けるだなんて、いやあ今日モ酒ガ美味ヰノウ、乾杯!」

一日に一本の単線列車しか走っていないような無人駅、かつて何かの産業で栄えていたであろうそこそこ大きな町の外れに、このBAR緇糸があった。

この町の大きさとは反比例に、立ち並ぶ住宅、店舗は殆ど空き家であり、人影は疎か、猫の子一匹歩いていない始末、、。電柱の影が一つ虚しく逢魔が時に伸びるだけであった。

緇糸のカウンターで大声をあげ、酒をガブガブ呑んでいる男の横に、スっとグラスを置き隣に座り、そしてグラスに入っている酒を少し呑んだ後、口を開いた。

「まだこの辺りは流行り病に侵されてはおりませぬようで」

トロンとした目つきで、その者の姿をジトッと舐め廻し後、再びガブガブと酒を呑み干し、男が言った。

「おう、あんたさっきの、、かい?いやあどうもこの酒は酔いが廻るのが早くてなあ、こうなんだ耳のあたりがぐるぐるぐるぐるぐるぐると、さっき呑んだ酒の銘柄も忘れてしまう、副作用か将又はたまたつまみ食いしたのがあたったのか、それとも若年性の痴呆、いや何はともあれ久々なんだよ、生の詩を聞くのはなあ」

よっぽど、詩を聞くのが嬉しかったのか、男は空のグラスをコンコンと指で弾くと、緇糸のマスターがグラスに酒を注いだ。どうやら詩が酒のつまみになっているのであろう。マスターが酒を注ぐ間、詩を紡いでいた者が再び口を開いた。

「聞くところによると獣町けものまち蝙蝠区こうもりく、死の目通り、人形町大字影牢かげろう、細かくは親不知おやしらず四百五十九番地迄至る所で流行り病に侵されているとの事を伝書鳩が口遊んでおりましたが。この辺りはどうもご覧の通り、かつては何かの産業で栄えていたであろう、そこそこ大きな町だったのでしょう。だが、その町の大きさとは反比例に、立ち並ぶ住宅、店舗は殆ど空き家。開いているいるのはこういった場末の酒場くらいなもんでしょうか」

「うん?あんた、この地のヒトじゃないのかい?」

「ええ。流れの、酒童しゅっぱ、でございまして」

「うん?、、酒童?」

男は聞き覚えの無い初めて聞いた言葉に少し戸惑いを見せたが、その酒童なる者はグラスに入っている酒を呑み干し、男のグラスに視線を落としたかと思うと、スっと目をあげ、男に合図を送った。

「まあまあ、一杯どうですか?」

その者は懐から自前の特製の徳利を出し、露骨にカウンターにそれを置き、その徳利に入っている酒を男のグラスに入れる仕草をしだしたので、男はお代わりを注いでもらったばかりの酒を一気に空けた。

コボコボコボコボ。
グラスに酒が注がれる。緇糸のマスターはそれを見てみぬフリなのか、酒を持ち込んでいるいも関わらず何も注意する事は無かった。

タダ酒程美味い酒は無い。男は注がれた酒に口をつけた。

「いやあ悪いねー、うん、いやあしかしこの酒は美味いなあ。美味い酒があって、美味い詩がある。いや私もね、一昨日だか酔っぱげて変な電車に乗って辿り着いたところがこの駅でねえ。来た線路を歩いてみたり、色んな道をぐるぐるぐるぐる歩いたりしたんだけれどねえ、また同じところに戻ってしまうんだ、、家に帰る事が出来ないんだよ。ん?俺かい?俺は元々鏡町ってな治安の悪い魔都まとに住まう見聞屋けんぶんやだったんだ。人様が見たり聞いたりしているのをちょちょいと弄ってそいつを垂れ流す、で、その見聞が千、万、十万、百万と閲覧され注目を浴びて金を得る機構、、だったんだけれどねえ、、ん?なんてペテンな生業なりわいって思ったね、顔に出てるよ。いやなに、私もね、ただの酔っ払いなんかじゃないんだ。外界は流行り病の影響で聞く耳もたん奴等ばかりだけれどね、俺は俺でまだ誰も知り得ない情報を探し求めてるんだ。あんただってその情報の一つかもしれんわなあ、、ははは」

男は豪快にその酒を呑みながら話を綴った。
どうやら男は仕入れた情報を操作し拡散する職業に就いていたようなのだが、この御時世の影響でフーテンと変わり果ててしまったようだった。

そんな男に再度酒を奨める酒童。何が流行っているか不透明な時代はいつの頃も同等である。その酒の色がこの話に無職という色を添えた。

「さあさあ、もう一杯どうぞ」

「ああ、すまないね、しかししびれるな、、この酒はこの酒も俺の知り得ない知見だ。どうだい、もういっちょう詩を聴かせてはくれないか」

酩酊していく男は意識が薄れゆく中、再度、詩を欲した。

「詩、、ですか。御安うございます」

酒童がそう呟くと、どこからともなく哀しげな怨塊おんかいが聴こえてきた。その音にあわせ、酒童がギチギチと再び詩を紡ぎだした。

「踊れば悲しい奴が来る 笑えば怒った奴が来る
狼藉ろうぜき 業物わざもの なげうつ 雑言
首吊れば喜ぶ奴が来る 吐瀉物撒けば楽になる
こだまとこだまとこだまと ひびきあう酒のチャポンチャポン

酒も混ざれば前古ぜんこ未曾有 コトノハが侵蝕する驟雨しゅうう
それは踊った奴の食物おしものか 酩酊患者の最後の便よすが

酒童が詩を紡ぎながら、男に更に酒を注ぐ。
男の顔が更にトロンと溶けていく。まるでK精神病院に収容されている麻薬中毒患者かのように。酒童はその男の表情をチラっと盗み見した後、注いでいた酒に小さな赤い何かを入れた。それはグラスの中でチョロチョロと泳ぐのであった。

酒童が捲し立てる。

「天国の尻に穴をあけろ 地獄は酒の暴風雨だ
地上は日照り、地下の塹壕は水浸し 観天忘奇、流転の重複
血の池の亡者の笑顔に、魔都の生一本きいっぽんの徳利がとんで来る
その傷痕の血のカクテール 三途の川も冷酒で飲め
亡者が死んだらどこへ行くのか 名無し 宛無し 戸籍無し
笑え 泣け 怒れ 狼藉 業物 擲つ 雑言
酒の美しさと恐ろしさのために 酒の美しさと恐ろしさのために…」

詩を紡ぎ終えると、それまでトロンと溶解人間になっていた男が突如、ヴォォォォォォォォォォといった奇声をあげたかと思うと、カウンターにそのまま打っせた。グラスには小さな赤い、、金魚が数匹泳ぐのを静かに酒童は眺めていた。


今日はココ迄。
ココからは毒者限定記事デス。
先日の音不死のライヴの模様等を写真と共に少し振り返っていこうかと思います。

今怪の演出は各犯行現場、すべて違った演出、セットリストという事で、連日、役者囚、演奏囚と稽古に励んでおる次第なのデスが、ようやく初日大阪の幕が開いたという事でホっと胸をなでおろしているのも束の魔、奇が憑けば今週末は名古屋・帝都じゃあーりませんか。

名古屋、帝都の歌詞をしっかり海馬に刻み込まねばならんというのに、僕の頭の容量は常に巨人師匠でいうところのもうパンパンやで。MAXまで達しておる次第でございます。なので、今日はこのnoteを書き終えたらナレーション仕事もしつつ、歌詞を頭に刻み込む作業を行って逝きたいと思います。

それではライヴの模様を見て逝きましょう。

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この【仮分数のヒトビト】では、ストロベリーソングオーケストラや伝説のコント集団・ストロベリーソングオーケストラ野球部、僕が飴彩里沙羅と行っている瀉葬文幻庫に纏わる秘話、そして毎回何かしらのレアな付録が憑いてきます。 共犯者の方は生ビールを一杯呑んだつもりで定期購毒、毒者と成り果ててください。(月に4~5怪の更新になります)

お憑かれ様デス! このマガジンでは関西アンダーグラウンドシーンで活動する、見世物パンク一座・ストロベリーソングオーケストラの座長である【…

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