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マーブルを愛せる育児を目指したい


思えば息子は、随分と慎重な赤ちゃんだった。

目の前におもちゃを置くと、大抵の子はむんずと掴む。対して彼は、じっと見つめた後、まずはそっと人さし指の先で『ちょん』と触れてみる、それが定番スタイルだった。

ほかの子が我先にと入るトンネル遊びも頑なに入らなかったし(前方がよく見えないから?)、はいはいレースもスタートに引いてある線を見つめて越えられない慎重さ。

場所見知りもあって、園の説明会の託児でも、泣いて返却される数名に入った。



* * *

少し大きくなると、慎重さに正義感が加わった。言われたことはきちんと守るし、ほかの子が守らないのを見つけると「ダメなんだよ!」と、その子やその親、もしくは私に訴えた。

お友達ならまだしも、公園などで知らない子にも同じくするので、ちょっと困った。そこは上っちゃだめ、とか、確かに息子が言うことは間違ってないけど、私(大人)が出ていって注意するほどでもないなーと思えることが多くて。
だからとりあえず「大人に言わないで、その子に直接伝えて」という風にしてみた。

年少さんになり、お友達との公園遊びも増えた。大人に言いつけることは減ったけど、やっぱり『注意魔』は忙しい。

うーーーむ。

息子の正義感は、悪くない。
言ってることも、ほぼ間違ってない。

でも、友達にしたいタイプかといったらどうだろう。このままいったら、言いつけ魔の委員チョタイプになるんじゃないか?

できればもうちょっと、友達にも自分にも優しいひとになって欲しいなあ。

担任の先生と相談し、なにか言いつけてきたり友達に注意していたら「ありがとう。でも先生や大人が注意するから、息子くんは安心して遊んでていいよ」と、伝えてもらうようにした。

そのやり方がよかったのか、幼稚園という場所に慣れたのか分からないけれど、年中ではほぼなくなり、年長ではむしろクラスの『ふざけマンズ』の筆頭で、運動会で列に並ばずへらへらする姿に衝撃を受けた。(仕事で来れなかった夫に「息子がグレた」と伝えた)


* * *

小学校に入学してからは、担任の先生から、「いつも真面目で話をよく聞いてくれる」という評価をもらっているので、ふざけマンはまだ封印中らしい。

赤ちゃんの頃は寝ぐずりも酷く、小さな音にも敏感に起きたので、繊細で神経質なのかも……と思いを巡らせたり『三つ子の魂百まで』と言うし、きっとこの子は大きくなっても慎重で真面目なタイプだろう、と想像したりした。

7才の現在、ゲームをすれば家族の中で誰よりも思いきりがいい。ジェンガでは見てるこっちがひやっとする場所を迷いなく引くし、ジェットコースターが大好きでひとりでも乗り込む。

何か注意しても、聞いてない守らない(というかあまり覚えてない)。そして私がきつめの雷を落としても、すぐにヘラっとしてる。

およよ……?どういうこっちゃ。
慎重で繊細な正義感マンは、いったい何処へ。


こりゃあ、まだまだ分からないぞ。

たった7年間でこの振り幅だもん。

これからもっと成長した息子は、いったいどんな色になっていることやら。

『この子はこういう子だから』

なるべくそう決めつけずに、そのときどきの息子を、まっすぐしっかり見ていられるように。

できるかなー。

難しそうだなー。

そう思うそばから、宿題ドリルの答えをこっそり見ている姿を発見。むむ。

間違えてもいいんだよ、答を見てやったら自分の力にならないよと、いつも言ってるんだけどなー。むむむむむ。

でもさ。振り返ってみれば、自分だって。
嘘やごまかし、言い訳。なるべく楽したい怒られたくない、それは本能に近いのかも。

こどもなら尚更だよね。
その本能にあらがうための経験値は、これから徐々に貯めていこう。

おーい、今はなりをひそめている正義感マンよ、たまには出てきておくれ。
あ、ふざけマンはほどほどで大丈夫でっす。

* * *

ひとりの中にいろんな色があって、その時々でどの色が強く出るのか、なのかもしれない。

この色きれい!と思っても、混ざって違う色になったり、こんな色もあったっけと思ったり。


マーブルでも、どんな色でも。

となりに座って、そっと覗きこんで

『お、なかなかいい色じゃん。』

いつもそう言ってあげられるような、

そんな育児を目指したいな。




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