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#21 味の思い出【おいしい文藝シリーズ】

人の記憶は他の五感と一緒になることで強く刻まれると聞いたことがあります。
特に匂いと味は、頭に残ります。
思い出の味というのもその食べ物が美味しかっただけではなく、その時一緒にいた人、交わした会話、雰囲気が蘇ってくるからこそ「思い出の味」なのでしょう。

今回ご紹介するのは、『おいしい文藝』シリーズです。
河出書房新社のエッセイ集で、タイトルに沿った内容のエッセイが収録されています。
私が読んだのは「うっとり、チョコレート」。


タイトル通り、チョコレートを題材にしています。
他にも、パン、コーヒー、ラーメンなど、いくつかのシリーズがあります。
それぞれの人の、それぞれの思いやこだわり、ひきこもごもを覗き見ることができます。

人は、食べ物に対して並々ならぬ興味…、時には執着を見せるのだと思います。
現代は食うに困るような食糧難の時代ではありませんが、美味しいものを求める作家たちの姿は、どれも人間的です。

チョコレートは主食にはならないし、「大好き!!」という人もいれば「あんまり…」という人もいます。
それらも含めて一冊の本になるほど、人を惹きつける食材なんだなぁと感心しました。
日本では、バレンタインデーに結びつくことから、作家たちのバレンタインエピソードを知ることができます。
男性はもらった時のこと、女性はあげた(もしくは人生であげたことがない)時のことなど…。楽しそうな人もいれば憂鬱そうな人もいて興味深かったです。
他にも、戦中戦後をいきた方々からは、アメリカ兵にチョコレートをもらった話、初めて食べた時の詳細な状況と感情を余すことなく記しています。
なるほど、チョコレートにも人それぞれのストーリーがあるのだと思いました。

ちなみに私は、「チョコレート大好き!!」派です。
胃と血糖値が心配になりますが、やめられません。
お土産やプレゼントでもらうとテンションが上がります。
クッキーなどの焼き菓子にかかっているものが特に好きです。
たまに外国のチョコレートをもらうこともありますが、やはり食べ慣れた日本のチョコが好きですし、食感もなめらかさも香りも、なかなか日本を超えるものに出会いません。
唯一、スイス土産でもらったチョコレートは板チョコもクリーム入りも美味しくて感動しました。「お友達になれそう!スイス人!」と、一緒に食べた家族と言い合ったのも良い思い出です。
何様なんでしょうか。
ちなみにスイスのチョコは日本でも買えますが、その思い出が楽しかったので特に印象深く覚えています。

チョコレート、食べたくなってきました。

興味が湧いたら、読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。

いちこ

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