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#10 不思議な図書館と、ある親子の物語【ひみつの地下図書館】

こんにちは、いちこです。
ここでは、読んだ本の紹介をしていきます。
こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。
本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。

寂しい時、理不尽だと思う時、私は拗ねて投げ出してしまうような気がします。
今回の本の主人公は、困難な状況の中でも優しさや学ぶ意欲を忘れません。そういう姿勢を保つのは、大人でも難しいことだと思います。

【今日の本】

本日ご紹介するのは、
アビー・ロングスタッフ「ひみつの地下図書館」です。

全4巻の謎解き冒険ストーリー。
児童書ですが、物語もキャラクターもとても魅力的で面白かったので紹介しよう!と思いました。



【内容】

モレット屋敷で使用人としてはたらく10歳の女の子、タリー。ママとは2歳のときにはぐれ、ひとりぼっちで朝から晩まではたらかされている。でも、かしこいタリーは、いつでもぜったいにめげない。古くて大きなお屋敷のあちこちに隠された暗号を解き、あるとき見つけたのは……ひみつの地下図書館! そこにある本には、魔法の力がある。タリーは13歳になるまで、ひみつの地下図書館の「管理人」となった。
ある日、お屋敷に泥棒が入り、タリーは森で友だちになったリスのリルルンと一緒に、本の助けをかりてつかまえようとするが……
なぞときとひみつ、魔法でいっぱいのストーリー!

ほるぷ出版ホームページ



【感想、雑談】

主人公のタリーは小さな頃にモレット館の使用人に拾われ、働く女の子。
ある日、館が泥棒に狙われたことをきっかけに地下図書館を見つけます。そこは不思議な本が集まる図書館で、タリーは管理人となり、魔法の本を使って問題を解決していくというお話。

ママとはぐれてしまい、大人たちから理不尽に仕事を押し付けられ、台所の片隅のシンクで眠るタリーは健気です。
どんなに寂しくても、仕事が辛くても、自分を持って独学で学ぼうという強さもあり、頭の回転が早く、勇敢な女の子。

地下図書館にある本は知識を授けてくれますが、問題をなくしてくれるわけではありません。
その知識を使って材料を集め、道具を作り、機転と勇気で事件を解決していくのはタリー自身。
やがて、館の主人のモレット卿にも認められていきます。
魔法の力だけに頼るのではなく、タリーの努力と一生懸命さで乗り越えていく姿がとても良いです。

魔法と不思議な図書館の謎めいた世界観、修道院を改築した館の雰囲気がとても好きです。隠し扉や通路のドキドキ感も楽しいです。
動物や昆虫などの知識もちゃんと解説されていて、ちょっと勉強にもなりました。
魔法のファンタジーさと、理科的な知識を利用したリアルさのバランスも良く、ワクワクさせてもらいました。
挿絵も柔らかいタッチで可愛いです。

ベースは児童向けなのですが、タリーの身の上や、ママとのエピソードがちょっと悲しくて心配していました。
けれどタリーは地下図書館を離れても、自分の力で状況を打開できるまでに成長し、パパとママを見つけます。
初めから家族については伏線があって、読みごたえがありました。
モレット館の面々がそれぞれの幸せを見つける最終巻まで読んで、優しい気持ちになれました。


【おわりに】

何気なく手に取った本でしたが、素敵なお話に出会えました。

興味が湧いたら、読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。

いちこ

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