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埼玉県秩父市 寳登山神社
秩父鉄道の長瀞駅から、まっすぐ歩いて20分ほど。
宝登山のふもとに鎮座するのが、その名も寳登山神社です。
(「寳登山神社」は以下、「宝登山神社」と表記します。)
宝登山神社の歴史
宝登山神社には、神話に根ざした興味深い歴史を持っています。
東征の後、この地を訪れた日本武尊(やまとたけるのみこと)が、山容の美しさに惹かれ山頂へと向かっていると、その途中で山火事に遭ってしまったそうです。
一行は、あっという間に火に追われてしまいます。
日本武尊は自ら剣で草を払うなど、なんとか火から逃れようとするものの、火の勢いは収まりません。
すると、どこからか現れた白犬と黒犬が猛火に飛び込み、最後には火を消し止めます。
そして2匹の犬は日本武尊を山頂へと先導し、無事に登頂されると、犬たちは消えていたそうです。
日本武尊は、犬たちを山の神様のお使いとして神恩に感謝するとともに、この山を「火を止める山」ということから「火止山(ほどさん)」と名づけます。
そして、神様をお祀りするのにふさわしいとして、神日本磐余彦尊、大山祇神、火産霊神の三柱をお祀りになったと言うことです。
これが宝登山神社の始まりとされています。
今からおよそ1900年前のことと伝わりますから、その歴史に圧倒されてしまいます。
宝登山神社の鳥居
宝登山神社の鳥居は白を基調として、金の装飾が施されています。
朱塗りの鳥居とは違い、独特の風格が感じられました。
![](https://assets.st-note.com/img/1707310308881-KyPjUBrObw.jpg?width=1200)
鳥居の神額にも細かな装飾が見られます。
青銅色と黄金色が、うっすらと混じったような絶妙な色合いに品格を感じます。
![](https://assets.st-note.com/img/1707260916963-UFJZbbG5Fs.jpg?width=1200)
社殿の装飾
鳥居の先に延びる石段を昇ると、正面に拝殿が現れます。
何と言っても、こちらの社殿の特徴は極彩色に施された彫刻。
![](https://assets.st-note.com/img/1707263576766-fjeTF7MDzE.jpg?width=1200)
絢爛な装飾に、最初はただただ、ひたすら圧倒されます。
少しして目が慣れてくると、何体もの龍が社殿に巻き付いていることに気づくのではないでしょうか。
破風の辺りを拡大すると、より分かりやすいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1707261506222-H9XNSmvKjp.jpg?width=1200)
どう絡み合っているんだ??
……と思わせるほど龍は複雑に交差し合っています。
その表情や身体の隆起は、単に立体的という言葉を通り越し、まるで生きているかのようです。
また社殿の正面ではありませんが、こんなところにも??と思わせる場所に龍がいらっしゃいました。
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翼があるので、最初は鳳凰かな?とも思いましたが、どうやら翼が生えた龍のようです。
このように隙がないほど、たくさんの龍が出迎えてくれます。
神額の龍
拝殿に掲げられた神額にも「宝登山神社」の社号を囲むように、白龍が施されています。
下り龍、昇り竜が描かれ、これだけで循環を意味するようにも見えますが、どうでしょう。
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神額だけでなく、社殿にも細やかな模様が描かれて色鮮やかです。
思わず見とれてしまいます。
社殿の裏にも!?
拝殿の脇から、御本殿の裏へと回り込むことができます。
やはり、御本殿の真裏にも、もう1体の龍がいるのが分かるでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1707309445263-ltXXsjY8Tu.jpg?width=1200)
こちらも拡大してみると分かると思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1707309456000-XdPqcmqw1J.jpg?width=1200)
鯉が滝を昇り、龍へと変わる様子が表現されているようです。
見落としそうな箇所ではありますが、こうしたところにも細やかな装飾がなされています。
このように、社殿をぐるりと1周回るだけでも、たくさんの龍を目にできます。
こうして目にできる社殿こそ、御神威の表れではないでしょうか。
境内社
今回は社殿の龍にフォーカスしましたが、宝登山神社にはいくつもの境内社が鎮座しています。
中でも面白いと思ったのは、藤谷淵神社です。
こちらには、十一柱の神様が祀られています。
![](https://assets.st-note.com/img/1707309420692-I8ZXYU78ff.jpg?width=1200)
「藤谷淵(ふじやぶち)」とは、かつての大字長瀞の地名。
明治時代に入って、その地に点在した八社が宝登山神社の境内に合祀され、藤谷淵神社になったというわけです。
十一柱からなる御祭神には伊勢大神、八阪大神など、よく知られた神様が名を連ねる中、「田畑の厄除けの神」として野栗大神という、あまり耳にしたことのない神様も御鎮まりになっていました。
この辺りは栗の産地ということなのでしょうか。
また「境内社」ではないものの、大黒天像も鎮座されていました。
にこやかな顔つきに、思わずこちらもつられて顔がほころびます。
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御朱印
今回お受けした御朱印はこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1706614760427-h5mJJKrAXV.jpg?width=1200)
日本武尊を導いたとされる白犬と黒犬が、対で描かれています。
また、1月に参拝に上がれたためか「新年開運」の印も押されていました。
ちなみに今回はお受けしなかったものの、1月限定で宝登山大権現が描かれた御朱印も用意されていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1707310275237-r10eIlqYfX.jpg?width=1200)
権現は、仏教と習合していたことの現れ。
宝登山神社は何度か訪れる機会がありましたが、これは新たな発見でした。
まとめ
神代から続く、1900年もの歴史を誇る古社。
何体もの龍をはじめとする、絢爛な装飾に包まれた社殿に圧倒される。
いくつも鎮座する境内社にも注目。
宝登山神社の基本情報
宝登山神社
公式サイト https://www.hodosan-jinja.or.jp
Facebook https://www.facebook.com/hodosanjinja?fref=ts
Instagram https://www.instagram.com/hodosanjinja/
所在地 〒369-1305 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828
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