中島みゆきとわかれうた

今日は音楽の中から好きなものを書こうと思いまして、レモンサワーを片手にパソコンに向かっている所存でございます。

中島みゆき、いいですよね。カラオケではいつも上位に「糸」が入っており、歌うま王決定戦!みたいな番組等での採用率も高めな印象です。

中島みゆきは「糸」のような幸せをテーマにしたものや、応援歌などもたくさん作られていますが、僕が好きなのはやはり「わかれうた」です。

わかれうたというタイトルの曲も作られており、それも好きなのですが、
中島みゆきの中の「わかれうた」カテゴリに該当する曲が特に大好きです。
付き合っていた相手との別れだけではなく、好きだった人との別れも含めて、ですね!

その中でも特に好きな「化粧」「怜子」「あの娘」について今日は好きポイントを書いてみたいと思います。

化粧

付き合っていて、振られた相手の家に荷物を取りに行く。
その時、これまでで一番綺麗に見えるようにしっかりと化粧をして、あいつを振らなければ良かったと思わせたい。

この気持ちが主題になっている曲です。
中島みゆきはこういう、振られた女の最後の強がり、的な気持ちを表現するのが非常に上手ですし、そういう曲も多いです。(振られそうな人の前で友達の家に電話をかけて男と遊んでいるふりをする「悪女」などもそうかと思います。)

さてこの強がる女性、曲の中では、
おそらく荷物の受け渡しが終わり、
バス停まで見送ってもらっていると思うのですが、

流れるな 涙 心で止まれ
流れるな 涙 バスが出るまで

と必死に我慢します。が、サビでは

馬鹿だね 馬鹿だね あたし
愛してほしいと思ってたなんて
馬鹿だね 馬鹿だね 馬鹿の癖に ああ
愛してもらえるつもりでいたなんて

たぶんこれバスが出た後に号泣しているんだろうなと想像しております。
この感情の静と動!!!!!!!!!!!好き!!!!!!!!
朝起きて化粧して相手の家にいって荷物とかこれまで書いた手紙とか全部受け取ってじゃあねってバス乗ってそこまで我慢したけどその後!みたいな。

大竹しのぶがカバーしておりましたが、こちらも激情的で非常に好きです。

怜子

「化粧」においては、どちらかというと自分に矢印が向いているような強がり、悲しみが表現されている印象ですが、
この曲はタイトルになっている「怜子」に
全力で矢印が向いている曲のように感じます。

怜子 いい女になったね
惚れられると女は本当に変わるんだね
怜子 一人で街も歩けない
自信のない女だった お前が嘘のよう

曲、全編、こんな感じ。

怜子や自分の好きだった男がどんな風に変わったかについて、僻みにもとれるような恨み節ともとれるような曲になっています。

おそらく実在の名前ではないと思いますが、
思いっきり個人名を出しながら
恨み節を歌いまくるの、めちゃくちゃかっこよくて、悲しくて、好きなんです。

中島みゆきは先ほどの曲でもそうですが、割りと主張が強くて扱いにくい女を曲の中で主人公に置くことが多い印象です。今作では、自信の無い女が自分の好きだった男に惚れられて自信をつけていく様、その一方で一人寂しく恨み節をつぶやくしかない主人公の対比が描かれ、

人の不幸を祈るようにだけは なりたくないと思っていたが
今夜、お前の幸せぶりが 風に吹かれる私の胸に痛すぎる

で締めくくられます。悲しすぎる。

ちなみに、「元気ですか」という、好きな人と付き合っている女に嫌味っぽく電話をかける曲、というかほぼ朗読(6分半ぐらいの朗読。これは普通に怖い。)があるんですが、アルバムでは「元気ですか」が終わった後にこの「怜子」がいきなり始まる仕様になっていて、怖すぎる。恨みが強すぎる。笑 ぜひ聞いてほしいです。

歌いやすい音程で、ロングトーンが多い曲なので、
歌っていて非常に気持ちが良いところも好きです。

**あの娘

**

タイトルから、もう嫌な予感がしている人

正解です。

全力恨み節な悲しい曲となっております。
よろしくお願いします。

こちらの方が、怜子よりも
無差別攻撃的な印象があります。
というのも、

ゆうこ あいこ りょうこ けいこ まちこ かずみ ひろこ まゆみ
似たような名前がいくらもあるのに私じゃだめね

多分当時つけられることが多かった名前、
なんだと思うんですよね。
(私の母と私の叔母の名前が登場していることからも)
それを羅列するのがサビになっています。
人の名前をサビにするな。

前述のとおり、「名前」というのが、
この曲のテーマになっていまして、

「やさしい名前をつけた子は愛されやすい」
「よくある名前をつけたこは忘れられづらい」
というような噂を並べつつ、

※なお、私を愛してもらうには
 100年かかっても無理な模様

※なお、私を忘れるのは秒で終わる模様

といった、相手が自分のことを好きになってくれない悲しさを、全力で表現しているのがこの曲です。

きわめつけには

あのこをたとえば殺しても あなたは私を愛さない

殺すな~。こら~。たとえばでも、殺すな~。

生活指導の先生を呼びたくなるような歌詞ですが、
こんな歌詞でも怖いよりも寂しさや悲しさが前に感じられるのが、
この曲の魅力であると思います。

「あの娘」については振られたときにかなり汎用性のある曲ですので、
皆さんも任意の人間に告白して振られた際にはぜひ聞いてみてくださいね!
よろしくお願いしまーす!

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