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大根は折れやすいからね


 午前中、息子と歯医者に行く。定期検診。息子が診察を受けている間、noteの記事を読む。

 今日は晴天で、気温も高いようだ。ニットを着てきたことを後悔する。暑い…気温は20度近くありそうだ。

 虫歯なしで、ちょっとホッとした息子。次回の予約をし、帰宅する。もう我慢できず、わたしはトレーナーに着替え直した。このところ、服の調節が難しい。

 帰宅したら息子は、イチョウを見に行くと言って、自転車で出かけていった。写真が撮りたいらしい。車で近くを通ったとき、見惚れていたもんなぁ。一緒に行ってもよかったけれど、ひとりがいいんじゃないかなと、思い直した。

 一階の部屋の掃除機をかけ、換気する。あったかいから、苦にならない。それから、忘れぬうちにと、サンスベリアたちにお水をあげる。娘が置いていったアップルミントの鉢やカランコエもある。自分で買ったものはなく、いただきものばかり。まだ、新しいシクラメンをお迎えする気分にはなれない。いつかまた、育てられるかな。

 ぼんやりしていたら、娘からLINEが来た。大学の単発授業のシラバスの写真だ。「これ面白そう」とのメッセージ。デザイナーさんを招いてのワークショップらしい。すぐに、「うん。面白そう!」と返す。迷わず、履修するのだろう。相変わらず、やりたいことやっていそうだなと、微笑ましくなる。

 息子が帰ってきて、写真をいくつか見せてくれた。黄色のイチョウが美しい。わたしも写真をいくつかもらった。こうやって、人目を気にせずに出かけられるようになったことがうれしい。まぁ、落ち着いた風貌、黙っていれば、大学生ふうではある。

 お昼ご飯は、迷ったが、最近食べていないオムライスにした。今日はパートの日。ついでに、夕飯の大根と手羽元の煮物も作り始める。息子も手伝うというので、玉ねぎのみじん切りをしてもらった。わたしは、ひたすら大根を切る。息子は煮た大根が大好きだ。大根の量が少ないというから、目の前の畑で一本抜いてもらうことにした。

 「大根は折れやすいからね」と言っておいたが、苦笑いしながら戻ってきた息子の手には、折れた大根が握られていた。思わず、吹き出す。やっぱりと思いながらも、一応きく。「どうしてこうなったの?」

 「畑の土の感覚を見誤っちゃった。」

 息子は大根を抜くのは初めてではない。けれど、前に大根を抜いたときには、前の日に雨が降っていて、畑の土が柔らかくなっていたから、抜きやすかったけれど、今回の畑の土はカチカチだったため、こうなったと。「これからどうしたらいいか」と聞くので、「スコップで残りの大根も掘り出して」と頼んだ。残っていたら、そのまま腐ってしまう。息子の取ってきた大根は、細く小さめ。よし、全て煮てしまおう。あっ、お昼の大根サラダにもしよう。

 その後、オムライスのご飯はわたしが作り、卵は息子が作った。うまくふんわりにならなかったと、ちょっと残念そう。そういうこともあるよね。オムライスと大根サラダを食べ、わたしはパートへ。

 夕方、パートから戻ると、珍しく息子は起きていた。今日の勉強のノルマを終えたらしい。大学祭へ行ってから、息子は自主的に勉強を始めた。英単語を毎日200個ずつ覚えると言って、ずっと続けている。もう、4巡り目らしい。習慣化すると、この子は真面目にやるよなぁと思う。

 それから、眠い眠いと言いながらも、暗くなりかけた庭で、サッカーを始めた。わたしは、キャベツのサラダを作りつつ、煮物の仕上げする。そうしたら、息子が笑顔で戻ってきた。手には、また折れた大根…

 やっぱりと思いながらも、一応きく。「どうしてこうなったの?」「ボールが当たって、大根が割れた」「なるほどね」「残りの大根、掘ってきます」「いってらっしゃい」

 明日も大根料理だな。んー、明日はパートがないから、大根餅にしてみようか。サラダに大根おろしをかけてもいいな。おでん、ポトフ、大根の味噌汁、どて煮はこの間やったか…明日の気分で決めよう。

 息子が掘ってきた泥だらけの大根は、見事なヒビも入っていた。息子のキック力、侮れないや。


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