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読んでいきたい


 読み聞かせや朗読をすると、一時、自分とは違う人になれる。子どもにでも、やまんばにでも、昔の人にでも。普段は、言っちゃいけないような言葉も出てきて、最初は戸惑ったけれど、言うとなんだか、すっきりもする。

 わたしの声は、普段は低め。そのため、読み聞かせだと男性役が多くなる。また、よく悪役にもなる。悪役は嫌だなって、思ったこともあるが、今は楽しくできるようになった。だって、普段の生活では、なかなかなれないよ、悪役には。

 その時だけは感情を込めて、我ながら、ほんと嫌な奴になりきれる。録音したとき、後でそれをきくと、自分でも嫌な奴だなぁと、しみじみ思うくらい。でも、それはそれで、楽しいのだから、不思議だ。

 読むことで、いろんな感情を出せる。そうできたら、普段の生活でも、感情が出しやすくなるかもしれない。わたしは感情で、身体がいっぱいになったとき、何がなんだかわからなくなるときがある。そういう時も読み聞かせを自分にすると、ちょっと落ち着く。不安な時も、声を出す。読む、歌う。ついでに踊る。とにかく、自分から何かを出すことを意識すると、楽になるようだ。

 声が出て、それをきくことができ、味わえることがありがたい。何か、ひとつ足りなくなったら、できないかもしれない。特に、きくこと。きっと、耳がきこえる限り、わたしは声に出して、言葉を読んでいくんだろう。

 ずっとずっと、楽しく、読んでいきたいなぁ。



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