見出し画像

気管支炎と気づき


 あっという間に月日が流れ、もう7月に入った。パート先での様々な問題は、何一つ解決していないけれど、その日その日をなんとか終えている。けれど、もやもやは消えてくれない。

 無理はしないと決めていたけれど、してしまったようだ。また気管支炎になってしまった。しっかりと休んだら治る。そう思って、十分に休んだつもりだった。けれど、症状は悪化していき、とうとう熱が出てきた。37.5度。体が熱い。

 ちょっとずつ、しんどくなっていくと、ちょっとしんどいくらいならまだ大丈夫って思ってしまいがちだ。この繰り返しで、気がついたら相当しんどくて、全く動けなくなっている。こうなるまでに、どうして気がつけないのかと、もう何度も思っていることを、また思う。

 さて、熱が出たので、病院へ行くことにした。近所にある、子どもの頃に小児喘息で通っていた内科だ。あのときお世話になった先生は亡くなって、娘さんが跡を継いでみえる。

 熱があったから、電話をしてから行く。折り返し、先生から電話をいただく。コロナやインフルエンザの疑いがあるときは、車での診察になるが、わたしは院内での診察になった。車での診察となると、梅雨時だというのに、午前中から30度を上回る気温で、待つだけでかなりしんどいはずだ。正直、ホッとした。安心して、病院へ。

 車を運転しながら思った。

 熱はある。けれど、その割にはそんなにしんどくない気もする。でも、ずっとしんどいから、ちょっと感覚がおかしくなっているかもしれない。どうなんだろうか。

 3分ほどで、病院に着いた。

 受付を済ませたら、奥の処置室に案内された。何にもできなかったから、壁にもたれかかって、ぼんやりと天井を見ていた。

 あぁ、またやっちゃった。今日はパートがあったけれど、休ませてもらったし、息子や夫、両親にも負担をかける。みんなに申し訳ないなぁと思う。もう少しはやく気がつけたらいいのに…

 体調の良し悪しを、自分で判断するのが子どもの頃から、とても苦手だ。まだ、わたしが幼い頃、「しんどい」と言っても、休ませてはもらえなかった。熱がなかったからだ。それで、わたしはしんどいまま、学校へ行くのだが、だんだんよくわからなくなって、倒れるまで我慢してしまうのだった。

 そのたびに、周りの大人からは、「どうしてもっとはやく言わないの」と怒られた。言っているのだ、わたしはすでに。でも、しんどいはずはないって否定されて、それで素直に従って、よくわからなくなって…そんな繰り返しで、今も休みどころがわからない。わたしは、どうしたらよかったんだろう。そして、これからわたしはどうしたらいいんだろう。これだという、解決策を未だ思いつかない。

 ため息をついていたら、診察の番が来た。熱は下がっていた。先生から、気管支炎を拗らせていると言われ、自分の見立て通りだと安心した。飲み薬や吸入薬を処方してもらう。吸入薬は久しぶりで、使い方がわかるかどうか不安になり、使い方をきいてみた。薬剤師さんが丁寧に説明してくれて、不安はなくなり、ちゃんと使うこともできた。正直に話すことができて、よかった。

 そうして、何日か過ぎ、薬もほぼなくなった。体調はゆっくりとよくなってきた。呼吸がしやすくなり、よく寝られるようになった。がんばらなくても、身体が動くようになった。前は、呼吸がうまくできてなかったんだ。身体がとても軽く感じる。

 体調が良くなってから、振り返ると、いろいろと気づく。

 そういえば、体調を崩した、何日も前から、思うように文字が読めないし書けないし、好きなことが何にもできなくなっていた。まず、やりたいって思わない。膜に包まれてるみたいに、ぼんやりもしていた。眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう。

 やらなくちゃいけないこと、考えなくちゃならないことで、1日が埋め尽くされていて、全然楽しくなかった。思うように身体が動いてくれないから、何でもやるのに、いつもよりも時間がかかる。できないことは、先送りして、溜まっていく。

 それから、自分なんて、なんの取り柄もないって、強く感じてもいた。がんばっても、ちっとも楽にならない。自分のことばかりで、体調不良の息子を思いやれない。家のことも仕事も、自分の思うようにできない。こんな自分が嫌で、全部なにもかも、投げ出したくもなった。

 上に書いたいろいろは、ただ身体がしんどかったから、そうなっていただけだった。体と心に、かなりダメージを受けていたらしい。パート先のストレスは、思ったより大きかったことがわかった。

 1学期がほぼ終わり、夏休みもパートの勤務は週一あるが、いつもよりゆっくりとできそうだ。これからのこと、よくよく考えた方がいいなと思う。

 まだぼんやりとしているから、まずは身体の調子をしっかりと整えてからにしよう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?