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前の会社が「やべ〜っ」って話⑥

〜あらすじ〜
結局振り回されてはいるが地獄の営業から抜け出せることになった。


〜第6章 復活のコールセンター編〜

今回の現場は本社の3階。

そこに無理やり大規模なコールセンタースペースを作り、初日はそこで研修があった。

どれくらい大規模かと言うと250人くらい電話出来るスペースが作られてた。

そんな中で僕ら2年目は電話を受ける側出なく、管理者側として働く。

コロナ関係の案件でこれがまた内容が複雑だった。

中に入ると新卒の子達がピッとして座ってた。

1年経つと皆変わる。
2年目は皆舐めてる感じが凄い出てたと思う。

研修受けたけどそんな一日二日で覚えられる内容じゃない。

正直言ってコールセンターなんてこんなもんだと思う。
内容コロコロ変わるし1番上の人でさえも全て分かっていないのだ。

新卒の子達はオペレーターとして働くので本当に可哀想だった。

戦闘力ゼロなのにいきなり地球侵略しに来たベジータと修行2日だけやって戦えって言われてる様なもんだ。

↑ナッパさんでもキツいと思う。


〜〜〜

業務が始まり、最初は忙しかった。

新卒の子もやっぱり出来る子も居れば中々下手な子も居る。

当然だ。コールセンター配属じゃないし、急にそんな上手く話せるわけがない。

僕らもそうだった。

指導者としてアドバイスしたり、時には上席として電話に変わったり等、中々な忙しさだった。

でも関係無しに定時で帰りまくってた。

営業の先輩達にはバレないし、もうどーでも良かったのだ。

1ヶ月が経つ頃には後輩とも仲良くなり、一緒に飲み行ったりした。

後輩の愚痴聴いたり、誰が誰推しかとかどーでもいい話で盛り上がったりもしてた。

やっぱり後輩も同じ様に営業で入ったのにコールセンターってなってブチギレてた。




毎日楽しく働いていたが、

そんな中僕には大きな問題があった。

それは

【退職時期】

についてだ。
仕事辞めることは決めていた。

復活のコールセンター編とか題名にしたけどこっちの方が本題だ。

コールセンターに再配属された時点で営業の事はシャットアウト出来たし、戻らずそのまま辞めるのがベストだと判断していた。

同じ部署の同期、大地くんに相談しながら考えた。

【大地くん】

いつも眠そうな顔をしており、ムーミンに似ている。
本当に良く寝るやつでコールセンター中に一回営業部で体験で働くみたいな期間があったがその初日、やる事無くて寝てた。


相談した結果、

7月末に辞める。

これがベストなプランだった。

営業に戻る直前で辞め、引き継ぎも無くすんなり辞める。
これがシンプルかつ最高のルートだ。

しかし、直前で『急に辞めま〜す♪』

とかは流石に出来ない。

大体こーゆーのって1ヶ月前くらいから話始めないとダメみたいなのがある。

そこでまずは直属の先輩であるN谷さんへメールをする事にした。

『話があるんで明日の昼とか空いてたらお話し出来ますか?』

的な内容のメールを作成し、送った。

作るのにも皆に手伝って貰ったし、送るのもすんごいドキドキしたのを覚えてる。

なんで辞めるってなるとこんなビクビクしてしまうのだろうか。

すぐに返事は来た。

そして次の日の昼、N谷さんと会う事になった。



〜次の日〜

決戦の場(本社11階フリースペース)へ僕は向かった。

かなりドキドキしてた。

大地くんとロープレをこなし、話の進め方、恐らく突っ込まれるであろう質問を予測し、そして叩き込んだ。

準備は出来ている。

偽ウルトラマンとの最後の闘いが始まるのだ。


時間丁度にN谷さんは来た。


部長も一緒だった。


なんでだ。
これはもう作戦全部水の泡過ぎた。

【部長】

いつも前髪が上がっており、デーモン閣下っぽい。
テキトーに仕事やってま〜すみたいなノリでバリバリに仕事出来る人。最近部長になったばかりの方。

ふざけてる。話しづらい内容だからまずは直属の先輩に話す流れだったのに飛び級しやがった。

僕の緊張はMAX。

最初は「コールセンターどう?」とか小手調べみたいなどーでもいい会話をしていた。

アイスブレイクってやつだろう。

僕のアイスは簡単には壊せないぞ。

「んで、話って何かな??」

遂に本題へ入った。

『仕事辞めようと思います。』

僕は素直に言い切った。
辞めようか悩んでいますじゃなくて、辞めますとの意思表示をした。

当然理由を聴かれる。

『最初から色々振り回されて過ぎて会社に信用が無くなった』

と伝えた。
正直なところ、そんな事よりもN谷さんのもとでまた営業やるのがツラい。が一番の理由だったがそんな事言いたくもないしめんどくさいのでこう言った。

N谷さんもそっちの相談かなと思ってたらしく「あちゃ〜」って顔してた。

あとどーでも良いけどなんで?ってくらい優しくて逆に怖かった。

部長が間髪入れずに質問してくる。

『この時期の転職とかコロナだけど大丈夫なのか。』
『今後やりたいビジョンとかあるのか。』

そんなもん無い。
やりたい事なんて無い。転職活動もしてないから知らん。僕はストレスフリーになりたいだけだった。

準備していなかった質問が来て焦ったがとりあえず、

『英語を使った仕事したい。』

って言った。
留学してたし。なんかぽいかなって思ったからだ。


総括すると、案外特に止められる事無かった。
意外だった。

部長は多分この後本部長とも面談しないと行けなくなる。
本部長は面倒だから気をつけろ。

とアドバイスをくれた。

僕の部署の本部長はロボットみたいな人で、思考回路が人間ではない理屈で生きている様な人だった。

ボロが出ると論破されて終わるし、4年目の先輩が辞める相談した時に2時間掛けて論破されて終わったらしい。

やばすぎるだろ。

これよりもツラい闘いが控えてるなんて恐ろしかった。



45分くらい話をしてそしてコールセンターへ戻った。

大地くんに報告した。

次の闘いは来週の水曜日。

もう、僕は進むしか無いのだ。


〜水曜日〜

僕はまた、決戦の場(本社11階フリースペース)へ向かった。

時間は既に定時を回っている。
まぁ本部長は忙しいから仕方ない。

待っていると本部長が現れて、個室へと案内された。

【本部長】

全てに置いて無駄が無い男。理論派の人間であり、感情が無いと良く他の先輩方が言っていた。一度飲み会で自分のお父さんの事嫌いって話したら食い気味で理由聞いてきた。いくらロボットでも自分の子供には嫌われたくないらしい。


本部長と2人で個室。

空気は最悪だった。
そもそもあんまり話した事無いからだ。

ロボットが口を開く。

「話は一通り聴いたが本当に辞めるのか?」

僕は、『はい』としか言わなかった。
変な事言ったらつっこまれそうだったからだ。

本部長が追い討ちを掛けてくる。

「英語使った仕事ならうちにもあるしやれるのでは?」

それは分かる。
確かに僕の会社は色んな仕事やってる。
分かるけどそんなすぐその仕事出来る訳が無いだろう。

こっちは信頼度ゼロだぞ。

僕はテキトーに就きたい会社があるとか言ったと思う。



結論から言うとそこまで何にも言われなかった。
てかあんまり覚えていない。

同じ営業部でまじで話した事無い先輩が居るがその人が「仕事のカウンセラーの資格持ってるから相談してみる?」

って言われたが、話した事無い人に相談なんてしたくも無いし断った。

辞める意思もしっかり伝えた。
乗り切ったのだ。

全てが終わった。

そう思っていた。

しかし、

「じゃあ最後に上長と面談だな!!」


ロボットが最後の反撃を繰り出してきた。

しかも相手はあのにっくき専務らしい。

辞めるのにどんだけ面談させるんだこの会社。
ふざけんな。

もう、本当に死ぬ。

僕のHPはもう0だった。

次回!しげおドラゴンボーイ、死す。
デュエルスタンバイ!


〜最終章 専務との面談編へ続く〜

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