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名前と青い夜


名前とは
世界で一番短い詩で
人生で一番深い愛で
生涯で一番遠くまである希望


なんて 素敵な言葉だろう

母が 父が 名をくれて
大きくなった私が
愛する人の名前を呼んで
あたらしい命が生まれて
また名をつける

こんなに魂がゆれることって
なかなかないのではないか。

そう感じることができたのは
本当に人を好きになる
誰かを深く愛する
という経験ができたからだと思う。

間違えてもいい と思うほど。
文字通り、身を焦がす ほど。

誰もが自分の中に孤独を持っている。

その孤独と向き合い はっきり己を感じる時
取り残されたみたいな 静寂に包まれている時

その景色は
黒じゃなくて
深い 深い 青
群青色で
けっして寒くはない
星もたいして見えないような
少し曇った 小さい夜で


名前を呼ばれると
好きでそこにいたはずなのに

寂しかったみたいで。
見つけてもらえたみたいで。

生涯で一番永く遠くまである希望。

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