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そばにいてくれるだけで、こんなに優しくなれる


Official髭男dismの曲をかけながら、台所仕事をしていた。ちょっと前に、出かけた時 たまたま耳にしたので、なんとなく気が向いて。


上の娘が「珍しいねえ。最近クラシックが多かったのにねー。」
「そうそう、聴きたい曲があるから、かけてよ」
「この人の声いいよねー」
って いろいろかけてくれた。

音楽が共通の話題になるっていいな、って思った。

ほっとして、ふと自分が中学生の頃を思い出した。
ここで、私の母は、自分の打ち明け話をする展開だったな、と。
重い話。夫婦仲がよくないこと。仕方なく、この家に留まっていること。
自分の同級生や、私の同級生の噂話。
私は、いい相談相手だった。
一生懸命聴いて、アドバイスもした。感謝されるとほっとした。

今の私は、娘に 自分の重い話をしようとは思わない。
いい意味で、自分のことに集中していてほしい。
そこに、大人の甘えを背負わせたくない。

重い話を聞いてもらわなくたって、
いい曲を教えてくれて、そばで シャカシャカ歯磨きをしてくれているだけで、
それだけで 私の心は ふわぁっとなっていく。

同じ音を、
時間を、
分け合っているからかもしれない。

にこにこしながら、自分の部屋に戻る彼女。
「私も部屋で聴こう」って言いながら。
教えてくれた曲をもう一回聴く私。

ね。これで、十分 心は あったかい。

彼女が、余計なものを背負わず、自分の眼差しを しっかり 自分の世界に向けていられることを祈りつつ、分け合える喜びを感じる 夜。

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