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バレーボールに関する2つのニュース

 このところ、日本のバレーボール界に関する大きなニュースが続いている。
 1つ目は、世界ランキングの上位国によって争われる「バレーボール・ネーションズリーグ」で、男子の日本代表がベスト4に残ったことだ。 

 1972年(昭和47年)のミュンヘン・オリンピックで金メダルを獲得して以降は、国際大会での成績や人気が低迷していた日本の男子バレーボールだが、ここにきて実力・人気ともに劇的なV字回復をしている。

 2つ目は、今年9月に日本で開催されるバレーボールのワールドカップで、ジャニーズのグループがスペシャルサポーターから「排除」されるというニュースである。

 日本が恒久的な開催地となっているこのワールドカップでは、30年以上も前からジャニーズのグループがスペシャルサポーターを務めてきた。ちなみに、先ごろ解散した「V6」は、1995年に行われたワールドカップのイメージキャラクターとして結成されており、グループ名である「V6」のVには「victory」や「vitamin」のほかに「volleyball」という意味も込められていたという。

 今回のワールドカップでも、日本の大会関係者とジャニーズ事務所側では、近日中にデビューを予定している某グループをイメージキャラクターとして起用する方向で話が進んでいた。
 しかし、故ジャーニー喜多川氏の性加害の問題を重く見ている海外のチームから、大会へのジャニーズの関与に対して「NO」が突き付けられたことから、日本側も方向転換をせざるを得なかったようだ。ある参加国からは、
「ジャニーズのアイドルが大会に関わるなら出場を取りやめる」
 という強い抗議があったともいう。

 故ジャーニー喜多川氏の性加害の問題について、日本の大手マスメディアでは歯切れの悪い報道しかされないが、今月の24日には国連の人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が来日し、性加害の当事者への聞き取り調査を始めることになっているそうだ。こういうことも、英国BBCなど海外のニュースを通じて知らされるというのが現実なのだ。

 日本のバレーボール界が低迷していた時期も、ジャニーズのアイドルが大会を盛り上げ、人気の向上や観客動員などに貢献していたという事実はあった。その一方で、選手たちよりもジャニーズのアイドルの姿を映し出すテレビの演出や、肝心の試合には関心を示そうとしない一部のジャニーズ・ファンの行動が顰蹙を買っていたという負の面も指摘されていたのである。

 見直しをするには、ちょうどよい機会だろう。
 心配はない。今の日本の男子チームならば、ジャニーズ抜きでも十分に観客を集められることだろう。

 それよりも心配なのは、外圧でしか状況を変えられない日本のスポーツ界と、この問題について積極的に報じようとしない大手マスメディアのほうなのだ。

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