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「オンライン授業」が招く未来

 コロナ禍の副産物の一つとして、学校における「オンライン授業」の急速な普及が挙げられる。私自身も、来月に教職大学院の「オンライン集中授業」を3日間担当することになっている。

 通常でも、対面かオンラインかを選択できる「ハイブリッド型」の授業や、外部の方をオンラインでゲストとして招くといった授業が当たり前になってきた。


 オンライン授業の普及によって様々な「学び方」が可能になったことは、社会人学生などにとっては朗報だろう。

 だが、このままいくと、それは「学び方」だけの問題ではなくなり、大学の授業や組織の在り方にも大きな影響を与えることになるだろうと想像する。

 たとえば、大学の教職課程を例にすると、知識伝達型のいわゆる「座学」の講義については、大学ごとに実施するよりも、拠点となる大学や教育機関から一斉配信をしたり、オンデマンド型の教材を視聴したりすることのほうが、効率的で質の担保にもつながるのではないか、ということが遅かれ早かれ本格的に議論されることになるだろう。

 また、ゼミ形式の授業にしても、複数の大学をオンラインで結ぶことにより、合同で開催することが可能である。

 その先に待っているのは、人員や予算の削減、そして国立大学教育学部の統合・再編だろう。実際、そういうことを早くやりたがっている人たちが存在することも事実なのだ。


 付け加えれば、これは大学教育にかぎった話ではなく、近年の「教員不足」や「不登校の児童生徒の増加」の問題を踏まえると、高等学校や義務教育に訪れるかもしれないことなのである。

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