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「教員になる」ことだけが教育に関わる道ではない

 全国的に公立学校の教員採用試験の倍率が低下している。文部科学省は、教員志望者が民間企業に流出することを防ごうと、各都道府県や政令市などの教育委員会に対して、採用試験の実施を前倒しするように求めているという。

 今年度、茨城県では文部科学省が示す「標準日」よりも1か月以上早く試験を実施した。しかし、その倍率は過去3番目に低い水準に留まっており、前倒しをしたことによる目立った効果は出ていない。

 私が教員になった1980年代だと、学校で働く以外で教育に関わる仕事といえば、
・塾や予備校の講師
・文部省(当時)や教育委員会の職員
・教育系の出版社や教材会社の社員
 ぐらいしか思い浮かばなかったように思う。

 しかし今では、
・スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー
・学校司書やICT支援員
・教育関連のNPOやボランティア団体の職員
・教育系のYouTuber
 をはじめとして様々な選択肢がある。

 こうした仕事に就こうとしている若者のなかには、もともと教員になることを目指していたものの、途中で断念をした人が少なからず含まれているはずだ。

 断念をした理由の多くは、「教員の長時間労働」にあると見て間違いない。


 教員採用試験の日程を前倒しにしただけで、流出した人材を呼び戻すことは難しいだろう。

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