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ピッチャーの心理

 先日、大学まで野球部でピッチャーを務めていたという知人から、こんな話を聞いた。

 要約すれば、
「相手の打者にヒットを打たれた場合、それがクリーン・ヒットのときには『相手が一枚上手だった』と気持ちを切り替えやすい。ところが、打ち取ったと思ったのに野手同士が譲り合ってヒットにしてしまったり、ボテボテの当たりが内野安打になったりすると、ガックリしてそこから崩れてしまうことがよくあった」
 という内容である。

 気持ちはわかるような気がする。
 野手同士が声をかけ合えば、捕れたかもしれないフライ。
 打者が打った瞬間にダッシュをしていれば、一塁で刺せたかもしれないゴロ。
 ・・・「たら、れば」を言っても仕方がないと頭ではわかっていても、簡単に気持ちを切り替えられるものではないのだろう。


 こうしたピッチャーの心理は、学校経営に取り組む校長のそれにも共通するところがあると思う。
 日々の学校経営をするなかで、数多くの「ポテト・ヒット」や「アウトにできたはずのゴロ」が存在するはずのだ。たとえば、

担当者が曖昧になっていたため、誰も手をつけていなかった仕事

報告・連絡・相談を怠ったため、初期対応が遅れて炎上してしまった事案

 ・・・などなどである。

 だが、校長たる者は嘆いてばかりではいけないのだ。

 なぜなら、「アウトにできたはずだ」と思うのならば、それは試合前の練習やミーティングによって防ぐことができていたかもしれないからだ。

 そして、もしも次の試合で同じようなプレーが繰り返されるのだとしたら、それは校長の責任ということになってしまうだろう。

 校長はプレイヤーではなく、それが務めのマネージャーというポジションなのだから。

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