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『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』書評

1.きっかけ


この本を読むことになったきっかけは、私自身が大のBiSHファン(3年間で100回以上のライブに行っていた)であり、そのBiSHが所属するWACKの代表である渡辺淳之介氏の思考プロセスを辿ってみたいと考えたからである。

渡辺淳之介氏は数々の奇想天外なプロモーションを仕掛けたり、プロデューサーでありながらそのキャラクターが注目されるなど、従来のアイドル界隈では一線を画した存在であった。

プロデューサーが広告目線で語る、今話題のアイドル「BiSH」が人気になった理由 
https://markezine.jp/article/detail/31655

そんな彼自身の事を綴った本があるとなればぜひ読みたいと常々思っていたので、発売から5年経ってはいるが、今回は渡辺淳之介氏の仕事に対する考え方にフォーカスして書評を書いていきたい。

2.渡辺淳之介とは

渡辺淳之介(わたなべ じゅんのすけ、1984年〈昭和59年〉10月23日- )は、日本の音楽プロデューサー、実業家、作詞家、ファッションデザイナー。株式会社WACK代表取締役。東京都八王子市出身。既婚者。作詞家としてのクレジットは「JxSxK」。

3.印象的だった点

本書で最も印象的だったのは、良くも悪くも渡辺淳之介氏らしいストイックな生き様が書き出されていた点である。その形成過程は幼少期からの両親の育てられ方に強く影響を受けている。本書ではその渡辺淳之介氏が考える仕事術のようなものが醍醐味であると感じた。

それは、
「いつでもシュートを打てる体制を取れているか」

「仕事におけるリスクヘッジ(隠し事)こそクソ、痛みを痛みでこらえよう」

「スケジュール感を大事にしないと周りは動かない」

「偶然を必然に見せる芸術がエンターテイメント」

「やりたいことを声に出して言ってみる 声に出さないやつこそダサい」

「本気で青春をかける女の子には本気で向き合う」

と、少し挙げてみただけでも渡辺淳之介氏自身の仕事に対するストイックさが垣間見れるのではないか。こうしたことを実体験ベースで話をしているので、大のBiSHファンである私は一つ一つ感銘を受けつつしっかりと噛み砕きながら理解する事が出来た。

更にはこの著書は2016年に執筆されたが、渡辺淳之介淳之介自身の思考パターンから、今後の展開までも予測できるものであると感じた。

具体的にはアパレル展開や数々の規格外のプロモーションなどである。それは本書が2016年に執筆されてから2021年の現在に至るまでに実際に行われた事である。

WACK渡辺淳之介はなぜアパレルブランドを立ち上げ、実店舗をオープンさせたのか?
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/28252/2/1/1

また、更に今後の展開も予想できるのではないかと感じる(恐らく、紅白発表からの東京ドーム公演があるのではないかと私は考える)。

渡辺淳之介が仕掛けてきた数々のエンターテイメントやそのキャラクターは、彼自身の生涯を通じた強い意志によって引き起こされたモノであるというのを本書を読んで感じられた。

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