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なんで、自動化しているの?

もはや日常的な光景になりすぎて、めんどくさい作業があるとその場でAppleScriptを組んで実行するという自分のスタイルは、普通のMacユーザーから見ると「異端」以外の何者でもないでしょう。


膨大な作業を少人数でこなすために

仕事で、理不尽なぐらい膨大な作業をこなさないといけなくて、「とても手作業では追いつかない」と思ったからです。

また、同僚と手分けするにも、手分けしやすいように準備する必要があります。

そこで、データベースを作って、そこに複数のメンバーがデータの入力を行い、別のマシンで決められた形式でデータをファイルに書き出すことにしました。

入力を行うメンバーは入力に専念し、自分はAppleScriptのプログラムを1週間ぐらいで使えるようにマスター。1か月ぐらいでカタログを作れるようになりました。

もともと、自分は他の言語でプログラムは書けたので、その言語とAppleScriptとの違がわかれば、そんなにたいしたことはありませんでした。

大量の仕事を行うのに、なるべく人間に手間をかけず、人間には人間に向いている仕事を、機械に任せやすい部分は機械に任せるという「分業」を行うようにしました。こうした「仕組み」作りを短期間で行うのに、AppleScriptだとすでに存在するアプリを組み合わせて動かせるので、ひじょうに向いています。

めんどくさい作業を自動化

膨大な作業が発生する場面だけではなく、ちょっとした仕事もAppleScriptを使うと便利なことがわかってきました。

  • ちょっとした作業を行いたいけれど、面倒

  • 繰り返し同じ作業を行う必要がある

  • そんなに繰り返さないけど、やるのがダルい気の重い作業がある

とくに日報月報といった「あとで別の人間が集計するために提出を求められる作業」……それやってると効率が落ちるんだけど、報告のためにやむにやまれず行う作業の自動化です。

たいていは、Excelの決められたシートに入力するとか、Webブラウザで使いにくくて遅い社内システムに入力するとか、だいたいそんな作業です。

そういう「出来の悪いシステム」を直接相手することなく、手元のMacにデータを決まった形式で入力しておき、報告するタイミングでAppleScriptを実行。

Excelのシートや、Webブラウザ上のシステムにデータを勝手に入力。その間、自分は別のマシンで別の作業を行って、Macが仕事を終えたことだけ確認すればよいだけです。ストレスの多い、出来の悪いシステムの相手は、コンピュータにやらせればいいんです。

きまった時間に確実に作業を

いつも定時で帰れればいいですが、仕事によっては客先の都合で夜間に対応しなくてはならない場合もあります。客先の作業が終わるのが21:00で、その時点で出来上がったデータを使って作業する必要があるとか。

そうした場合に、データ受け取りやデータチェックなどの作業をAppleScriptで自動化しておき、その総数をチェックして関係者にメールで報告。問題のないデータについては次の工程に回しておいて、問題のあるデータを「要チェック」フォルダに分類しておき、翌日、人間が目で見て判断します。

こうした、「○時以降に行う」ことが必要な仕事も、AppleScriptで時間待ちしてこなすことが可能です。仕事の内容の半分ぐらいが時間待ち、顧客の仕事完了待ちという仕事は多いので、タイマーは重要です。

こういうことをやっていると、人間が帰宅したあとのオフィスでMacを勝手に動かしておいて、時間のかかる作業だとか、時間が決められている顧客からのデータを待つといった作業を行うと「便利」だと感じられるようになりました。

手分けして処理すると速度が上がる

このように、さまざまな仕事を自動で行えるようになると、あることに気づきます。

それは、「自動処理を行うMacの台数を増やすと、その分効率的に作業をすすめられる」ということに、です。

自動処理を行うのに、自動処理に専念するMacを数台積み上げて、日常的な作業を行う自分用のMacとは別に用意すると便利です。便利というよりも、個人だとアルバイトや社員を雇うよりも効率的だったりします。

こうした「システム」を作れば、Macの台数(それも最新機種じゃなくてOK)を増やすことで処理能力を格段に上げられます。人間には人間に向いた仕事を、機械には機械に向いた仕事をさせるのが、本来のやりかたです。いまの日本の社会は、システム化のためのノウハウが欠落していて、本来機械にやらせるような仕事を人間にやらせるので、やっていて楽しくないですし、生産性も上がらないことが多いと思っています。

いまだと、Mac miniという「積み上げても気にならない」程度の小さなマシンもありますし、台数によってはAmazonのMacインスタンスも利用でき、これらを一定期間だけ利用することもできます(購入するよりも安い、というぐらいで決してお安くはありませんが)。

ただ、いきなり自動処理用のマシンを大量にそろえるわけにも行かないので、いろいろ交渉して、帰宅する社員のマシンを夜間貸してもらうといった話をつけるのが安全でしょう。別のユーザーアカウントを作っておけば、貸してくださった方のプライバシーは守れますし、コンピュータに対して悪影響を及ぼすことはありません(ディスク容量の使いすぎに注意、ぐらい?)。

これを「オフィス二毛作」と呼んでおり、うまく都合がつけばなかなか便利で強力です。

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