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検討中:かるーいScriptingの本

「マニアックかつ実用的な本」だけを出していては、なかなかユーザーを増やすことは難しいところ。そこで、「ちょっとだけ興味がある」人たちに訴求する、かるーい内容のものを企画してみるのですが、これがなかなか難しいところです。いや、これが一番難しいんですって!


これまでの取り組み:①Scriptえほんシリーズ

画面キャプチャを中心に構成し、イラストを多用した本(=えほん)を企画してみました。作るのが超大変なのに、これが超売れない。手にとっていただけない。なるべくページが増えないよう構成(紙で出すことも考えていた)。

 反省点:ページ数が少ない→サンプルScriptが少ないと受け取られる
     イラストの多用→対象読者層にこういうテイストは好まれないらしい
     基礎的な内容が鼻につく?→高度なサンプルを掲載
     もっと基礎的な話が見当たらない→基礎的な文法やスクリプトエディタの使い方を懇切丁寧に紹介

→→ Scripting Book(実用性重視、掲載Script多数、ページ数多め)へと変化


これまでの取り組み:②いまからはじめるプログラミングシリーズ

えほんシリーズ的なテイストを残しつつ、もっとレベルを下げてみたのが本シリーズです。1冊目は割と手にとっていただけたのですが、2冊目でドロップアウトする人の多いこと多いこと。

内容を簡単にする→ページ数が増える→作成の手間が増える→適度なページ数で分冊化する→続編が買われない→シリーズが続かない

作るのがものすごく大変な割に、受け入れられないというシリーズです。

 反省点1冊でわかりやすくてすべて網羅するような本が求められている(無理やがな……)

これまでの取り組み:③AppleScript基礎テクニック

「基礎」といいつつ、実際には脱・初心者を図る「中級者養成本」みたいな内容です。何かでつまづいた初心者に、このシリーズをおすすめして「それについては、この本を読めば大丈夫」とTwitter(現X)上でコメントするような使い方。

 反省点:一応、それなりに細々と支持されている。説明文で難易度が上がらないように配慮しているものの、若干難しかった箇所もあったかも?
    シリーズ本の順番自体が「やさしい」→「むずかしい」という順番になっていたらいいのに、みたいな指摘があったものの、それはそれで困難。

これまでの取り組み:④パソコンクエスト

AppleScriptがどうのという前に、パソコン自体の使い方が分からない人にケアする必要があるのでは? という層に向けて絵を中心に構成してみたもの。売り物になるかどうか自信がなかったので、フリー配布

初心者とか分からない人ほどプライドが高い、という傾向があって、あからさまに初心者向けみたいな見た目にすると「バカにするな!」と怒られてしまうらしい。

 反省点:とくになし。

これまでの取り組み:⑤AppleScript 7つの宝珠シリーズ

人類初の、プログラミングという「魔法」を解説する魔導書

プログラミング言語というものが存在していないが、魔法が存在している世界(異世界?)を創造し、その中でプログラミング言語の主だった要素が登場することで世の中が大きく変わる、みたいな話を紹介。プログラミングを「魔法」と位置付け、その魔法の進化の歴史を描く。

 反省点:これも、呆れるぐらい売れていないが、きっぱり「趣味」と割り切っているので気にしない。1冊売れるたびに突っ込まれるのではないかと、背筋に戦慄が走る逸品。

これまでの取り組み:⑥プログラミング・キット本

ガンプラみたいに、部品を組み合わせることで大きな動きを実現するAppleScriptをつくる本。おまけScriptはガンプラみたいなランナーが背景になっているディスクイメージに入っている。挫折しないで、組み立てる作業とか過程を楽しむための本。まさに、ガンプラのように

 反省点:このシリーズにはものすごく期待していたものの、これが売れない。本当に売れない。想定したユーザー層は、何かを「上達」したり「理解」することを求めているのではなく、他人に「自慢」したいものと分析。「ちゃんと組めるようになるための組み立て説明書」ではなく、完成品をどのように「自慢」したらよいかというマニュアル本が実際に求められているものなのでは?

これまでの取り組み:⑦ゆっくりAppleScript解説

YouTubeでおなじみ、有名な顔だけのキャラクタによる説明本。AppleScriptそのものではなく、周辺の下世話な話題を中心に扱う。「①Scriptえほんシリーズ」を復活させたような内容ではあるものの、かけあいのセリフを中心に漫談形式で話が展開する。ただ、これも売れない。

 反省点:理由はまだ分析中ではあるものの、失敗と位置付けるべきなのか、まだ判断が早いと見るべきなのかは不明。こういう本は、ある程度の分量(ページ数、単元数)がないと支持されない(コスパの問題)のではないか? 1冊で完結しないと「コスパが悪い」と判断されるのではないか、という読みはあります(そんなの不可能)。

反省から導かれた仮説

仮説①:入門者は本を読まないし、買わない。なので、初心者/入門者向けの本を作っても無駄。本を買うニーズ自体が存在していない(タダでWeb上の情報を集める)

仮説②:教科書とか参考書みたいなフォーマットの本が求められている。最高到達点は低いものの、まんべんなく各ジャンルをカバーしていて、1冊読むと「真髄を悟った!」と勘違いできるような本

仮説③:理解とか実力とかどーでもいいので、「写経」できるネタ本。網羅している範囲が広くて画面図がついていて(作業内容が)わかりやすい本。変数とかイベントとかオブジェクト階層とかどーでもいいので、ただサンプルを動かす手順を紹介する

本のおまけにChatGPTみたいなLLMの小規模版、小規模なのでLarge Language ModelではなくSLM、Small Language Modelを提供して、本に掲載したサンプルScriptの範囲で文章で指定された内容のScriptを生成するツールを提供できたりすると理想的だと思っています。もうちょっと。もうちょっとかも。

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