Appleに関するウワサ話と付き合う方法(下)

ウワサ話には目的がある

前回「大幅な値上げのウワサを流しておいて、実際の製品の値上げ幅を少なく見せかける」といったウワサの効果についてご紹介しました。

何かの目的を果たすためにウワサ話が存在するわけです。

(1)情報漏洩源を特定する(あぶりだし)
組織のどこかに情報漏洩源の疑いがあるときに、少人数に少しずつ異なるウワサを流し、どこから外部に流れたかを確認するために流されるウワサ話があります。ただし、最近は減ってきたように感じられます。

(2)願望が一人歩きする(あったらいいのに)
「こういう製品が出てほしい」という願望が一人歩きして、「こういう製品が出るに違いない」という話に変わってしまうことはよくあります。この種類のウワサの目的は「こういう製品がほしい」という願望(妄想)を実現することだけです。たいていは実現しないものですけれども。

(3)注目を集める(めだちたい)
ウワサ話の内容が本当かどうかはさておき、注目を集めるために情報を流すということは日常的に行われているようです。情報源がApple社内(上層部)でも、外部であったとしても、ウワサ話の対象に注目を集めること自体が目的の「かまってちゃん」情報の可能性はあるようです。

(4)ショックをやわらげる(ねまわし)
これもよくあります。iPhoneのボディの寸法が変わったら、ユーザーはもちろんのことケースメーカーや周辺機器メーカーには大変なダメージがあります。そのショックをやわらげるために事前にこうしたウワサ話を世間に流しておくことがあります。値上げのショックをやわらげるためのウワサ話などもこの種類です。

根も葉もないウワサ話は無視

Appleに関するウワサ話は、Apple社自体、Appleの製品、Appleのサービスについての話です。製品のウワサ話の場合でも、Appleらしくない製品ではない場合には「ガセネタ」である可能性が高いといえます。Apple製品にはいくつかの「クセ」があり、そのクセが感じられないウワサ話は虚偽の可能性が上がります。

(1)可動部分の多いメカはありえない

合体変形メカなどのように、つねにどこかの部品が磨耗したりユーザーの操作により不具合が生じるようなものは、製品化されません。大昔の「PowerBook Duo Dock」のような合体変形メカが現代のAppleの製品として登場する可能性はありえません。

(2)特定の国でしか流通できない製品はありえない

基本的に全世界で同一のハードウェアを流通させる必要があります。無線LANベースステーションのAirMac(日本以外ではAirPort)や各国語の刻印入りキーボードなど、いくつかの例外はあるものの、基本的に世界中で同一製品が販売できる必要があります。原稿執筆時点では、まだHome Podの日本国内発売が見送られていますが、じきに発売されることでしょう(実用性はいまひとつのはずですが)。

(3)過去に出た製品のリバイバル(復刻)製品はありえない

大昔にAppleから発売された製品のリバイバル(復刻)製品はまず出てきません。Mac 30周年Webサイト上で昔の製品の検索ができたときには腰を抜かしましたが、特定の期間だけのものでした。

各製品には、時代背景やテクノロジーの進歩を根拠とした「デザインの必然性」があり、その時点でのみ成立した製品だと見なされています。

そのため、過去の製品の復刻版は出てこないのです(Macintosh Classicという唯一の例外はありますが、もう覚えていませんよね?)。

(4)ソフトウェア開発に過大な負担のかかる製品はありえない

たとえば、画面の大きさのバリエーションをやたらと増やすのはNGです。ただし、画面のサイズや縦横比が大きく変わっても自動対応できるような仕組みが十分に整備されている場合にはこのかぎりではありません(とはいえ、開発側では実機やシミュレータでの確認は必要になるわけで)。

(5)前例のない画期的すぎる製品は出てこない

Appleの得意な方法は、すでに市場に存在する製品を十分に分析して、より洗練されたデザインやよりよい使い勝手を実現し、後発の製品を世界中で一斉に発売することで市場制圧するという方法です。逆をいえば、他社が「まずい製品」でモタモタしているという状況がないと、製品を投入しない傾向があります。


どうでしょう? これだけでもずいぶんと「根も葉もないウワサ」は無視できるのではないでしょうか?


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ぴよまるソフトウェアCEO。Macを使った仕事のワークフローを自動化して、勝手にMacに処理させるシステムを多数開発。Appleに先駆けること10年以上前に日本語でMacに命令できるSiriっぽいシステムを開発。Blog http://piyocast.com/as/

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