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歌ってみたライブで過去最高の利益を上げる方法【運営・出演者向け】

どうも、忌山(いみやま)です。

歌ってみたライブは楽しいよな?(威圧)

リスナーからすれば、ネットから飛び出してきた”憧れのあの人”に直接会える唯一のチャンス。

知らない人たちと同じ空間で同じ感情を共有する快感は、何物にも代えがたいひとときですね。

すでにコロナ禍は落ち着き、歌ってみたライブをガンガン打ちまくる運営さんが昔のように増えました。

皆さんそれぞれいろんな工夫を凝らして活動されているのを見ると、こちらも心の中のお猿さんがウキウキと騒ぎ立てます。

僕は歌ってみたライブの運営に携わったことはないですが、マーケター視点で、こんなコツがあるよって話をアウトプットしておこうと思います。

誰に聞かれたわけでもないですが、運営・出演者、皆さんのますますの繁栄を!ということで。


歌ってみたライブは主に2種類

歌ってみたライブは主に2種類の形式があります。

  • ショーケース形式

  • オムニバス形式

それぞれ見ていきましょう。


ショーケース形式

ショーケース形式とは『1人あたり◯◯分の枠』を割り振る形式です。

だいたい1人あたり15~20分の枠が多いでしょうか。

与えられた時間内であれば、出演者は時間を自由に使うことができます。

ゆったりとMCもできるし、時間いっぱい曲をぶっ詰めることもできます。


オムニバス形式

オムニバス形式とは『ライブイベントの主要時間を均等に割って、ランダムに出演者の出番が回る』形式です。

時間配分というより、1人あたりの曲数で割ることのほうが多いでしょうか。

基本的に1曲歌い終わったら出演者は転換します。

かといって時間の縛りが極端に強いわけでもなく、MCの時間を設ける人が意外といるって印象です。


複合形式

これは補足ですが『1部(午前):ショーケース形式・2部(午後):オムニバス形式』のような形態のライブイベントもたまに見かけます。

それぞれの良さを生かしたハイブリッドな運営が期待できますね。


現在はオムニバス形式が主流

コロナ前、一番熱かったころ(主観)の歌ってみたライブ界隈では、ショーケース形式がほとんどでした。

オムニバス形式のライブ=毛色が違うイベント、な印象。

一方、現在はほとんどオムニバス形式だなぁという印象を受けます。

どっちがいいか?じゃなく、こういうのが”時代の流れ”なんだなぁって思います。(小並感)


ライブイベントを通して利益を最大化するには?

じゃあ、運営・出演者が”歌ってみたライブを通して利益を最大化するには?”という、僕が個人的に大好物な視点でお話をしていきましょう。

ライブイベント、たとえどんなに小規模であっても、1円以上のお金が絶対に動いています。

で、世の中にはこんな言葉があります。

ボランティアではお金を取らないが、お金がなければボランティアは継続できない。

たとえ慈善活動であっても、お金は積極的に稼ぎに行くべきだ、と僕は思っています。

お金の出処が不明な”歌ってみた無料ライブ”とかも時々見かけますが、マジで運営さん・ライブハウスさん・スポンサーさんたちが努力しまくっているんだろうし、じゃあ僕はプロのマーケターとして、いい環境・ノウハウをちょっぴりでも提供してあげられたらいいなと。

イベントそのものの楽しさももちろんですが、経営の楽しさ・奥深さも感じられたら最高ですよね?(威圧)

知らないより、知ってたほうがいい。

できないより、できたほうがいい。

この世は資本主義ですから、努力できる人がより多くのお金を手にするべきですよ。

ではでは、やっていきましょう~


ショーケース形式のライブの活用方法

【運営目線:リピーター獲得】

ショーケース形式のライブの場合、運営目線で考えるならば『リピーター獲得』を狙っていきます。

ここでいうリピーター=出演者(歌い手)のことです。

同じ出演者に繰り返し出演し続けてもらうために、ショーケース形式のライブを打つのです。


ショーケース形式のライブでは、出演者が個々の才能を発揮しやすいです。

  • 自分の魅力を演出しやすい

  • ストーリーを組み立てやすい

  • お客を呼びやすい

15~20分というまとまった時間が与えられていれば、タレントとしてのブランディングに活用しやすいんですね。

ショーケース形式=自分を売るために出演したいライブなのです。


じゃあ運営サイドは、”タレントがお客に対して売り込みやすい環境”を提供してあげる必要があります。

僕がまず思い浮かんだのが『司会をはさむ』ということです。

むかし僕が出演したことがあるライブでは、ショーケース転換時に主催の方が必ず司会をしてコントロールしてくれていました。

喋れるタイプの出演者とは楽しく掛け合いをするし、そうでなくても告知だけでも司会フェーズでやってあげることができます。

出演者のリピーター化が目的なのだから、彼らの売り込みに一役買ってあげましょう。


あらかじめ出演者の人間像を知っておくことが、いい司会を回すカギ。

じゃあ、運営サイドには”営業力”が必要となります。

  • 傾聴力

  • 質問力

  • 自己開示能力

  • 共感能力

とかね。

出演者に対する営業力を見せられれば(この人ならこれからも安定した運営をしてくれるだろう)という、出演者に対する運営サイドのブランディングも一気に完了します。

リピーターになってくれる要素が1つ増えるってことですね。

ライブ主催っていってもネットですべて完結させるパターンが多く「営業力が必要や!」と気付いている人は少ない。

じゃあ、やる意味も価値もありまくりですね。


【出演者目線:ピークエンドの法則】

ショーケース形式のライブの場合、出演者目線で考えるならば『ピークエンドの法則』を狙っていきます。

ピークエンドの法則=人はある出来事に対し、感情が最も高まったとき(ピーク)の印象と、最後の印象(エンド)だけで全体的な印象を判断する。

簡単に言えば、『たかぶったまま終わらせる』ということです。

そのために、”意図のあるストーリー”を綿密に組み立てましょう。

「人はストーリーで動く」というのが行動心理の基本ですが、意図のないストーリーでは、人は動きません。

意図がないままライブのオファーをしても、動員ゼロってことが起きてしまいます。


僕がまず思いつくのが『今日はそういう日』というスタンスです。

次のライブは

  • バラードです

  • ロックです

  • 難解曲です

  • アイドル曲です

  • バンドです

などなど、先にあなたのライブのテーマを告知しておきます。


ショーケース形式では”盛り上げ曲~バラード”みたいな流れが鉄板ですが、1日の中で物語を完結させてしまうのはよくない。

満足した順番に、お客は離脱していきます。

いつまでたっても動員は増えません。

そうじゃなくて、”あなたのタレントとしての人生ストーリー”が基盤です。

何年もかけてやっとコンプリートできる、”デアゴスティーニ”みたいな人生ストーリーを組み立てましょう。

「これから何度もライブに来れば、私をより深く知れて、より深く関われて、末永く感動し続けることができるよ」という夢を見せてあげるのです。

例えばバラードの日に来てくれたお客は、今日はバラードしか聴けませんでした。

これでいい。

「また次も会いたい」と思わせ続けておくことがリピートに繋がります。

”渇望”は行動における最強のエネルギー。


「特定の日にしか来ないお客がいるのでは?」

たしかにそうです、ロックにしか興味がないお客もいるし、バラードにしか興味がないお客もいる。

でも、それでいい。

=それぞれの属性ごとに、お客の分母を増やせば安定します、簡単ですね。

失客を恐れて全部入りライブを提供して、ニーズに合わないコンテンツをイヤイヤ消費させるほうが問題です。

ノルマに怯えてやたらめったら集客した結果、

  • ロック好きなお客は(バラードかぁ…)と思いながら聞いています。

  • バラード好きなお客は(ロックかぁ…)と思いながら聞いています。

(次はいいや…w)と思わせてしまったら終了。

せっかくのショーケース形式のライブで、なぜにオムニバスなストーリーを描いてしまう?

=ライブ告知段階で、来たい日をお客に選ばせてあげるのが本当の優しさであり、利益の最大化。

これもビジネスの基本ですが、コンテンツはよりせまく深いほうがお客の満足度は上がります。

詳しくは『ターゲティング』で検索検索ゥ!!!


で、あらかじめ日々の動画投稿活動の方で、伏線を張っておくんです。

次のライブではバラード歌うかなぁってバイブスなら、ちょっと前にバラードを投稿しておく、という感じ。

「最近投稿されたこれが生で聞けるんだ!」←こりゃみんな来るだろ~

「売る前に興味を高めておく」というのは成約率アップの超基本なのでぜひ覚えておいてくださいね。


【ショーケース形式の補足】

ショーケース形式のライブは、チェキ・グッズがある活動者と相性がいい。

まとまった時間を有効活用して、あなたの魅力を売り込みやすいからです。

1クール3分ちょっとしかないオムニバス形式でチラッと見えただけの演者よりも、「へぇ~こういう人なんだぁ」と少しでもなにか印象を抱いた演者のほうが、より”話してみたい”と思えるものです。

「オムニバス形式のライブでも交流タイムを用意してくれているが?」

その通り、”歌を使った3分間スピーチ”がめっちゃ上手な人なら問題ないと思います。

最初の1フレーズでグッサリ刺せる歌唱力と演出力、場を掌握する力を持っている人なら、ファンはガンガン付きます。

もしもあなたがそういうタイプではないのなら、消去法でショーケース形式との相性が良い、ということになります。

僕だったらですが、頭とケツで2曲(4分×2)歌って、残りの7分で漫談します。

こういう工夫の仕方が許されるのが、ショーケース形式のライブのメリットです。


オムニバス形式のライブの活用方法

【運営目線:イベントとしてのブランディング】

オムニバス形式のライブの場合、運営目線で考えるならば『イベントとしてのブランディング』を狙っていきます。

イベントの名前を売るのがゴールです。

ショーケース形式とは違い、運営ら・出演者たちはあくまでも”ライブイベントのパーツ”として考え、関わる人間たちに利益を分配するような考え方です。

みんなで補い合って1つの夢を追う”麦わら海賊団”的な運営方法ですね。


ここで僕が考えつくのは『コンセプトライブ』です。

ロック限定とかバラード限定とか、ライブの色を1つに絞りましょう。

で、どれに来るか?をお客に選ばせるのがベター。


ただでさえオムニバス形式なので、内容までごっちゃになると、お客としてはぶっっっちゃけ冷めます。

出演者の登場はランダムで、彼らの提出曲も個人の裁量となると、スケジュールが破綻する可能性が非常に高い。

  • ライブの売り=チケットを買ってもらうフックはどこか?

  • ライブ中のどこにピークを持ってくるのか?

  • お客の感情をどんな風に操作するのか?

これがめっちゃ組み立てづらくなります。

すると、上でも言ったように、人間の行動心理に反した、意図のないショボいストーリーのできあがり。

「なんか人間が歌を歌ってたね~」程度の印象しか植え付けられず、ライブの思い出っていうものが消費者の中に残ってくれません。

果ては「あぁ、あの人のライブね…」という負の印象を与えかねません。

ライブのクオリティは主催自身の評判にも響くので、ビジネスがぶっ倒れる可能性が出てきます。


オムニバス形式でイベントを成功させるには、上に同じく”これから打っていくライブイベントの数々”という主催の人生ストーリーが基盤です。

するってーと、主催が自我を出すのは、チケットを売るために有効な手段だといえます。

すでに名のある活動者が、主催として最初に取り組むべきライブ形式ともいえるかもしれませんね。

(名のある人ほど、同じく名のある出演者を呼んでショーケースやるけど、それはそれでいいけど、オムニバスでもじゅうぶん利益取れるよねっていう)


【出演者目線:整合性と差別化】

オムニバス形式のライブの場合、出演者目線で考えるならば『整合性と差別化』を狙っていきます。

ここでいう整合性とは『ライブコンセプトに寄り添う』ということ。

ここでいう差別化とは『他の演者と被らない』ということ。

自分が売れるために前に出る必要はありません、自分が力添えをしてライブの名前を売って、ついでにおこぼれをもらうっていう考え方です。


オムニバス形式って、わりと減点方式で見られがちです。

だって、別に見に来てない知らない出演者がたくさん間にはさまってくるんだもん。

お客は「推しが来ない…推しが来ない…やっと来た!」っていう、潜在的な微量なストレスを抱えながら観覧しています。

みんな個人にフォーカスして見てくれてはいますが、それは思いやりの部分であって、内心は違います。

しかも1人あたり1クール5分もないわけです。

個人の色が出しにくい・人間味を伝えづらい分、この人は上手かった、この人はう~ん、って、機能的価値全振りで正直こっちは見てます。

=全員で全員を引き上げる・一丸となってライブコンセプトを盛り上げるっていう意識を持たないと、共倒れになる確率が上がってしまいます。


勘のいい人ならお気づきでしょうが、この戦略は”出演者全員で協力”しないと実行できないソリューション。

ひとりだけ意識高くても、よけいに埋もれていく。

となると、全員で協力できるように、運営側が運営方針をできるだけ詳細に展開しておく必要があります。

  • ライブコンセプトがしっかりしている

  • 「ライブ自体を売る」全員の向いている方向が同じ

これが揃わないと、オムニバス形式のライブで出演者が利益を最大化するのは至難の業。


【オムニバス形式の補足】

ここまで読むと分かるように、オムニバス形式は運営がマジで難しい!!!

なんで難易度高いほうが流行ってんだろう…?と興味深い。フムフム


ワイはショーケース形式のほうが好き

僕はショーケース形式のほうが好きですね。

ひとりひとりの個人チャンネルを覗ける感じがして面白い。

「次はどんな人がどんな世界観を持ってくるんだろう…!」ってワクワクがたまらない。

ショーケースだったら、グダグダもひとつの味だったりするし。

間違えててもなんか前向きに見れるし。

なにより、満足感がすごい。

歌い手のライブ味わったな~~~!て感じるのは、やっぱりショーケース形式。

ピークエンドの連続で、余計なストレスもない。

記憶が分散しないので、ひとりひとりの印象が思い出にも残りやすいです。

交流会で話す話題がなくて困ることも少なく、ふと思い出してTwitterフォローする確率も高いです。


これを言うと暗くなっちゃうんだけど(でもあえて言うんだけど)

歌ってみたライブ界隈が再熱した昨今ではありますが、やはりみなさん出演者の集客に困っているのでしょうか。

出演料やノルマなどのリスクを下げて集客しているイベントがかなり多いように感じます。

自己負担ゼロ円!とか、一体どんな企業努力なんだい…?(心配が勝つ)

で、これはビジネスの世界では定説ですが、価格を下げると人間の質も下がります。

  • なんか安かったから

  • なんかあっちから誘われたから

価格・運営態度の質を下げると「なんとな~く」で出演する人が一定数混ざってしまうのが現実です。

自己紹介なしとか、己の能力とズレたパフォーマンスとか、時間つぶしのような態度とか、消費者からしたら(えぇ…)が、ぶっちゃけあります。

ほんと1割ですが。


すると、お客にとっての『見応え』が低下するんですよね。

オイオイほんとの主役はこっちだぜ!?!?

ライブを作るためのライブに価値はありません。

いいものを集めて、それが素敵なライブになるのです。

理想論かもですけど、こちとらお金払ってますからね!

提供側に”信念”がないことはダイレクトに伝わってますよ。

そういう意味でも、ある程度のレベルと責任感のある出演者を集客できるように、運営は然るべき金額を受け取って儲けるべきだし、歌い手が時間指定でまとまったリスナー数を集客しやすいショーケース形式のほうが、僕は安心して見られますね。


昔もあった風潮ですが、ショーケース形式が敬遠される理由って、

  • お目当ての演者以外の時間で喋るやつがいる

  • 途中で帰るやつがいる

  • 演者が場を掌握しきれない

なんですよね。

結論:提供側の実力不足

自分らの都合なんかどうでもよくて、もっともっともっと消費者のこと考えたほうがいい。

勉強しましょう。


オムニバス形式のライブに行くメリットももちろんあって、それが『発掘』です。

さいきんひっさびさに歌い手として外に出て、あるライブで僕の性癖曲ばかり歌う偏屈(褒め言葉)な歌い手さんと出会ったのですが、控えめに言って最高ですね。(オタクダダ漏れ)

人生初チェキを撮るくらい大好きです♡イヤン///

ただやっぱり、その人には信念があって、プライドがあって、行動に移せていて、着実に進歩していて、だから今はまだ売れてなくても、能動的に応援したいなって思うんですよ。

お客を幸せにする覚悟があるかどうか?

ライブの利益を最大化できるかどうか?は、全てここにかかってるなぁって感じます。

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