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【歌い手版】いちばん簡単なコンセプトメイキングテンプレート

忌山(いみやま)です。

さっそくですがこちら本音です↓

正直な気持ちですが「歌い手してる一般人です!」的なキャッチコピーが一番キモいと思ってます。

誰かがキモいって言っとけば、誰かがやらなくなる。

誰かがやらなくなれば、その人は伸びる土俵に上がれる。

伸びる人が増えれば、みんなもっと楽しくなる。

そんな願いを込めて発信した言葉です。


発信はしたんですが、大切な部分が足りてませんでした。

伸びる要素を含んだコンセプトって?
簡単に考えられる方法ないの?

ここまで述べないと説得力ないな!と思ったので、いざ執筆。


歌い手にコンセプトって必要か?

そもそもコンセプトなんて必要か?という話。

結論、コンセプトが練られていれば伸びる可能性をグングン上げていけるし、コンセプトをテキトーに作ったら伸びるチャンスは限りなくゼロに近づいていきます。

世の中の売れてる商品には、入念に練られたコンセプトが必ずくっ付いています。

例えば「吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機」はダイソンのキャッチコピー。

あまりにも有名すぎますね!

このワンフレーズ、誰が聞いてもダイソンを思い浮かべるでしょう。

間違ってもSHARPとかTOSHIBAとか出てこないハズ。

「吸引力が変わらないんだ~」て一発で理解できる分かりやすさ。

「他にないんだ~」て一発で希少性を植え付けられるコピーの性能の高さ。

売れてる商品には必ず”たった一言で己を最大限表現できる”キャッチコピーがセットになってるんですね。

同じような商品がたくさんある中で、後発組のありきたりな掃除機をヒットさせるにはどうするか?
(歌い手業界にそっくりですね…?)

商品開発の努力(掃除機としての性能アップ)はもちろんですが、魅力的なキャッチコピーがセットだったからダイソンはあそこまで成長した、といっても過言ではありません。


エンタメ系においてコンセプトとは”非言語”である

「じゃあ、魅力的なヒット商品のキャッチコピーをオマージュして作っちゃおう!」だと、浅いんです。

「歌唱力の変わらない、ただ一人の歌い手」←どうです?

キャッチコピーとしてはすごくいいと思うけど、じゃあそのキャッチで”あなた自身の魅力”を本当に生かせるのか?

一生、歌唱力売りでやっていけるのか?

あなた自身が、”歌唱力”というステータスにほんとに魅力を感じているのか?

ほんとはアイドル売りしたい人の場合はどうする?

歌い手を導線にして別のコンテンツを売りたい人の場合はどうする?

成功例のオマージュだけじゃ応用が効かないので、まず先に知るべきことがあります。


エンタメ業界において、コンセプト≒(ニアリーイコール)言葉です。

エンタメ業界のファンは、文字を重要視しない傾向があります。

エンタメファン界隈を見渡すと「140文字は長文」という旨のキーワードを目にすることがあります。

ともすれば、こんな長ったらしい文章(自虐)なんて書いても誰も読んでくれません。

Twitterのbioに、たった一言、渾身のキャッチコピーが書いてあったとしても、誰にも読まれないし、誰にも覚えてもらえないのが現実です。

どんなに文章が上手でも、エンタメ系にカチこんだ以上、文章だけで完全に訴求しようとするのは避けたほうがいい。


売れてる活動者が、必ずしも言葉で己を表現してるとは限りません。

売れてる活動者は、”コンテンツの中身に統一性を持たせる”ことで、ノンバーバル(非言語)でコンセプトを表現してることが多いです。

HIKAKINさんのコンセプト、知ってますか?

東海オンエアのコンセプトは?

フィッシャーズのコンセプトは?

よほどファンじゃない限り、知らないですよね。

でも僕らは、彼らがどんな人なのかをよ~~~く知っている。

ご自身のコンセプトを視聴者に伝えることができるのなら、べつに言葉じゃなくてもいい。

例えばメガテラ・ゼロさんが「癖系歌い手です!癖です!癖です!癖で~す!」なんて売ってるの、見たことないですよね。

ご自身の特徴的な歌い方を生かせる活動を徹底することで、やがて「あの”癖”の人だ!」と顔を差されるようになったわけです。

コンテンツ→コンセプトの流れで刺すほうが圧倒的に分かりやすいし、シェアされやすい。

だってけっきょく消費されるのはキャッチコピー・コンセプトじゃなく、コンテンツなんだから。

とにかく、言葉であろうとなかろうと、伝えることができなければアウト。

アカウントやコンテンツをパッと見て”つまりなんなのか”分からない状態はNGです。

言わずもがな「歌い手してる一般人です!」が一番最悪。


コンセプトが固まるとさらに売れる

少々寄り道。

自分の中でコンセプトが固まっていると、さらに世の中に認知されやすくなります。

↑でYouTuberの例を上げましたが、彼らにはそれぞれちゃんとコンセプトがあります。

己のコンセプトをきちんと自覚しているので、統一性のあるコンテンツを量産することができます。

活動者が伸びる方程式はこれなので↓

  • ハイクオリティコンテンツを

  • 高頻度で

  • 継続的に公開し続ける

コンセプトを自覚=自動的に全て満たせるということ。

やるべきこと、やらないことが明確化していて迷いがない。

だから毎コンテンツ、視聴者にブッ刺すことができる。

とにかく、その逆である”よく分からないヤツ”になってはいけません。

バラードをしっとり歌ったかと思えば、高速高音曲をヒャンヒャン歌ってみたり、デスボイスを習得したからといって惜しげもなくボェボェを披露したり、翌日には和風曲をゥニャンゥニャン歌ってみたり、幻想曲をヒョ~ヒョ~歌ってみたり、ついにやることがなくなって流行曲にぶら下がって右往左往…

「「「「「で、お前誰なん?????」」」」」

て印象しか与えられません。

トドメの「歌い手してる一般人です!」なんて書いてあれば即試合終了。

リスナーからすれば駆除対象です。

こんなんだと当然、活動がうまくいかないので、ある程度フォロワー抱えられる実力あるクセにあっちこっち転生してまたブレてリセット。
(昔のワイの話はやめろ今すぐにだ)

数字がある人=世の中にコンセプトが広まりきった有名人なら多様性を認めてもらえますが、零細活動者がオムニバスなアカウントを作ったらそれはただの”迷走”なのです。
(昔のワイの話はやめろ今すぐにだ!!!)


リスナーは”迷走”を感じ取ります。

単純で分かりやすい、ノンストレスで気軽に遊べる場所は他にいっぱいありますから、あっという間に距離を置かれます。

なんのこっちゃ分からない、いちいちこちらが考えてあげないといけない手間のかかる謎の商品、わざわざ選ぶメリットがないのでね。

リスナーのほうから近づいてきてくれない状況になると、人間って余裕がなくなって、縛り付けるような売り方しかできなくなります。

  • 「新人歌い手だよ???お前ら新し物好きだろ???」

  • 「古参にならなくていいの???先着順だよ???」

  • 「認知欲しくないの???反応してよ???」

  • 「お前らに推されないと辞めちゃうよ???」

  • 「(お前らのせいで)今日で辞めます」(長文ダバーーー)

ダサい発信者はこれから先どこに行っても何をやっても失客し続けます…!

頭使うことから逃げないで、いさぎよくコンセプト考えましょう。


歌い手版・伸びるコンセプトメイキングテンプレート

僕が長年、エンタメを研究してきてたどり着いた、エンタメ系コンテンツメーカー特有のコンセプトメイキングテンプレートがあります。

『異素材(ギャップ)』です。

挙げたらキリないんですけど、結局こういうのが売れていきます↓

  • 住所バレ×VTuber

  • 飲酒喫煙声デカ早口×ツインテ地雷系少女

  • ベビーフェイス×ボディービルダー

  • 山奥自給自足×美女

  • 料理研究家×サトウのご飯×味の素×大酒飲み

  • 30歳越えイケボ成人男性×見た目ロリ美少女

  • 60歳超え×流行曲TikTokダンサー

  • 全身黒タイツ不気味白仮面×ピヨピヨ声ストーリーライター

じゃあ、あなたの中の『異素材(ギャップ)』を探してみましょう。

中学生で身長2m25cmで茶道部とか。

沖縄と北海道を毎週往復してる彫刻家とか。

年収180万アルバイターで遊戯王に毎月20万使うサーファーとか。

↑べつにこんなんじゃなくても、ごく普通の生活してても絶対なんかありますから。
(「何もない」は甘え)

今のご自身のステータスの中で「これとこれはさすがに結びつかんやろw」ていうありえない組み合わせを1つ作って、世に出してみましょう。


僕らは動物園の動物側。

檻の中に入れられて、見世物にされる立場です。

なるべく世間とズレてたほうが売れやすい。

どんなキャラにも一定のお客さんは付きます。

どんなクズでも大金稼げる時代です。

ニコ生主なんかサイテー野郎ばっかりじゃないですか(言い方)

『異素材(ギャップ)』を使えば凡人でもファンは作れます。


コンセプトは1つじゃ足りない

一方向のコンセプトを持ってる歌い手はたくさんいます。

キャラデザ系差別化とか、職業系差別化とか、人外です~とか。

どれも魅力的だけど、まぁでも、よくあるっちゃ~よくあるじゃないですか。

ありきたりなモノ=常套句のことを”クリシェ”って言いますが、お客にとって見飽きた・聞き飽きたモノって売れにくい。

すでに必要十分に満たされてる欲求に、お金を払う理由がないからです。

ので、あえてレッドオーシャンにつっこんでいく必要はありません。

とにかく「えっ!?」を引き出せたら勝ち。

ニットにレザーを合わせるように。

キルティングにベロアを合わせるように。

短パンの下にフレアパンツ履くみたいな。

ベストの上にベスト羽織るみたいな。

魅力的なコンセプト=ファッションです!
(「ファッションセンスない」は甘え)


”歌い手であること”をカウントしない

歌い手であること=コンセプトとしてカウントしないこと。

歌い手であること=基本ステータスであって、プラスになるコンセプトではありません。

「歌い手なんだ!すごい!」て騒がれるのはオフラインだけなので目を覚ましましょう!

歌い手である以上、ネット上にアカウント持って活動してるのは当たり前なので、ちっとも有利にも差別化にもなりません。

『歌い手×◯◯』

↑なのでよくあるこの組み合わせ、コンセプトはまだ1つです。

歌い手なのは大前提、じゃあどんな人がやってるの?
→◯◯×△△な人なの!?!?!?

が理想です。

『あなたという歌い手=◯◯×△△×▢▢×…』

て感じ。

活動以外の部分で、より多くのコンセプトを集められたら最高です!


隣り合ったステータスをたくさん並べても意味がない

隣り合ったステータス同士を組み合わせるのも意味がない。

『VTuber×歌い手×MIX師×動画師×踊り手×カメラマン×…』

↑これね、けっきょく全部同じなんです。

『活動者×活動者×活動者×活動者×活動者×活動者×…』

↑外から見たらこういう風にしか見えていません。

『異素材(ギャップ)』感が全くない、ぜんぜん興味わかない。

同業さん相手にビジネスしたい人であれば大変有効ですが、単純にタレントとして売れていきたいなら、似たようなステータスを並べただけじゃ世間に通用しません。

めっちゃがんばってスキル上げて、似たようなステータスを100個羅列したところで「フムフム、つまり活動者をしてて…で、誰なの?」が飛んできます。

ステータスとコンセプトは別物です!


個性を売らない歌い手ばかり=イージーゲーム

歌い手業界はほんと~~~に個性を売らない人が多いです。
(売”れ”ないのではなく売”ら”ない人)

みんな自分のことしか見えてないので「一般人なのに歌い手してるワイ、異端じゃね?」と陶酔しきってます。

せいぜい100~200人程度の一般人コミュニティでアドバンテージ取って、それにぶら下がって鼻息フンフン。

ネットは猛者のたまり場なので、一般人に毛が生えた一般人=ただの一般人でしかありません。

みんな歌上手くて当たり前、顔良くて当たり前、特殊な人生歩んでて当たり前。

「で、君は?」
「いや、あの、べつに………」

『異素材(ギャップ)』を使わなきゃほぼ勝てません。

=使えれば勝確!


一般人が歌い手バレするわけないのにやたら自意識過剰でかたくなに身分を隠す人もいますが。

べつに免許証や保険証を晒せっていってるわけじゃないので、もっと肩の力抜いていいと思います。

みんな頭使って工夫できないので、頭使わないと自分も”みんな”のままだし、頭使って工夫すれば”みんな”から脱出できます。

伸びる=”みんな”から逸脱するということ。

歌い手に人生かける!とか言わなくていいから、頭使って工夫していきましょう!


まふまふに騙されるな!

いろいろ言ってきたけど最初は難しいかもしれません。

新しい考え方を取り入れるとき”誰かを参考にする”のが近道になることは多いです。

でも、これはやっちゃダメだよって話。

実は僕もひっそり大好き(ひっそり大好き)なまふまふさん。

彼のコンセプトは『何でも屋』です。

…分かりやす〜い前フリで恐縮ですが。

僕らのような零細活動者は、絶対に彼のコンセプトをトレースしてはいけません。

まふまふさんのように先行者利益の助けもあって伸びた人と、飽和状態・無名から伸びていく僕らは、置かれてる状況がまったく違います。

最初は砂漠でフランスパンがバカ売れした時代でした。

「こういうのがあるんだ~」という興味性は凄まじい破壊力を持ってますからね。

でも今は、水ですら売れるか危うい時代。

めちゃくちゃおいしい水を売っても、もっとおいしい水が出てきたら即廃業。

まふまふさんと僕らとでは、思考するべき方向がまったく違うんですね。

特にまふまふさんの『何でも屋』に関してはハードルが高い。

なんでもできる人は世の中に溢れかえっているので価格競争になって簡単に潰されますし、どこか1つのスキルでも落っこちたら全部がコケる超高難易度コンセプト。

何でも屋をやるとしたら、”全てにおいてプロ超え”が必須条件となってきます。

いやw勝てねぇってw


昨今のエンタメ業界、”特化型”が売れる傾向にあります。

世間の話題全域に手を伸ばす=エンタメってイメージがありますが、今は”特化型エンタメ”ていう形態が増えてます。

できない分野が多い人がコンセプトをあえて絞ることで、一定のシェアを取れるようになりました。

従来型の”総合エンタメ”が飽和・衰退したかわりに、特化型エンタメの集合体=新・総合エンタメ、となったんですね。
(例:テレビ→YouTubeの流れ)

それぞれやってることは1つなので、スキマ産業のスキマ産業的な形で、ライバルのコンテンツが増えれば増えるほど市場が無限に広がる正のスパイラル。

おまけに特化型であれば、コンテンツ単体のクオリティがさほど高くなくても、”統一性”のあるアカウントを作ることができて、クオリティを高く見せられるんです。
(高いに越したことはありませんが)

歌もゲームもメイク動画もぼったくり居酒屋凸動画も…と片っ端から拾っていくより、「◯◯ならこの人!」と思われてたほうが、個人運営の僕らとしてはコスパもいい。

だし、そもそも一人の労力で何でも屋なんて始めたら一瞬で時間も資金もショートします。

ぜんぶ中途半端で「誰アイツ?」で終わりますよマジで。
(僕だったら絶対思うし、眼中にすら入れないもの)

素人スタートで何でも屋として成功→99%不可能といっていいでしょう。

まふまふさんだからこそできること。

憧れは憧れのままにしておいたほうがよさそうです。


まとめ

ということで記事をまとめますが、弱者のコンセプト戦略とは

異素材(ギャップ)コンセプトで特定の人だけに刺す

です。

ただの委員長より委員長×ギャルのほうが刺さるし、ただのロリよりロリ×生意気のほうが刺さるってことよ。

(何の話かは置いといて)
(置いといてね)
(置いといてよ)
(ねぇ)

→忌山 Official Site

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