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ベトナム駐在ママに聞く!3回のキャリアチェンジでみつけた自分らしい働きかたとは

「本当に自分がやりたいことは、なんだろう?」
「転職したけれど、これで良かったのだろうか?」
「ライフイベントで思うようにキャリアを築けない......」

近年コロナ禍により多くの変化がもたらされ、働きかたの選択肢も増しています。
そのなかで、ご自身のキャリアについて悩む女性もきっと少なくないはず。

今回は、3回のキャリアチェンジを経て理想の働きかたを叶えたきのこさんに取材しました。コーチとして活躍中の彼女も、過去には数々のライフイベントのなかで自身のやりたいことが分からずに悩んできたそう。

そんなきのこさんがこれまでに歩まれてきたステップを、赤裸々に語ってくださいました。

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▷プロフィール パーソナルコーチ/きのこさん
●1991年生まれ。新卒で入社した人材会社に2年半勤めたのち、転勤族のパートナーとの結婚を機に退職。
2度の国内転勤後、2020年12月にベトナムに転勤。
現在は2人の子育ての傍ら、個人や複数の業務委託先でコーチとしてのキャリアを築くほか、転勤族の女性向けコミュニティ「kinocom」の代表をつとめている。

きのこさんのHP/SNS (←クリックでページ移動)
kinocom(←クリックでページ移動)

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周囲からの評価を軸に生きていた、かつての私

───本日はよろしくお願いします。現在、きのこさんはコーチとして活躍されていらっしゃいますが、具体的な働きかたを教えていただけますか?

きのこさん:2人の子育てをしながら、主人の転勤で移住してきたベトナムにてコーチをしています。そのほか複数の会社でも業務委託でコーチをしており、最近は転勤族女性向けのキャリアコミュニティを立ち上げました。業務形態としては基本的にオンラインで対応しています。

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───転勤族ママの顔を持つ一方で、コーチとして日々精進されているきのこさんに憧れている女性はたくさんいると思います。

きのこさん:実は、今の働きかたに辿りつくまでに紆余曲折ありました。コーチをしていると「自分のやりたいことが分からない」という声をたくさん頂くのですが、かつては私もそうでした。

というのも、私はこれまで自分のやりたいことについて考えてこずに、周囲の目を気にして過ごしてきたのです。


───そのような過去があったのですね。具体的なエピソードをお聞かせください。

きのこさん:幼少期からNo.1になりたいという気持ちが人一倍強くありました。そのため小学・中学・高校時代は常に成績トップの優等生で、社会人になってからも上位の成績をキープしていました。


───周囲からの反応をモチベーションに、努力を重ねてこられたのですね。

きのこさん:しかし26歳で転勤族の主人との結婚・妊娠を機に退職した途端、やるべきことを決めてくれる人もいなければ、評価してくれる人もいなくなりました。

子育てをしながら仕事を続けたかったので、社会的にニーズがありそう!手に職をつけられそう!という思いで目をつけたIT系の仕事やファイナンシャルプランナーは、金銭面で踏みだせなかったり、資格の本を買っただけで勉強する気になれなかったり。

自分はどうしていきたいのだろう?と、キャリア迷子に陥ってしまいました。


きっかけは「おかあさんといっしょ」心から楽しんで仕事をする人への憧れ


───そんなきのこさんが周囲を気にせずに、ご自身のやりたいことを考えるようになったきっかけはありますか?

きのこさん:子育て中に見ていた、「おかあさんといっしょ」という教育番組に影響されました。

心から楽しそうに歌って踊る歌のおねえさん・おにいさんを見て、ふと思いました。自分もあんな風に好きなことで楽しく働きたい、と。

キャリアチェンジを果たしても、小さな違和感を逃さなかった

───憧れの働きかたに出会い、自分軸のキャリアを意識しはじめたのですね。どのようなステップでコーチになられたのでしょうか?

きのこん:コーチになるまでに二転三転ありました。度重なる転勤と子育てで必然的にフリーランスという働きかたを強いられ、最初はフリーランスのWebライターになりました。

その後、幅広いWebスキルを身につけたいと思って入会した*SHElikesというキャリアスクールにてWebデザインに出会います。

これが意外にも楽しく、フリーランスのWebデザイナーにキャリアチェンジ。自分の力で稼げるようになり、以下のポートフォリオを作成しました。

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*SHElikes:時間や場所に縛られない女性の新しい働き方を実現するため、Webデザインやライティングなどクリエイティブスキルを幅広く学ぶオンラインスクール。

───素敵です。好きなことで楽しく働くことが叶ったのですね。

きのこさん:昔からモノづくりが好きだったこともあり、ようやく天職を見つけた!と思っていました。

しかしWebデザイナーとしての実績を重ねていくなかで、本当にこれが自分のやりたかったことなのか?と悩むように。

このタイミングで主人のベトナム転勤と、家族全員での移住が決定。2週間のホテル隔離生活を機に、もう一度自分と向きあうことにしました。


───些細な違和感も逃さなかったのですね。あらためてご自身と向きあうとき、どのようなことをされたのでしょうか?

きのこさん:*『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』という著書を読んだり、*ストレングスファインダーを受けたりしました。

これらのツールで分かったのは、私の強みは人の強みを最大化すること。これを活かして人の能力・価値発揮の支援がしたいという意思が明確になり、これが叶う仕事はコーチだと気づけたときは嬉しかったです。

*八木仁平『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』,KADOKAWA ,2020年
*ストレングスファインダー:「才能診断」ツール。Webサイト上で177個の質問に答えることで、自分の才能(=強みの元)が導き出される。


他人が羨ましくなくなった!2度のキャリアチェンジで起きた嬉しい変化

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───あらためて自己分析をして、コーチになろうと決意されたのですね。

きのこさん:コーチングスクールを卒業してコーチになってからは、マインド面の変化もありました。

正直これまでは大学や会社の同期の転職や昇進を羨ましく感じていましたが、今は自分の理想の軸が明確であるため周囲はさほど気になりません。


───「隣の芝生は青く見える」ことが減ったのですね。ちなみに、理想の軸を確立するうえできのこさんが大切にしている価値観を教えていただけますか?

きのこさん:家族と過ごす時間を大切にすること、やりたいことを*志事にすること、そして変化しつづけること

これらの価値観を大切に生きるために、自らの力で道を切りひらいていきたいと思っています。

*志事:信念を持って人のためになる仕事


キャリアは人生そのもの!きっと全てが繋がっている


───これまでさまざまなライフイベントが訪れるたびに、大きな決断をされてきた様子が伺えました。
過去のきのこさんと同様に、ライフイベントを機にキャリアで悩む女性がいらっしゃったら、どうされますか?

きのこさん:キャリア=人生という考えかたをお伝えしたいです。

キャリアといえば職業や職歴など仕事の側面でイメージされる方が多いと思いますが、*「ライフ・キャリア・レインボー」というキャリア理論では、キャリアを人生をそのものと考えます。

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参照:キャリア教育推進の手引/文部科学省

たとえば、熱心に仕事に打ちこんでいる人が、ライフイベントを機に仕事をセーブせざるを得なくなったとしましょう。
きっと焦り辛い気持ちになるはずです。

ここでライフ・キャリア・レインボーを思い出してほしいのです。

キャリアは人生そのもの。
年齢を重ねたり*役割が変化したりするなかで、ときには立ち止まることも、つまずくこともあるのです。

*ライフ・キャリア・レインボー:人間は仕事に限らず、趣味や地域活動など、さまざまな役割の中でキャリアを虹のように積みかさね、複数のキャリアを使いわけながら暮らしているという考えかた
*役割:子ども、学生、労働者、配偶者、家庭人、余暇人、市民


───キャリアを人生という長期的なものとして考えると、なんだか気持ちが楽になりますね。

きのこさん:もちろん、そのなかでさまざまな障害に直面していくでしょう。しかし置かれている環境でできることを一つずつ積みかさねていけば、これからの人生でどんな境遇においても満たされるようになるはずです。

また、そのときどきで価値観も変化していきます。だからこそ、そのときの自分の心の声に耳を傾け、大事にしたいことを選びつづけてほしいと思っています。


───自分はどうありたいのか・どうなりたいのかを「いま」の視点で考えつづけるのですね。

はい。そのときのご自身の役割を自覚し、キャリアプランを考えるうえで悩みや迷いが生じたとき、私がコーチとして思考の旅のお手伝いができたら、こんなに嬉しいことはありません。

編集後記

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数々のライフイベントが訪れるたびに大きな決断を繰り返してきたきのこさん。

会社員、Webライター、Webデザイナーと紆余曲折のキャリアチェンジを果たすなかでは、そのときに応じた役割を明確にし、心の声を大切にされてきました。

さまざまな働きかたが可能な今、何一つとして正解はありません。

現在キャリアに悩みがある方は、いま一度ご自身と対話してみてはいかがでしょうか。きっとこれから先、あなたが大切にしたい価値観や理想の軸に出会えるはず。

理想の在りかたを叶えるべく、一歩ずつ前進されているきのこさん。今後のご活躍もますます楽しみですね。


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