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★ラガー箚記(44)★リーグワンを勝手に総括

3シーズン目のリーグワン、D1だけは頑張って全試合見ました。そして、完全に自分独自の視点と、主観で各試合を評価していきました。
主に、前年との比較をしながら、その指標をもとに、独断と偏見を持って、今年のリーグを振り返ってみたいと思います。


視点1:試合展開は明らかに面白い試合が多くなった!

試合展開は、僕の主観で10段階で評価をしております。単に、最高だったら10、最低なら、、、1、2はつけたことないですが、3はあります。

2022−2023シーズン:平均 6.85
2023−2024シーズン:平均 7.39

評価で9以上をつけた試合が、

2022−2023シーズン:13試合
2023−2024シーズン:23試合

この2つの指標だけ見ても、明らかに「面白い」と感じる試合が増えたのは間違い無いだろうと思います。

そして、面白いと感じる要素は、やはり接戦が多かったということになるでしょう。1トライ、7点差以内の試合は

2022−2023シーズン:27試合
2023−2024シーズン:34試合

と増えております。

また、試合が面白く感じるのは、やはり、得点がよく入る方が、多くの人が興奮しやすいところでしょう。
1試合あたりに両チーム合わせて入った得点が、

2022−2023シーズン:1試合平均 57.77点
2023−2024シーズン:1試合平均 61.59点

であり、こちらもあきらかに上昇しております。

これらから言えるのは、「得点が多く入るようになり、接戦が増えた」のですから、試合展開として、興奮する内容が多くなったのは間違いないでしょう。

各チームの得点力が上がっていることは、大量点差をつけられてから挽回をして接戦に持ち込んだり、逆転したりする試合が増えていることにつながっています。

10節のサントリー(V Sトヨタ)、11節のリコー(V S東芝)、同じく11節の横浜(V Sサントリー)、13節の神戸(V S東芝)などなどあげればキリがないくらい、20点差以上付けられならがその後試合がもつれて激戦になった試合が数多くありました。
ちょっとしたモーメントの変化で、一気に3、4トライを取れてしまう。リコー以上のどのチームもそういう力を持っているように見えました。


視点2:各要素の分析

次に、僕が勝手に試合を評価している5つのポイントの様子を比較してみます。「セットプレー」「観客の入りとグラウンドの状態」「アンストラクチャーな展開」「ハンドリングスキル」「魂」の5つです。どちらのチームがいいかではなくて、試合全体の印象で5段階評価をしております。

2022−2023:平均3.57

2023−2024:平均3.81


魂、というポイント以外は、どの項目も明らかにポイントが上昇しております。特に、前年は1番最低の評価だった「観客の入り」が一気の4.00近くまで上昇しており、このシーズンの観客の入りが、明らかに良化していることがみられます。

他方で、全体の中では、アンストラクチャーな展開という項目が少し凹んでおります。昨年は、埼玉がこの項目でかなり目立っていたのですが、今年は、アンストラクチャーな展開からのトライというよりも、しっかり自分たちで崩した試合が多く、「アンストラクチャーに強い」という印象ではなくなりました。サントリーも、本来は強そうですが、今年はキックを多様するところがあり、形を潜めた感じ。代わりに、東芝、神戸あたりは、勢いに乗ると、どんな形からでもトライをとってくる恐ろしさはありました。

あとは、下位チームも含め、セットプレーがズタボロ、というようなチーム、試合はとても珍しくなっていると思います。また、スクラムで圧倒的に片方のチームが有利に立ち続ける、ということも。そういう点では、リーグワンのD1のチームは、どこもセットプレーのレベル、スキル、そして試合の中での修正力は大いに上がっているように見えます。


視点3:埼玉がリーグ戦が勝ち過ぎ?

プレーオフの決勝は、劇的な試合になったわけですが、今季の東芝は、とにかく勝負強かったです。全部で18試合を戦っていますが、10点差以内の決着が、

東芝:10試合
埼玉:4試合


埼玉の4試合は、そのうちの2試合はプレーオフで、残りの2試合は交流戦での、サントリーと神戸。2回づつ当たった同カンファレンスとの試合では、接戦になっていないという状態で、この辺りが、最後の最後、接戦を勝ち抜いてきた東芝に対して、ひけをとってしまった原因の1つかもしれません。
この辺りは、カンファレンスの差異から、少し、実力差以上に埼玉が「勝ち過ぎてしまっていた」かもしれません。それが、「埼玉がまずは有利」という風潮に繋がっていたようにも思います。しかし、接戦の1発勝負では、ナチュラルな状態での力だけでは無い部分も、もっと評価しておくべきなのかもしれません。


視点4:30点とっても勝てない試合が増えた

昨年は、1つの目安として、アタックでは30点以上をスコアできれば、かなり勝ちに近づくという状況でしたが、今年はそれが一変。
両チームが30点以上を取った試合が、

2022−2023シーズン:11試合
2023−2024シーズン:24試合

ということで、倍増以上になっております。

これは、スコアが入る試合が増えたということなのですが、もう1つ、試合のスコアマネジメントに対しても大きな影響があるように思います。

30点を取れば、30点を1つの目安にスコアメイクしていくというところがあるかと思いますが、これが、大きく崩れてしまっている。つまり、ラグビーという点の取り合いのスタイルが、その形が大きく変わろうとしているように見えます。

これが、日本のリーグワンだけのことなのか、世界の潮流なのかはわかりませんが、1発勝負のテストマッチとか、ワールドカップなどと違い、リーグ戦は、どこも選手の能力が上がってきて、結果としてスコアをする力が上がっているため、以前よりもトライが出やすくなっているように感じます。また、全体としても、ラグビーは点の取り合いを目指しているように感じます。

戦い方においては、今年は3つのチームが明らかに、ディフェンシブな戦い方から、アタッキングなチームへと変貌しています。
その3チームの総得点の変化を見ますと

埼玉:前年539点 →  747点
相模原:前年360点 → 457点
静岡:前年404点 → 501点

リーグ全体として特区点は増えているのですが、この3チームは明らかに、意図的に、前年までのチームからを「変えよう」としている取り組みに感じました。

これらのチームが順位的に劇的な変動をしたわけではないのですが、少なくとも言えるのは、明らかに「見ていて面白い試合が増えた」ということです。

僕は来年に向けて、こういうアタッキングなチームカラーを持つチームが増えてくるのではないかな、と見ています。


来年に向けては、リーグ戦の2試合増という微妙な決定がなされていますが、それ以外の詳細は現状未定、、と。僕は、選手のカテゴリーの扱いについて、もう少しクリアな方針が欲しいように思います。

現状はこんな感じですが、見ている人にはほとんどわかりません。。
カテゴリーCの選手が、試合で何人までの出場、だけでいいのかなと感じますがどうでしょう。。

リーグワンの1つの目的に、日本代表の底上げがあるわけですが、僕は「レベルの高い外国籍の選手がもっと多くていい」と思っています。長期的に見えれば、一旦開き、次第に少し減らしていく、というストーリーを描いていいのではないかな、と。


いずれにしても、ラグビーの試合がなくなって、平日の夜が暇になりました。我が贔屓の西武ライオンズの今シーズンは終わってますし、、寂しい限りです。。

代表戦を待つことにします。


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