見出し画像

ラガー箚記(27)リーグワンD1 第2節レビュー

第2節は、日産スタジアムと味スタで観客が3万人を超え、リーグワンとしてのレギュラーシーズンの最多を更新しました。その2試合は、試合内容も熱かったです。

人数的には大したことはなくとも、鈴鹿は3000人でも超満員でしたし、ヤマハスタジアムは、メインとバックだけではなくて、ポール裏もしっかりお客さんが入っていて、見るからに盛況でした。

お客さんがお客さんを呼ぶ、そんな形になっていってほしいです!


横浜 24ー22 トヨタ

第2節のベストバウトはこちらでしょう。

トヨタが明らかにチームとしてのディフェンス力を向上させていることがわかった一戦。横浜の計算されたアタックに、去年までならばもっとトライを与えていた。明らかにカバーディフェンスの精度が上がっている。勝てなかったのは、今日はコンバージョンの差かな、と。

横浜は、少し、去年のように「省エネでトライをとり切れる」ような感じではない。そこは研究もされていそう。クリエルー梶村がフル出場しているけれど、ここが怪我でもすると辛そう・・田村の代わりの10番もほしいところで、少し終盤にかけて大丈夫かな、、という印象はありますね。

最後の5分の攻防で、横浜はペナルティをしなかった。トヨタは、もっと、ペナルティをとりに行くアクションがあっても良かったのではないか。2点差なので。この辺は、去年ベスト4まで行ったチームとの経験の差かな、とも。 何にしても、素晴らしい試合でした!!

こういう消耗戦だと、トヨタとしては、デュトイがいないのは痛かったように見えますね。。いるといないでは、後半、違った展開になったのではないかな、と。


サントリー 19−26 東芝

点差は7点だけど、試合内容は東芝の完勝。トライまで持っていく力では明らかに東芝が上。サントリーはポゼッションはできたけれど、アタックでは東芝のディフェンスを崩しきれなかった。東芝は3トライ差、ボーナスポイントまでゲットしての快勝では。

東芝は、課題のディフェンスとその際の規律については、まだ改善点はあるけれども、今日はしっかりとサントリーの、特にラインアタックに対して、その接点に圧力をかけ続け、有効なアタックを阻害していた。サントリーは、クボタに対してできたアタックは、今日はできなかった。

個人的には、POMはモウンガ。4つのトライのうち、3つは、彼がSOでなければ生まれなかっただろうトライ。キッキングゲームでも有利に立たせ、トライのお膳立てもする。改めて、東芝は、モウンガでチームが生まれ変わった印象。これは、かつて、神戸にダン・カーターが来た時の既視感。

サントリーは、少しラインブレイカーが物足りない印象。センター陣、そしてFW第3列も、アタッカーというよりは献身性というキャラクター。この辺りで、大きなゲインや、ラインブレイクというのが少なくて、トライまで持っていけるイメージがあまりわかなかった。

試合としては、プレイタイムが長く、ボールがよく動き、3万人の観衆にとっては、素晴らしい試合だったと思います!


静岡 26ー30 神戸

神戸が辛勝。後半静岡がスクラム中心にモメンタムを握ると、神戸はその時間はなすすべが無かった。しかし、そこで、切り返したのはマイケル・リトルであり、逆転トライは日和佐のランから。日和佐はその前、勝ち越しされるPGの際にオフサイドをしたのが彼。まさに責任ラン。男気役者がちゃんと交代で入って試合をうっちゃる。神戸の層の厚さを感じさせた。

神戸のアタックは、このレベルの相手だと、やはり先週のようにはいかない。ラインブレイクできても、簡単にトライまではいけない。他方で、ディフェンスはしっかりと堪えることができているように見えて、その点はこの後の上位との戦いを楽しみに感じさせます。

静岡は勝ちきれない。。今日の後半、25分までは、もう、このまま2トライぐらい差をつけて勝つんではないか、、という試合だったのに。。65分のリトルのターンオーバーでモメンタムを失ってしまって、そこからのディフェンスは、少し淡白だった。ここは選手層かな。。。

今日の神戸のPOMはサヴェアでしょう。1番ボールキャリーしているでしょうし、密集周辺で執拗に絡み続けている。タックルも激しい。ずっと疲れた〜みたいな顔をしながら、80分、プレーは全く疲れを感じさせない。素晴らしラガーマン。

ヤマハスタジアム、ほぼ超満員では? 素晴らしい雰囲気の中、最高の試合だったのでは。



リコー 17−25 相模原

リコーは結局相模原を崩しきれなかった。前半からボールを保持して攻めていたのはリコーだけど、崩し切ったトライはなし。スクラムの有利も活かせなかった。相模原の守りがち。そして、相模原は後半に2つ、しっかり崩してトライをとった。この差。

試合としては75分のマッガーンのPGは決めておかないといけないキック。こういうキックを外してしまうと、勝負に負けてしまう。ゴールキッカーにかかるウエイトは、どんどんと増してきているように見える。それは。試合のレベルが上がっているということなのだろうと思う。

リコーのルーカス。強さにキックも飛距離も出始めていて、万能感を増している。言葉悪いのだけど、強いチーム、でやらせてみたい。埼玉とか、クボタとか。チームが優勢な中でどんなプレーができるのか、みてみたい。


近鉄 0−49 埼玉

近鉄がディフェンスで十分に奮闘し、後半30分まではその集中を切らさなかった。ただ、その間ずっとサンドバッグ状態で、切替して攻撃、という場面は少なかった。。埼玉が粘られながらも、落ち着いて攻めきった形。

埼玉は無難な戦い。得点が入らなくとも焦ることも、動揺することもまるでなく、きちんと取れるところでトライを取り、相手にほころびが見えたところからは、一気呵成に試合を決めた。今日は竹山があっちにもこっちにもいた気がする。コロインベテがちょっと元気がなかった。

近鉄は、ワクァは攻守に効いていた。ジェド・ブラウンを最初から使わなかったのは勿体無い気もする・・テリトリーについては、クーパーがいたら、もう少し違った展開になったかな。でも、このくらいのディフェンスができれば、中位クラスとはいい試合ができるのでは。


ホンダ 0ー72 クボタ

クボタがしっかり初戦から修正。特に、試合の入りにおいて、相手が一番嫌がること、大きなFWを当てて当てて前進することを仕切っていた。ホンダは、その圧力に耐えきれなかった感じ。

ホンダはアタックがこんなに通用しないとは思わなかったのでは。先週の神戸にはある程度アタックは通用していたので。そう比べると、クボタは今日は80分間、気持ち抜くことなく、しっかりディフェンスを仕切っていたのが素晴らしい。

クボタは、今日はロック陣のハードワークが目立った。それと、ファンデンヒーハー、なんか今年はスピードが増しているような気がするのですが。。いずれにしても、今日は付け入る隙のない、素晴らしい試合運びでした。王者、という感じ。


第2節を終えて、大きなインパクトを残しているの東芝。厳しい序盤の3連戦、次は神戸。今節を見る限り、神戸のアタックは、強いけどまだまだ発展途上という感もあって、激しい点の取り合いになりながらも東芝が勝ち切るのかな、と。

そうなると、序盤の主役に、東芝が躍り出る、ということになりそうですが。。クリスマスウイーク、楽しみです!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?