【自由律俳句】この先の展開を知った上で泣いてるやん
若いカップルの会話に薄いミルクボーイ
生意気にも表参道を一本入った道を歩いていた。「落ちた金木犀はもう、ヤニみてえだな〜」と頭の中で納言の幸を召喚してみたり、一人は一人で楽しい。その目の前を歩くカップル(最近は自分より年下のカップルが増えた!)が、
👨「地図ではここにあるって書いてるよ」
👩「無いじゃん!え、待ってこの後ろ?(ファミマの看板を発見)」
👨「ほらやっぱあんじゃん!」
👩「ほなファミマやないか〜」
一人は一人で楽しい。
この先の展開を知った上で泣いてるやん
午前十時の映画祭は良い。昔の映画ってのは今よりももっと劇場で見る前提で撮ってたわけで、それをスクリーンに写してくれる(それも安く!)ありがたいことこの上なし。さて「ショーシャンクの空に」を見たのですが、こういう大作は人から薦められたり、名作だという世間の"感じ"があまりにも大きすぎて、それを言われたからにゃ、見る時にはこう、しっかり襟元を正して、できれば中断もなく、まっすぐな気持ちで見たいという気持ちがどんどんひとりでに膨れ、それが募って「あー、まだ見てへんねんなあ、むっちゃええねやろ?めっちゃ見たいねんけど」状態になってしまう。なってしまっていた。から、映画館には思い付きでいこう。今まで午前十時の映画祭を観たのは確か調布、梅田、南大沢だったと思うのだけどいっつも空席ぱらぱらって感じやった。今回の池袋、TOHOシネマズ(ズ要るか?)、満員御礼!Dの17とかいういかにも端っこそうな席しかなく、着席。「つかまるよ、マジで。」と、カメラ男が走るやつ(あれはいつの間にか路地裏を走るやつに変わった)の並びでアーニャがぎゃあぎゃあ言うてた。アーニャぎゃあぎゃあ、おっさんスースー。「おっさんスースー?!」もう寝とんがな!映画始まりて、これは予習のしなかったのが功を奏してかなり引き込まれる。(おっさんスースー)。客層は平均して50〜60歳の、息子・娘は独り立ちしましたから夫婦の楽しみは休日の映画でんねん。帰りは西武へ寄って地下でちょっとええ食材でも買うて帰りまひょか、みたいな熟年夫婦多め。横のおばちゃん、僕が入ってきた時から満席っちゅうのにも関わらず隣の僕の席に荷物置いとって「あれれー」なんておもとったら案の定、映画の真ん中にもいってへん段階(こっからネタバレ失敬)あるおじいさんが刑務所からシャバへ帰る?いよいよ帰るんか?みたいなとこでもう鼻をすすりはじめた。「これは泣くとこなん…?」思ったら10分後くらいになるほどな、いう展開になりまして、この先の展開知った上で泣いてるやん。(おっさんスースー)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?