深刻な咳に変わった

ついてこない犬の名を叫んでいる

雨の中革ジャンで走らない

テントにぶつかる2種類の雨音

探さずに出てくるのを待っている

ふくよかな人だと座れない

デジタル時計が僕の生まれた時刻を指す

鼻水が垂れているが垂らす他ない

紙袋に雨除けカバーが付かなかった

少年に着こなされた服たち

最近ミミズを見ていない

土産にもらったペンが書きやすい

落とした硬貨の行方を見ていた

この店唯一のアジア人だ

それほど万能な言葉ではない

一度ハマり終えた曲を聞く

ありがとうごめんどちらでも可の場面

迷い込んだが最後の虫

5分前の眠気が思い出せない

二度と作れない絶品スクランブルエッグ

日本には無いバーゲンの名目

明け方の店の明るさに照らされた防犯意識

じわじわお尻が濡れている

台本を読みすぎた主題歌

味わったことのない痛みに恐れを抱く

違うバスを待っていたのか

8割の人が帽子

じじいよもうそれはギャランドゥというより

シリアスな会話中に食べられたマシュマロ

抜けた髪が視界でかまって欲しそうだ

話してる間にぬるくなったココア

深刻な咳に変わった

ヒンディー語かと思った

急いでいない時はすぐに来るバスだ

飲めと言われて飲んだ水

言い訳を飲み込む時の表情を見ていた

自分の中のリトル原監督が出てきてしまった

割れた足の爪が痛くないやつか試す

友人の隣で複雑化するスマホの中の盤面

大まかすぎて伝わらなかった

紅白よりガキ使を見て育っただろうな

あなたのお気に入りにTikTokソング

乗り気じゃないが一番に着いた

4駅ぶりに話を始めた

イメチェンの域を超えている

アロハ柄のマスクで勉強してた

ああそうだあの人はもうこの街にいない

たまたま被ったにしては突飛な色だ

買った花束の匂いを何度もかぐ