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自由律俳句

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iPhoneのデフォルトapp"メモ"の横一行に収まるような文章です
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2023年1月の記事一覧

六時の針のようにしっかりと立つ

六時の針のようにしっかりと立つ

スキーウェアのようなまぶしさ

コース料理のストーリー連打で完食

ブックオフがあれば違った

携帯のライト付いてますよが喉元で熱い

檸檬が黄色でよかった

消去ボタンで消えたと信じている

持ち主を一向に信じない

通りは賑やかでひねくれちゃうな

見栄張って買った楽器の何か

どの道通ってここまで来たの

兄のおさがりは破けていて

乳歯がまるで生けたかのように

次の句点まではくたばらない

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霧裂いた細い右腕6本足 影は光を待っている

霧裂いた細い右腕6本足 影は光を待っている

息を切らしてくるような場所では無い

ポテンヒットの味がする

それくらいなら書くべからず

香水2プッシュ多いって

憎まれてる人わろてはる

なかんずくとかいつ使うん

我慢の時間帯が続いていますもうずっと

雨に消えたカフェラテ8オンス

そのネタバレは仕方ない1点ずつ返してこ

垂らすまいとした舌の動きにチョメ二つ

丸裸にした館内マップ服着た私はどこにいる

にしても降るねえよくもまあ

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この後もう一度振り返ってバイバイ

この後もう一度振り返ってバイバイ

手よりも洗いたいハンドソープの容器

常連になるために頼み続けた飲み物

使いたい時にいつも使われている

まくれどまくれどの袖で炒めた豚キムチ

アルゴリズムって空気は読めないの

確認なんですがぶつかったのって僕ですか

ラーメン屋の回転率を馬鹿にする一幕

この後もう一度振り返ってバイバイ

思考停止故に出たレジ袋要りますか?

二本の光の筋の間で啓示が揺れている

ブロンドヘアがEDAMA

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愛し愛され生きてきたのさ

愛し愛され生きてきたのさ

紙ストロー死ぬまで話した

ボウルの中の歪んだ顔同士目が合う

下北沢手持ち無沙汰絶望に似た気持ち

自分がこれから言うことにOMGと言った

バスで開けちゃうほどの物を買ったのか

2週間後にズル休みをするらしい

割り込んだ形になってしまった

車上荒らしは中を荒らしてる感が薄い

おっしゃる通りですって言ったことないな

あの中で変顔していても分からない

どこで曲がっても着くから曲がりそび

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思い出でできた道をもう一度歩く

思い出でできた道をもう一度歩く

動いていないことに気付かず4秒

ミキサーの音に生活が吸い込まれた

なんだかこのバンドは嫌いになれないなの夜

乾いた煉瓦に滴る雨は明るい

もうたくさんの意味を持ったキーホールダー 

閉ざされた扉に言い訳された

ユニークなカレンダーの予定は単調

人類史上一番低いところを飛んだ宇宙飛行士

ワイパーが見送った雨粒たち

思い出でできた道をもう一度歩く

降り積もった埃に一筋の指の跡

満開

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朝か疑うほど笑っている

朝か疑うほど笑っている

覚えたはずのパスワードだ

爪を甘噛みした

流行りのアイドルがいかに努力家かという話

買わない家の情報を読み込む

こっちに渡らなければあっちに渡れた

カリカリしてる人のリュックにお守り

後悔しないためだけに走る

現状をぶっ壊してくれ文庫本

夢に教えられた不安がひりひりする

乾燥機の中靴下神経衰弱をがんばる

朝か疑うほど笑っている

反対車線じゃなくてよかった

店長とシフトが被ら

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不器用な寝返りでベッドを泣かせた

不器用な寝返りでベッドを泣かせた

落とした風船を拾った

大阪に初出店してたのか

めくれた枕カバーを整える

満腹時の親切への対応に人が出る

箸を袋に戻す手を見ていた

変える前の壁紙が見当たらない

こっちを向いたら全然違った

この日差しの当たるところにいる

だから持ってないって

寺の格言が置きに来ている

アップデートへの不満が同時爆発

教わった歯磨きが続いている

軽音学部にいた人のコードの巻き方だ

ゆっくり話

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今年初だということにしておく

今年初だということにしておく

ことの重大性を把握できないまま後にした

安売りされた薬が並ぶ

疲れゆえの余裕を見せた

この匂いで思い浮かぶ人がそこにいた

早めに治さないと長引く

後輪を外して持ち歩いている

一つ残したオニオンリングが冷めていく

デビュー作のEPが良すぎたばかりに

強めにつむった狡猾さが涙腺にバレた

思ってたより入っていくガソリン

揚げ物のにおいがしたからやめにした

タイツも履いてるでと言われ

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