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『LINE、何回も打っては消し打っては消ししてたよ』

この記事から一週間ほど。無事に彼氏からお返事がきました。

まずnoteを書いた日に
『バタバタしてた』と。
その後、普通に返したものの、今度は既読スルー。
一周回って「もう知らん!」となり、充実した土日を過ごしていた。

月曜日も返事はなし。別れるにしても最後は会いたいんだけどな、と思っていたから、また週末にでも連絡してみようと思っていた。

火曜日の夜。仕事が終わり、エレベーターでLINEを開くと連絡が来ていた。

『ずっとずっと言わなきゃって思ってたことがあって。
実はバツイチなんだ。それが理由で家に呼べない。
本当にごめん』

あーらら。と思いつつ、年齢も年齢だし、そういうことはあるのかもしれないな、とは思っていた。付き合う前に「結婚歴はないの?」と聞いても『ないよ』と言われていた。嘘だったのか、という悲しさはあった。

でも、きちんと話してくれたということは、私との将来を考えてくれているのではないか。そう思えた。

「文章だとうまく伝わらないから会って話したいな。」

という私に彼も『そうだね』と返事して、木曜日の夜に会うことになった。

* * *

水曜日の夜も、木曜日の朝も、いろいろなことを考えた。

「振るための常套句だったらどうしよう」
「まだ籍は残ってて、離婚の話はしてるけど一緒に暮らしてるのかも」
「子どももいるのかなぁ」
「離婚したばかりで、月に1~2回くらい元嫁と子どもと会ってるのかも」

お昼休みに予約したお店について連絡すると

『ごめん、仕事で今日は難しくなった』

と言われた。最初は「仕方ない」と思ってたけれど、友達が
「大丈夫?話し合いから逃げてるだけじゃないの?」と心配してくれた。

たしかに、と思った私はもう振られる覚悟90%で彼の最寄り駅まで行くことにした。最後の一時間は仕事にうまく集中できなかった。

* * *

彼の最寄り駅は初めて行く駅だった。
思ったよりも暗くて人が少なくて驚いた。帰りにご飯食べられるか分からないからコンビニのおにぎりを食べたけれど、なかなか喉を通らず味もしなかった。

仕事が終わったら、電話で話そう。となっていたので、彼からの連絡を待つ。(本当に電話してくれるかも分からなかったし、会ってくれるかも分からなかったから正直、懸けだった。)

22時前。彼からおまたせのLINE。

『もしもし、遅くなってごめん』
「ううん、こちらこそ疲れてる中、ワガママ言ってごめんね。」
『大丈夫だよ』
「ありがと、もう一個ワガママ言ってもいいかな?」
『うん、どうしたの?』
「最寄り駅きてるからさ、少しだけ会って話したい」

え、あ、え?ほんとにきてるの?ほんとに?いま?最寄り駅に?
と、めちゃくちゃ驚いていた。(普段ほとんど無理強いしないのもあったと思う。)

『車で迎えに行くから待ってて』

別れ話し中に、家の近所で大泣きして困らせてやるって思っていたけど、その計画はできそうにないな、と感じた。

10分ほどで見慣れた彼の車がきてくれた。
「悪い子だから、来ちゃった」なんておどけてみる。
すぐに泣き出してしまうかも、と思っていたけれど、案外、冷静を装えた。強くなってるんだな。

広い道路の脇に、車が止まる。

家が遠いから、終電までは1時間ほどしかなかった。
だけど、顔をあわせていろいろなことを話すことができた。

集約すると、彼はシングルファーザーで、今はご両親とお子さんと住んでいる。だから、家には呼べなかった。言わなきゃってずっとずっと思ってたけど、言ったら終わるんだと思うとどうしても言えなかった。と小声で伝えてくれた。(声が小さすぎて「声小っちゃいよ?!」とツッコんでしまった)

付き合っていきたい、再婚も考えているとは言ってくれたけれど、まさか彼に親権があるとは思っていなかったので、私も驚いて、すぐには結論が出せなかった。

終電が近くなってきたから、いったんは保留にして帰るね、と言った。
彼も「ゆっくり考えてほしい」と言ってくれた。

彼の最寄り駅からでもよかったのだけれど、ターミナル駅まで送ってくれた。(ほんとは家まで送ってあげたいけれど、とも言ってくれた)

15分ほどのドライブ。

「私は罪悪感でLINE返せなくなったのかなーって思ってたけど、
友達は不誠実!って言ってたよ」なんて冗談っぽくいう。

『返さなきゃって思ってたけど、なんて言ったらいいか分からなくて何回も打っては消し打っては消ししてたよ』

ぼそっと呟く彼。
私より9つも上の大人のおじさんが、少女漫画みたいなことしてたんだって驚いた。

あっという間に駅に着く。
混乱はしてたけど、寂しい、と感じる自分の心に気が付いた。

キスをねだる。優しく彼の唇が触れる。

じゃあね。ではなく『またね』という彼に愛しいと思ってしまった。

* * *

話せる時間が短かったから、彼の仕事が落ち着き次第、もう一度ゆっくりご飯に行くことにした。本当に仕事が忙しいらしい。

この土日でひとりで考えてみたり、友達に聞いてもらったりしているけれど、私的には彼と付き合っていきたいなと思っている。
だけど、彼が一番大事にするのはお子さん、ということを考えると少し複雑だ。

そういうことも話し合って、お子さんも私を受け入れてくれるようだったら彼と結婚したいなと考えている。

この先どうなるかは分からない。不安もある。
だけど「この人と一緒に居たい」と思う自分の気持ちを大切にしたい。

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