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ぬるま湯で温まると気持ちいいけど、お湯はすぐに冷めてしまう、恋

コロナ真っただ中の4月下旬。
仕事が休みになり、暇になった。家から出るのも憚られる。

そうだ、恋活をしよう。

そう、思い立ってマッチングアプリを始めた。
今まで何回か手を出してみたが、途中で飽きて消してしまうことが多かった。一番仲良くなれたと思った人に、マルチビジネスの勧誘を受けて心を閉ざしたこともある。

今回もそうなるのかな、と思いつつ、暇つぶしにまた、始める。
指先のタップだけで恋を見つけることはできるのか?世間がコロナ禍の中で、呑気に始めた私のチャレンジ。


最初のマッチングは、年下の子だった。雰囲気が好きで、いいねを返した。
メッセージのやり取りも楽しい。なんだか気も合いそうだ。


そんなその子が、今、セフレになっている。

あれ、おかしいな、割と真剣に恋したかったのに。最初はそう感じた。

でも、今回のことで、なんだかんだ私は人と向き合うのが怖くて、深く関わるのが嫌で、自分の殻を大事に守りながら、他人から逃げているんだと気が付くことができた。
自分の気持ちと同じ大きさの気持ちを返されないかもしれないことが、ひどく怖かった。だから、あったかくて気持ちのいいぬるま湯につかることにした。ぬるま湯は、どうせ、すぐに冷めてしまうのに。

何度か付き合う?みたいな話も出た。

だけど向こうには最初から今は結婚願望がないことを伝えられていたから、「じゃあ楽しいことだけを共有する関係でいいんじゃない?」って。
素敵な人が見つかったら、お互い後腐れなく離れられる関係が楽だよねって。
あと、最初にこの話題が出たきっかけが、向こうの女友達に「付き合っちゃえば?」って言われたって聞いて、そんなんで本当に付き合うの癪だなって意地になってしまった。お前の気持ちがないなら、私もお前に向き合いたくないなって。


そんなこんなで、この約5か月くらいで、いろんなことがあったし、たくさん泣いた。
2回目のデートは箱根旅行だった。今考えてもなかなかぶっ飛んでる。

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だけど、最近は、関係や距離感が落ち着いて、泣くことも少なくなって、気持ちのいい関係が続いてる。きっともうすぐ終わっちゃうんだろうなと常に思いながら、すやすやと眠るその子の頭を撫でる。

会うと落ち着くし、話しててもすごく楽。馬鹿なこともしょうもないことも言い合える。私が悲しんでるとすぐ電話をかけてきてくれるし、たまに甘えてくるのが可愛い。

電話越しに「早く会いたいね」って言われるとほんの少しだけ頬が染まる。

だけど、きっと私はこの関係が終わって、泣く日を楽しみにしてる。
なるべく依存しないように、なるべく深入りしないように大事に育てて、だけど気づけば、少しずつ依存も深入りもして、そんな関係が終わってしまう日が来たら、少し泣いた後、また一歩、一人で生きていく覚悟ができると思うから。


早く君に、素敵で仕方のない女の子が現れますように。

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