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今日会いに行きたい!気になる土偶#035東大阪市立埋蔵文化財センター

初めまして!関西の土偶さん

2023年今年初めて会いに行ったのは、東大阪市の土偶。
私にとって初めての関西地域から出土した土偶との対面です。

土偶というと東北の遮光器土偶が代表されるように、縄文時代の東日本の出土品というイメージがありますよね。
そのイメージ通り、土偶は北海道~東北、北陸、長野~山梨の中部高地、関東地方と、多くが東日本の遺跡から出土しています。

縄文遺跡の総数は全国で9万カ所以上にのぼりますが、その多くが東日本に分布し、かつ大きな集落を形成していた遺跡も多く見つかっています。
一方、西日本には遺跡が少なく、その規模も小さい傾向にあります。

そして土偶の出土数は全国で約2万点。
単純に計算すると、全国で5遺跡に1つの割合で土偶が見つかっていることになります。
東日本と西日本の土偶の出土数の差は、そのまま縄文遺跡数や規模の差にも当てはまるようです。

では、今日の土偶を見ていきましょう。

大阪府東大阪市、東側に奈良の生駒山系の山々をひかえる「鬼虎川きとらがわ遺跡」から出土した縄文時代晩期の土偶です。
この遺跡は旧石器時代~江戸時代にわたる複合遺跡であり、周辺にも多くの遺跡があることから、長きに渡って人々が住み着いていた住みやす場所であったようです。

タテ約7㎝・ヨコ約10㎝・厚さ・約1.5㎝、
ペタンと平たい顔、顔下部~体の多くが欠けてしまっています。

一瞬、顔の両端にある穴が目に見えますが、それは耳を表現しています。

東大阪市立埋蔵文化財センター
発掘ふれあい館 展示

この角度から見ると、粘土帯で一体に作られた眉や鼻がよくわかりますね。小さな細い目と鼻の穴が控えめに表現されています。

欠けてしまっている部分が多いこともあり、どんな土偶であるかハッキリとは分かりませんが、縄文時代晩期~弥生時代に西日本を中心に作られた分銅形土偶(土製品)の面影を感じます。

優しい雰囲気の土偶は、
恐らく数少ない大阪の土偶の一つと思われます。
その他展示されていた体の一部分の出土品からも分かるように、この地域においても確実に〝土偶文化〟があったことわかります。

出土数の少なさからも、なかなか目にすることが出来ない関西の土偶、
この土偶が私の関西土偶のイメージとして定着しそうです。

彼女との出会いが、
幸先が良いスタートをもたらしてくれたように感じます!

▮追記(2023.4)
東大阪市立埋蔵文化財センター 発掘ふれあい館は、2023年3月31日をもって休館となっています。

*参考資料
縄文土偶ガイドブック 三上徹也著 新泉社

最後までお読みいただき有難うございました☆彡


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