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今日会いに行きたい!気になる土偶#031北杜市考古資料館

突然ですが、
皆さんは毎週土曜夜7時放送の
NHKラジオ第1「上方演芸会」をご存じでしょうか。

日本各地で公開収録している漫才、漫談で構成されているその番組は、
冒頭「昭和24年から続く…」とナレーションがあるので、もう70年以上も続いている⁉長寿番組のようです。
毎週収録場所が変わり、その地域の歴史や様子を簡単に説明するところから番組は始まります。

まだ見ぬその場所を想像したり、行ったことのある場所であればその時のことを思い出したりと、
笑いの前にほんの少しそこへ思いを寄せるのも楽しく、
なんといっても漫才漫談をあれこれ理屈なく、ただただ面白く笑う、あっという間の20数分間なのです。

さて、今日の土偶は、
夫婦漫才⁉

「何言うとんねん!」
山梨県北杜市考古資料館

まるで夫婦漫才しているよう!
左の土偶さんの手が、まるで相方をいさめているような、
ボケとツッコミの絶妙な掛け合いが聞こえてくるように思えてきます。

ペアの土偶?
似たもの土偶はいるけれど、それとも違うような感じがします。

山梨県の八ヶ岳周辺では縄文時代中期(およそ今から5,000年前)に多くの土偶が作られますが、中期の後半になるとその数は減っていきます。
そうした土偶の減少傾向に伴って、一つの遺跡で作られる土偶の数は減り、少数の土偶が作られる遺跡の数が多くなっていきます。

その理由ははっきりしませんが、大人数で祈りを捧げることから、小さな単位で土偶を作り祈る、という形へと変化したということが言えそうです。

これらの土偶の特徴としては、
腕がやや上向き、体のあちらこちらにくっきりと刻まれた文様、口周りに入れ墨を表したような文様、といくつかの緩やかな共通点が見られます。

その後時代が進むと、土偶の数はぐっと少なくなりやがて全く作られなくなったことを考えると、時代の過渡期に〝祈り〟や〝土偶〟の意味を問いながら、それぞえのムラで作られた土偶であったのかもしれません。

この土偶たちをよくよく見ていると、
軽妙なテンポで次から次へと掛け合いをする、
年配の姉妹の土偶にも見えてきたりして…。
あっ、やっぱり、
兄弟の漫才師にも似ているような気もします。

私の中でお笑いに触れる唯一の時間。
毎週土曜の夜7時のキッチンで
一人大笑いしています。

◆参考資料
北杜の土偶 ~うつりゆく祈りのかたち~ 
 北杜市考古資料館 発行

お読みいただき有難うございました。




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