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縄文の女神に会いに行く!山形県立博物館

「会いにいきたい」と思い立ち、
急遽一週間後に会いに行った「国宝 縄文の女神」


山形県立博物館へ

国宝「縄文の女神」がいるのは山形県。
東北の冬は早い、雪の降る前に、っと思ったら
今行くしかない!と早速向いました。

11月の半ば過ぎのこの日、
車窓越しの山々はもう雪をまとっていました。

山形駅からほど近い「山形県立博物館」。
広い館内を順路通りに進むと、
珍しい鉱物や化石など興味深い展示がいっぱい!
目指すは、考古展示室にある国宝ブースです。

日本最大の土偶

高さ45㎝、横幅16,8㎝、重さ3.155㎏は、
現存する中で最大の土偶です。
凛とした佇まい、遠目で見ても、
際立つ均整のとれた美しい立ち姿!
現在は、頭から上半身、角柱状の脚が絶妙な
バランスで繋がっていますが、
発見時は5分割の状態でした。

余分なものを一切そぎ落とした全身像

製作者の高い美意識が見えてくる、
計算されて作られた研ぎ澄まされた全身像です。

約4,500年前の縄文時代中期に作られました

エッジが効いた上半身は、
胸の上部はw型、それを縁取るよな2本線と
首にはネックレスような3本線。

くびれたウエストから続く下腹部は、
中心に置かれた5角形の内側に縄文。
その両脇から腰回りにかけては、
アンシンメトリーに幾何学文様の表現。

安定感のある角柱状の脚は下へいくほど広がり、
最後には2本が繋がっています。
脚の前後には太い線文様が入れられています。

艶やかな地肌とカッパ形の頭

横から見るとより際立つ出尻と言われる臀部は、
背中から丁寧に磨きあげられています。

このつやつやの光沢は、
土に石英せきえい(水晶を代表とする鉱物)が
含まれていることにもあります。

カッパ形と言われる頭は大きく凹み、
全部で6個の貫通した穴があります。
顔の両脇にある穴は耳飾りのようですが、
他の穴は何のために開けられたのでしょうか。

これも必見! 国宝つけたり 土偶残欠どぐうざんけつ

「縄文の女神」と共に出土した土偶の破片は、
非常に貴重な「本体に附属するもの」として
国宝つけたりに指定されています。

48点の土偶の欠片はバラバラで、
どれも繋ぎ合わせることができませんでした。
5つに分かれた状態の「縄文の女神」が、
欠けることなく完成形を見ることができたのは、
やはり特別なことであるようです。

縄文の女神を思わせるような欠片もあれば、
全く違うものもあります。
これらは数百年の間に
作られたものと考えられています。

縄文の女神が生まれた場所へ

次に向かったのは、
山形県立博物館から車を走らせること約1時間。
「縄文の女神」が誕生した「西ノ前遺跡」です。

高速道路脇に位置するこの遺跡は、
道路工事のための調査により、
竪穴住居跡や土器等と共に発見されました。

今は遺跡公園となって
縄文の女神」だけが佇んでいます。

なだらかな丘の上からは遠くまでが見渡せます。
縄文人もこうやって
空を見上げていたのでしょうか。

空模様が怪しくなって、
数分後には豪雨、そしてヒョウが降りました。
道路脇の温度計は5℃をさしていました。

この厳しい気候の地で稀にみる美しい土偶。
土偶残欠どぐうざんけつが表しているように、
幾度となくチャレンジした成果であったようです。

このような造形を生み出すことができたのは、
なぜでしょうか。
「縄文の女神」に託されたものは、
なんであったのでしょうか。

*参考図書
縄文土偶ガイドブック 三上徹也  新泉社
縄文時代史 勅使川原彰  新泉社
女神たちの饗宴  山形県立博物館

最後までお読みいただき有難うございました。




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