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今日会いに行きたい!気になる土偶#012千葉市立加曽利貝塚博物館

まるでトルソーのような、女性の上半身を思わせる土偶です。
首から上が欠けてしまって、どんな顔であったのか?うかがい知れないのが残念です。
千葉県千葉市の加曽利貝塚から出土した、縄文時代後期初頭?と思われる土偶です。

円錐形土偶
千葉市立加曽利貝塚博物館
からだの曲線を、足したり引いたりしながら
作り上げているような痕跡が見られます。

縄文時代、日本列島の沿岸部では数多くに貝塚が作られました。中でも東京湾周辺は特に多い地域で、千葉県は657ヶ所と全国で1位となっています。
因みに2位は茨城県の327ヶ所、3位宮城県の218ヶ所、以下、埼玉県、神奈川県、北海道と続きます。(貝塚ランキング:岡山県彦崎貝塚のパンフレット参照)

さらに千葉県には100mを超えるような大型の貝塚が集中しており、加曽利貝塚はその中でも特に大きい直径約140mの貝塚と、長径約190mの馬蹄形の貝塚があり、縄文時代を代表する貝塚として特別史跡に指定されています。

その巨大な貝塚が物語るように、縄文時代中期から晩期までの約2,000年間に渡って、繰り返し集落が営まれたと考えられています。


この土偶は円錐形土偶と言われる、からだの中が空洞になっている土偶です。もともと脚の表現はなく底がやや丸く作られており、安定感がとても良い自立する土偶です。
縄文時代の中期以降に、関東地方、山梨県から北陸にかけて作られていました。

同じ円錐形土偶として有名な、山梨県南アルプス市の子宝の女神ラヴィには、からだの中に土鈴のようなモノが入っていたことが分かっています。
中を空洞にしたのは、割れを防ぐために中までしっかり乾燥させる工夫であったようです。
そしてそれが、土偶に新たな役割が与えられることに繋がったとも考えられます。

縄文人も日々、〝良いものを作ろう〟と試行錯誤を重ねていたのかもしれませんね。


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