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沖縄の気になる2つの「縄文ニュース」

冬の寒さの気配を感じるこの頃、毎年決まって「どこか暖かい南の島で、のんびりしたい…」と思うのは私だけでしょうか。
寒くも暑くもなく、大きな空と豊かな海、ゆったり流れる時間(旅人だからかもしれませんが)により一層あこがれる時期です。
そんな事を思い始めたこの頃ですが、そのあこがれの島の気になるニュースを見つけました。

その1:沖縄の宮古島で出土した骨が、縄文人のDNAと100%同じ特徴をもっていた


今まで、縄文時代の沖縄諸島より南の「先島諸島」の人々は、台湾やフィリピンなどの南方からやってきたとされる「南方説」が有力でした。
つまり、本土と同じ縄文人がいたのは沖縄諸島までで、その南の先島諸島には縄文人はいなかった言われていました。
ところが今回のDNA分析の結果は、沖縄諸島から縄文人が来たことを示したのです。

でも、素人の私の眼からみると、
何となく腑に落ちる、というか、
むしろ今までの定説に疑問?を感じていたというか。

今の沖縄本島の人と宮古島の人の顔立ちに違いは感じられなく、目鼻立ちがはっきりしている美男美女が多いという印象。
その祖先が別々である?というのは、どういうことかと思っていました。

今の日本人は、縄文人と渡来系弥生人のMIXとされていますが、
沖縄の人は縄文遺伝子が30%、
それに比べて、本州の人は僅か10%、
因みに、北海道のアイヌの人は70%。

遺伝子は、容姿だけでなく人間の行動にも関係することがあるそうですが、それよりも環境的要素の方が影響が大きいそうです。
よく「生まれか育ちか」と言われますが、どちらかと言うと「育ちがあって生まれがある」と言えるそうです。

芸能界では沖縄出身者が多く活躍いるように感じます。
表現することが好きであって秀でている、何か才能を持っているのかなと感じます。
温暖な気候や海に囲まれた環境と、情熱的!?な縄文人の遺伝子の両方が関係しているのかもしれませんね。

文化的にも、今まで先島諸島は奄美・沖縄諸島と接点がないとされてきましたが、その説も覆すことになります。

ジュゴンが生育していた沖縄諸島では、その骨を使った装身具などが出土されるなど、本土とは違った沖縄独自の文化を育んでいて「沖縄貝塚文化」とも言われます。
また、縄文土器に似ている波状口縁土器が出土する事から、本土の縄文時代との関連もあると思われ「沖縄縄文時代」と呼ばれることもあるようです。

しかし沖縄諸島よりさらに南にある先島諸島にある宮古島、石垣島は、沖縄から200㎞ほどの距離もあることから、この縄文文化の広がりはなかったと考えられていました。
むしろ、距離的に近い台湾やルソン島などの南の文化が入ってきたと考えられてきました。
これには生物の分布からの見方もあるようで、陸の生物、海の貝、甲殻類などからは台湾との共通性が多いということにもあったようです。

縄文人が沖縄本島から200㎞先の宮古島へ船で渡った!と思い描くだけでも、壮大なロマンを感じます。

これからの発見や研究で、新たな南の縄文世界が生まれそうですね。


その2:縄文時代に豚を飼育していた

沖縄本島で、7千年以上前の縄文時代にはブタを飼育していたというのです。
沖縄県の縄文遺跡「野国貝塚」から、野生ではまれな高齢のブタの骨が複数出土したことから解ったそうです。


これまで約3千年前の佐賀県の「菜畑遺跡」が国内で最も古い飼育の痕跡とされていたとのことです。

沖縄にはジュゴンや山羊も食していたということから、決して本土より動物性食料がなかったということではなく、むしろ海に囲まれた沖縄では海産物も豊富であったはずです。
ただ、本土と違うのは、毎年のように台風が通過すること。
狩りや採集ができない期間が必ずあったための食料の確保の手段であったかもしれません。

沖縄に行った時に「鳴き声以外全て食べられる」という言葉を聞きました。
確かに沖縄には豚肉を使った料理が多いですよね。
三枚肉や足の煮込み、本州では見かけない耳の薄切りミミガー、胃や腸を使った料理もあり、どれも美味しく!いただきました。
この豚肉料理は、中国との交流や琉球王朝の宮廷料理として発展を遂げたそうです。
ちょっと横道にそれましたが、もちろん縄文時代の「豚の飼育」とは直接関係は無いです‥。

近年の発掘や研究で、日本各地で、粟やえごま、大豆、小豆などが栽培されていた痕跡が出土し、木の実などの採集だけが食料の調達手段でないことが解ってきました。
さらにこの「飼育」が加わると、自然の中で狩猟、採集のスタイルだけではない新しい縄文人の生活が見えてくるかもしれません。

これからも次々と新しい発見があり、今までの定説が覆されていくことと思います。
何十年後には、縄文時代…ではない新しい時代区分ができるようになるかもしれませんね。

最後までお読みいただき有難うございました☆彡

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