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今日会いに行きたい!気になる土偶#028岡谷美術考古館

夜のラジオ番組で、ある落語家さんがこんな話をされていました。
「古典落語には〝目黒のさんま〟を除いては秋を感じるものが殆どありません。
春、夏、冬、年末年始はそれぞれその時期に合わせた落語がありますが、何故か秋を表す落語はないのです。」
その理由ははっきりとは分からないそうですが、
「江戸時代の庶民にとっての秋は、収穫や冬の準備で忙しかったからかもしれません。落語どころでなかったのではないでしょうか」と。

粋で陽気な江戸っ子は、実は秋を楽しむ余裕がなかった…と、文化が証明しているようです。

江戸時代と違って、今は秋と言うだけで様々なキーワードが浮かんできますね。
私はやはり〝食欲の秋〟でしょうか。栗や梨、柿、新米とさんま…と食にまつわる話ならいくらでも沸いてきそうです。
先日は栗ご飯を作ろうと、毎年恒例の栗の皮むきに四苦八苦…。

そんな大好きな栗に似ている⁉土偶を今日は紹介したいと思います。

小ノ畑遺跡 / 岡谷美術考古館
大好きな岐阜のお菓子屋さんの
〝くりきんとん〟にそっくり!

長野県の諏訪地方で、縄文時代晩期~弥生時代中期頃に作られたと思われる土偶です。
三角形の頭と、T字形に眉と鼻が繋がっているのが特徴の〝山形土偶〟と呼ばれるものです。
因みに「山形」とは、頭の形が山のようであることから命名されました。

山形土偶は、元々は縄文時代後期に千葉県など東関東で多く作られましたが、縄文時代晩期になるとその範囲は東海地方まで広がりました。
またこの頃の関東、東海地方では、鯨面土偶と言われる顔全体に入れ墨を入れた土偶が多く見られるようになります。

この土偶の頬から口、さらに顎まで繋がった文様は、入れ墨を表しているようにも見え、鯨面土偶の特徴を少し合わせ持っているのかもしれません。
独自の造形を生み出している中部高地地域にも、土偶の流行が入りこみ、ちょっと控えめながら表現してみたのでしょうか。

ユニークな土偶の顔を見て、
〝どこかで見たことのある顔〟と思う方はいるでしょうか?

ちびまるこちゃんのクラスメートの永沢くん!
似ていませんか⁉

お読みいただきありがとうございました。

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