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”日本酒”は嗜みませんが‥見て、楽しみます。

すっかり定着した”家飲み”。一人ゆっくり飲むお酒には、ちょっとこだわっている!という人も多くなりましたね。
ジンやウイスキーなどの新たなジャンルに幅を広げたり、全国のクラフトビールを試したり、と楽しみ方もいろいろ。
数年前からブームになっている「日本酒」にチャレンジした人も多いのではないでしょうか?

従来の「日本酒」のイメージは、熱燗でチビチビと、あたりめや塩辛などの定番の肴で、とまさに昭和演歌の世界。
しかし今や、どんなジャンルの料理にもO.Kのオールマイティーのビールやワインのように進化して、イメージを一新。
”冷”で呑むことも多くなり、スパークリングなものや、ノンアルまであり。デパートやスーパーの日本酒売り場で、銘柄、種類の多さに驚きながらも、その華やかさを見るのも今や私の楽しみの一つになっています。

パリの三ツ星レストランのワインリストにも掲載され、「日本のロマネコンティ」と称されたり、セレブが日本酒ファンと公言したりと、海外でも高い人気を誇っている日本酒は、「お米の国=日本」の代名詞となりつつあるそうです。

そのきっかけの一つになったのが、2013年のAPECで、安倍元総理大臣がロシアのプーチン大統領の誕生日に、元総理の地元、山口の日本酒”獺祭”をプレゼントしたこと、さらに翌年にはアメリカのオバマ元大統領が来日した際にもプレゼントしたことにもあるようです。
オーストラリアでは日本の酒造メーカーの協力のもとで、酒米を育て醸造までおこなっている酒造会社もできています。

では、日本だけでしか作られていなかった日本酒は、いったいいつ頃から作られ、飲まれてきたのでしょうか?

そのヒントの一つが、この縄文土器「半人半蛙文有孔鍔付土器」(はんじんはんあもんゆうこうふちつきどき)が、ワインを造っていたことにあります。

「半人半蛙文有孔鍔付土器」縄文時代中期 長野県藤内遺跡

藤内遺跡 半人半蛙土器

では、なぜこの土器がワイン作りをしていたと言えるのでしょうか。その理由は2つあります。

1つは、この土器の口の縁に小さな穴が18個開いていることです。アルコールを発酵するときにはガスが生じるので、そのガスを抜くための穴と考えられます。
2つめは、土器の中にはヤマブドウの種子の破片が付着していたことです。ヤマブドウの糖分が、自然の中に存在していた酵母でアルコール発酵し、ワインが造られていたことを示しています。

土器の名前に「半人半蛙文‥」とあるように、人と蛙を合わせたような不思議な文様が施されていることから、特別な日、祈りや祭りのために作られて、飲まれていたと推測されます。
このように初めて日本で作られたのはワイン(果実酒)で、縄文人はワインを飲んでいた可能性があるのです。
稲作をしていなかった縄文時代のお酒としては、当然のことかもしれませんね。

では、稲作が始まった弥生時代ではどうだったのでしょうか。
ヒントの2つ目が、”日本人が飲酒をしていた”と記述がある『魏志倭人伝』にあります。
『魏志倭人伝』の中に「倭人(日本人)が、葬儀の際に歌い踊って酒を飲んだ」「父子男女にかかわりなく飲んだ」という内容を見つけることができます。

ただ、このお酒が、縄文時代と同じ”ワイン”だったのか、それとも日本酒だったのかはわかっていません。
『魏志倭人伝』が書かれた3世紀ごろの弥生時代には、日本各地に広く稲作が広まっていたことを考えると、ひょとしたら弥生人は日本酒を飲んでいたかもしれませんね。

『魏志倭人伝』(ぎしわじんでん)
中国西晋の陳寿が3世記に編纂した「三国志」のうちの『魏書』東夷伝倭人条の通称。東アジアの7種族について書かれている。

日本酒がいつから作られ、飲まれはじめられたか?は未だにはっきりと解っていませんが、脈々と作り続けられた日本酒が、世界中の人々を楽しませていることに、日本人として誇りを感じます。

またもう一つ、日本酒ならではの楽しさが”ラベル”にあります。
もはやアート作品と言っても過言ではないほど、その味、香りを表現しようと創意工夫に満ちている”ラベル”が多くみられます。
日本酒を飲んでも、飲まなくても、お店に並んでいる日本酒の”ラベル”を眺めて楽しんでみませんか?

日本酒をあまり飲まない私が、ついつい手を伸ばしてしまった日本酒のラベルをご覧ください。

金色に色づく稲穂が高級感を感じさせる”正統派”。ブルーの発色が際立ってキレイ。

日本酒 稲穂


かわいい!夏のヤゴ。夏酒の爽やかさが醸し出されています。

日本酒 やご


自然の力強さを感じるラベルは、有機栽培のお米で作られた日本酒のもの。

日本酒 風

お米から丹精こめて作られた各地の日本酒。ラベルにも作り手の思いが込められています。
日本だけのこの文化を大事にしたいですね。

最後まで、読んでいただき有難うございました。

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