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今日会いに行きたい!気になる土偶#030岡谷市立美術考古館

お鍋の美味しい季節になりました。
昨日の我が家の夕食は、今シーズン初の鍋「白菜と豚肉のミルフィーユ鍋」。
昆布出汁に豚肉と白菜だけのシンプルで簡単なお鍋。
器によそって、ポン酢醤油をほんの少しだけ垂らしていただきます。
豚肉の油をまとった白菜のトロ~とした美味しさが、たまりません。

今は電気鍋を使うことも多いようですが、私はやはり昔ながらの土鍋。
大きめの信楽焼と、小ぶりで少し平たい有田焼の土鍋の2種類を使い分けています。
土鍋は、素材の栄養やうま味を閉じ込めてぎゅっと凝縮してくれるのはもちろん、土鍋そのものの温かみがある雰囲気も魅力的ですよね。
土のもの、ってやっぱりいいなぁ、とほっこり。

縄文時代は…というと、
この頃の鍋の形の主流を占めるのは、甕形の深鉢土器です。
下半分は先細り気味で底は平たくなり、全体の下半分ほどを土の中に埋めて、その周りで焚火をしていたようです。
火が直接鍋を包み、熱が逃げにくい形がこの深鉢型であったようです。

一方、福島県などでは複式炉と呼ばれるが使われていたことも分かっています。
大きな深い土器を埋めて、その周りを石で囲んだ二重構造で、土器の中にも火が用いられた跡が残っているようです。
実際にはどのよう使われたかは分かっていませんが、かまどのような構造は熱を逃がさない工夫から生まれたのかもしれません。

縄文土器の深鉢型はおこげの跡があることなどから、文様のないシンプルなものや燃え上がる焔を思わせるような火焔型土器、さらにヘビの顔のようなものがついた土器まで、多くが実際に使われていたと考えられています。
縄文時代の竪穴住居の食卓は、想像以上に奇異な光景であったのかもしれませんね。

さて、今日は土偶ではなく、こんな顔がついた土器をご紹介。
縄文時代中期に作られた土器は、長野県の諏訪湖近くの遺跡から出土しました。

写生したかのようなのクールな人の顔は、芸術性の高い土器が多いこの地域の中ではかえって新鮮に映ります。

岡谷市立美術考古館
冷めた目つきが印象的です。

以前にも紹介した「顔面把手付深鉢形土器」は、同じ時期に同じ遺跡から出土したものです。

こんなにも違う2つの土器、
縄文人の多様な精神性や想像力が表れているようです。

重要文化財
岡谷市立美術考古館

食卓の真ん中にあるのは、
芸術的タイプ?それともクールな写実的な顔?
皆さんは、どちらがお好みですか?

お読みいただきありがとうございました。

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